17才

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    農夫  |  岡山県  |  不明  |  2019年01月11日

    ハルカトミユキの音楽は、コミュニケーションの不可能性に苦しむ者たちに、自らを生き長らえさせる呼吸空間を提供します。ここに自分と同質の痛みを持つ表現者がいる、との共感によって。 無理解、誤解、感情の行き違い、侮り等々の、他者との間で生じる軋轢。そこで見えてくる自己の弱さや覚悟の無さ、孤独感、辛さ、悲しさ、そしてやり場のない怒り。ハルカトミユキの楽曲のテーマは真っ正直に首尾一貫しています。同時にそれは客観化された、わたしたち自身の生の実相でもあります。そう感じさせるのは楽曲が自家撞着を避け、感情が昇華され、吟味された言葉が普遍性を獲得しているからこそでしょう。そう思います。 1曲目の「17才」は絶望の内にあってもコミュニケーションの回路を開いておくことの決意とその促しの歌と言えるでしょう。彼女たちの新たな領域を拓いたのかもしれません。4曲目に配されたそのピアノバージョンは、内省編に思われます。2曲目の「朝焼けはエンドロールのように」は彼女たちの本領です。歌詞、曲調、編曲、歌唱が在るべき形に絶妙に一体化して、心に突き刺さります。3曲目の「そんな海はどこにもない」には意表を衝かれます。編曲者名がクレジットされているところから、音を徐々に削っていったことが推察されます。この楽曲は初期の「未成年」と同様に、わたしたちの幼時の原体験を描いたわらべ歌といった位置づけが可能です。 アルバムであれシングルであれ関係なく、本作も繰り返し聴かずにはいられない珠玉の1枚なのです。

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