ピエール・ブーレーズ:作品集(13CD)
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ombredouble | 東京都 | 不明 | 2013年03月11日
基本的には既出音源から纏めたセット.適宜Erato音源を採用し作品ごとに取捨選択を行っているため(たとえばソナタでは1番がエマール、2番がポリーニの名録音)明らかな欠陥演奏は排除され、全体的な演奏解釈の質は高い.ブーレーズ作品のCDを余り持っていない人向けの入門的セットとしては安心して推薦できる.一方で完全な新録は小品二、三だけでプラスアルファが少なく、現在演奏可能な同曲異版すら網羅しているわけではないため細かい取りこぼしも多少発生し、「全集」と名乗るにはかなりの隔靴掻痒感があるのも事実.(なおDGGの公開している演奏者クレジットでは、構造IIはコンタルスキー兄弟ではなくエマール&ボファールになっている.まあどちらもそれぞれに美質のある優れた録音だ.) 数少ないCD初出音源であるデリーヴ2の再改訂版(2006)とノタシオン管弦楽版はライヴの演奏会から.後者などは今までであればCD化を許可しないクオリティの演奏だろうが、初演者バレンボイムの妙に遅いテンポが定着してしまったVIIの、本人による解釈が聴けるので一応の価値はあろう. 婚礼の顔・水の太陽・プリ・カミングスは詩人である等は旧版の公式録音が存在するわけだし(そしてその全てが、現在一般に入手可能なわけではない.水の太陽は1958年稿から現行版への改訂でオケ・合唱ともディヴィジョンが大幅に細かくなっているし、婚礼の顔旧版は音楽自体がかなり異なるので収録する価値は十二分にある)、実験的な電子音楽作品も折角なら纏めて欲しかった.ここに収録されたフィギュール・ドゥーブル・プリズムのBBC響との録音はテンポを落としすぎているので、SWR響との近年のライヴを出してくれれば嬉しかった.といったところだろうか.何にせよ、これで終わりと思うと少し寂しいものがある.8人の方が、このレビューに「共感」しています。
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