交響曲第1番『海の交響曲』『勇気はあるのか、おお魂よ』 マーティン・ブラビンズ&BBC交響楽団
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fi-di | 愛知県 | 不明 | 2018年10月29日
オーケストラ・合唱・指揮・ソリストと四つ揃った上に,いい録音(必ずしもハイクォリティということではなくて,コンサートの臨場感を彷彿とさせる,という傾向で)のこのての大編成曲で,なおかつ「イギリスもの」ということになると,本当に皆無に近く,これまで何枚の「ハズレ」を買ってきたことか。音楽好きな上にオーディオ好きというニーズを満たしてくれるのは,恐らくこれしかないだろう。冒頭のファンファーレの鳴り方で,録音の仕方が作為的でなく遠近感を大事にホールトーンをしっかり汲み入れながらのものだというのがよく分かる。オフマイク録音ながら,楽器の配置がよく分かり,しかも奥行き感が凄く,合唱まで含めると俯瞰的な位置から録音している感じがする。 演奏としては,奇をてらわず丁寧。過剰なドラマティックさよりも,豊かなハーモニーでぐいぐいと迫ってくる。それはソリストの選定にも言えて,特にバリトンの方は,これまで聴き馴染んできた「髭の船長さん風のぶっとび」というよりも,「詩人の知的な朗読風」だ。これは好みの分かれるところだが,こんな知的な「海」のソロは初めて聴いた。 白眉は第四楽章。ユニゾンで静かに始まる音楽が,月や星,銀河の世界に思いを馳せながら次第に盛り上がっていくところ,延々と重なり合いつつ拡大していくハーモニーの壮重さ。イギリス合唱作品の面目躍如だと思う。 これまでちゃんとした演奏はあったと思うが,それをできるだけありのままに録音してくれたすばらしい盤はなかなかなかった。そういう意味で,名盤だと思う。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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