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トップ > My ページ > リリー さんのレビュー一覧
検索結果:2件中1件から2件まで表示
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2人の方が、このレビューに「共感」しています。 2009/09/19
このペアーズとブリテンによる「冬の旅」の演奏ほど歌手と伴奏が一体となった演奏はないといって過言ではないと思います。ペアーズの見事なアーティキュレーションと大作曲家にしてピアニストのブリテンのペダルをふんだんに使用した美しく気高い演奏に酔いしれました。涙なしには聞くことのできない歴史的名盤でしょう。1961年まで同性愛が何と刑法で「犯罪」とされていたイギリスで互いにパートナであり続けた二人の暗い社会に対する人に言えない絶望感やプロテストも感じられます。特に終極の「ライヤー回し」の虚無感は他に類を見ない完璧な表現で特に心を打たれます。まさに「芸術」と呼ばれるにふさわしい名演と思います。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2009/09/19
まず惹かれたのは、ヤン・ロットの歌詞のオランダ語訳です。語調を重視し、脚韻を踏んだ韻文のオランダ語でミュラーの原子とはかけ離れた部分もありますが、自らを「カエサル」に見立てた「孤独」や特に終曲の「ライヤー回し」では「ロマンチックな音楽」に惹かれた主人公が一人でライヤーを奏でる老人に「雪の宮殿の王」を見いだし「氷で衣装を作らせてほしい」という場面は死に対する深い思い入れのみならず現世に対するプロテストが感じられます。そうした大詩人ライナー・マリア・リルケを彷彿とさせる詩をコニングスベルガーはしみじみ語りかけるように歌いあげます。性別適合手術は勿論、声帯の手術や豊胸術まで保険適応され、さらに世界で初めて同性の正式な婚姻を承認したオランダのお国柄を象徴するかのような柔らかで温かい心が伝わってきます。またブラウンのピアノも平淡で素朴ながら「氷の上で」の部分などすぐれて独創的な部分もあります。これまで「冬の旅」を聴くときは決まって死にたい気持ちでいっぱいだったのが、このCDの歌を聴いて初めて生きる勇気をもらいました。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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