『ナクソス島のアリアドネ』全曲 K.トマ演出、ユロフスキー&ロンドン・フィル、イソコスキ、クレイコム、他(2013 ステレオ)
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notabene | 東京都 | 不明 | 2019年08月31日
この演出、特にオペラ部分に説得力がある。それぐらい包容のある作品だということ。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2014年09月12日
2013年夏、グラインドボーンでの上演だが、序幕の舞台はまさにグラインドボーンそのものを思わせる、室内オペラの上演もできそうな貴族の館(マナー・ハウス)。人々は20世紀半ばのファッションで戦時下(つまり第二次大戦中)であることは暗示されるが、終盤までは定型通り進行。ところが最後になって爆撃機の来襲が映像で投影され、屋敷の外では火が燃え上がる。オペラ本体も全く同じ場所で演じられるが、館は接収されて病院になっている。入院患者のアリアドネは精神を病んで(失恋も本当か?)、神話のヒロインだと思い込んでいる。慰問にやってきた(とも思えない?)ツェルビネッタ一座だが、例の大アリアを歌う彼女は、夜中に変な歌を歌う気の触れた女と解されて拘束衣を着せられてしまう。大アリアの後で拍手が起こらないのは珍しいが、そんな気にならぬほど「笑えない」シリアスな設定。つまり、ばらばらになりがちな序幕とオペラを緊密に結びつけようという演出だが、神話の物語を日常的な次元に引き降ろすことの難しさを感ぜずにはいられない。特に最後、いかに戦場の英雄とはいえ、バッカスが普通の男では、アリアドネが彼を死神ヘルメスと思い込む、さらには両者の相互変容といったストーリーに説得力が欠ける。残念ながらバッカス役、スコロホドフの歌も冴えない。しかし、リンゼイ(作曲家)はやや線が細いが、イソコスキ(アリアドネ)とクレイコム(ツェルビネッタ)は一級品。これでグラインドボーンの音楽監督退任となるユロフスキーの指揮は相変わらず切れ味鋭い。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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