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les_chaumes さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/13

    ACCディスク大賞を受賞した名盤。ヴアイオリンのグリュミオーと並ぶ、フランコ・ベルギー学派の典型と言うべき流麗高雅なバッハ。重々しく力強い演奏を期待する方には物足りなく感じるかもしれない。多くのそうした演奏とはまったく次元を異にする、香気流れるような演奏スタイルだ(これもまたバッハだろう)。よどみない見事なフィンガリングは、特に難曲6番に顕著にあらわれる。これほどしなやかで気品高い演奏は他にないだろう。6番ニ長調の本当の姿はこれなのだと思う。この演奏を聴いた後に、汗を散らしながらゴリゴリと勇壮に(しかも多くの場合、ややたどたどしく)弾き鳴らすような演奏を聴くと、違和感を感じてしまう。美音と高度なテクニックで知られたジャンドロンの演奏スタイルは、ともすれば優雅に傾きすぎるきらいもあった。しかしここでは適度な力強さをも感じさせ、見事にその美質と曲がマッチしている。教会などで演奏されたら、降り注ぐような気高い音が頭上の空間に響き渡っただろう様が目に浮かぶ演奏である。私にとってはこの曲最高の録音である。せっかくの好録音が無視されがちなのを寂しく思っていたが、すでに4レビューが書き込まれており、同好の士が何人もいてうれしく思う。(できれば、値段が上がってもいいからオリジナルジャケットを復活させてほしい。)

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