R.シュトラウス:ツァラトゥストラ、モーツァルト:交響曲第40番、マーラー:亡き子をしのぶ歌 カール・ベーム&ベルリン・フィル、F.=ディースカウ(1962)(2CD)
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千葉のアリアドネ | 千葉県 | 不明 | 2013年12月10日
全盛期のベームの素晴らしさ、ライブの面白さを十分に堪能できるセット。音質は62年にしては、良いとは言いかねるが、音楽の鑑賞には差しつかえないのではなかろうか。40番は定盤のDG盤(BPO)とほぼ同時期にあたる。第二楽章迄はDG盤よりゆっくりしているが、晩年の一部の演奏と違い、遅さがリズムの切れの悪さに繋がらない。構造的で推進力があり、ある種硬質でもあるDG盤に較べると、土台は同様にしっかりしているが、歌い回しはより大きく、しみじみとした情感の豊かさを感じさせる。終楽章は逆にDG盤よりも速いテンポで締めくくる。64年のインスブルックライブ(VPO)ともまた違った味わいだ。亡き子はセッション録音(DG)の前年にあたる。ディースカウは自叙伝の中で、BPOの卓越した技術、ベームの格の違う指揮を得て、難問だらけのこの歌曲での課題達成に、ゲネプロの時から涙ぐんでしまったと記しているが、その感動の息吹はこのライブ盤により明らかではないだろうか。DG盤より声はONに捉えられている。ツァラも素晴らしい演奏だ。セッション録音(58年DG)に比べテンポはやや早目で緩急はより自在。あくまで自然な流動の中で、彫りの深く大きなクライマックスが形成されいく。音楽の立体感、表情のみずみずしさはDG盤を上回り(最新のSHM-CD盤は私は聞いていないのだが)、シュバルベのソロもセッション録音に比べずっと伸び伸びと歌い上げている。ベームファンはもとよりシュトラウスファン必聴の演奏。それにしても何と音楽的密度の濃い一夜の宴なのだろう。Testamentはこれまでベームを殆どとりあげてこなかったが、これを皮切りにどんどん取り上げて欲しい。BPOとの演奏は70年代にも素晴らしいものがいくつもあった(私たちの世代はFM放送で幾度も聞くことができたのだが)。一回一回の演奏に目を離せないベームのライブの素晴らしさを、是非今に蘇らせて欲しい。4人の方が、このレビューに「共感」しています。
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