クリスマス・カンタータ集 マックス&ダス・クライネ・コンツェルト
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ヴァニタス | 千葉県 | 不明 | 2012年05月06日
クリスマス・カンタータということだが、オケの編成は限られたもので、弦合奏とオーボエ、通奏低音(ファゴット、オルガン)のみの9人編成。派手さはないが、ささやかな活気に満ちている。収録されている5曲のカンタータのほとんどは1740年代のものらしい。6〜7楽章のうち、合唱、コラール、アリア、レチタティーヴォ、アッコンパニャート、デュエットがバランスよく配置されている。アリアなどは3〜4分程度の長さで長尺になることはない。終曲には必ずコラールが配置されるが、オケのリトルネッロがどのコラールにも付随しているのが特徴かもしれない。さて、グラウプナーの教会音楽を聴く機会はバロック音楽の認知が高まっている現在においてもあまり多くないため、この音盤の存在は大変ありがたい。演奏の水準も申し分ない。だが、バッハのカンタータの深い精神性と叙情を期待するわけにはいかない。バロック末期のギャラントな雰囲気は、下火になりつつあったカンタータ史の一端を示しているのかもしれない。生き生きとしたリズム感やときにユニークな表現は聴きものだが、繰り返して聴くだけの強度があるかは微妙だ。一方で、一都市の巨匠が大量生産型の作曲業を巧みにこなしていた実態を知ることのできる音盤でもある。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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