アドルフ・ブッシュ&ゼルキン・デュオ、1939−50年ライヴ集(4CD)
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スナフキン | 東京都 | 不明 | 2011年02月05日
中学生の時(随分前です)、ポンコツで音が出なくなったステレオを買い替えて、母が最初に買ってきたのが、ブッシュ弦楽四重奏団のラズモフスキー3番とセリオーソだったのご縁のはじまり、そのあとブッシュの名が馴染みだったので、ベートーベン、シューベルト、ブラームスの室内楽が殆どすべてブッシュから聴き始めました。たまにパールマン等新しい演奏を聴くとなんとも物足りなく、結局ブッシュ=ゼルキンに戻った、というブッシュの「ファン」です。当然、ブッシュの演奏は、入手できる限り全て聴いています。 そういう「ファン」からすると、この組物は、なんとも悲喜が混在します。喜び:モーツアルトなどは、ブッシュは全盛期にはK.377しか録音しなかったので、こうして何曲か聴けるのは、喜ばしい限りです。(聴くたびにいつも思うのですが)技術的には現代のレベルからすると時にはたどたどしく聴こえるほどなのですが、それでいて訴える力は圧倒的です。じっと自らをみつめるような内省的な音は、聴き始めた瞬間にブッシュとわかります。こういった個性は今はなくなりました。 悲しみ:もともと技巧で鳴らした人ではなく、特にアメリカに渡ってからの演奏には、健康を害したせいか、往年の集中力も欠け、雑な演奏に聴こえる曲があります。シューベルトの大幻想曲はよい例で、戦前の1931年の録音は、静謐な演奏で、聴き始めると、じっと息をこらしている自分に気づくような演奏ですが、本CDの演奏(1946年)では、往年の集中力はなく、音にブッシュ特有の主知的な抑制が効かなくなってしまっており、解釈は同一ですが、知らない人が聴くと、単なる乱暴な演奏になってしまいます。 最盛期に録音されなかったブラームスの3番、シューマンの1番が聴けるのは有難いですが、矢張り全盛期には及ばない。 結論から言うと、マニア向けの組物で、聴きごたえがあるのは、モーツアルト、バッハ等短めの曲、ということだと思います。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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メープルシロップ | 不明 | 不明 | 2011年01月09日
アドルフ・ブッシュの数ある録音の中でも、この4枚組のCDセットは、非常に音質が良いと思います。曲の最後に拍手が入っているので、「ああこれはライヴ録音なのだな。」と感じさせられますが、非常に集中度の高い、また、完成度の高い演奏で、深い感銘を受けます。 ブッシュのヴァイオリンとゼルキンのピアノのバランスや絡み具合も大変素晴らしく、デュオの醍醐味を感じさせてくれます。 ブッシュの素朴で温かい音は、心に染み渡るようで心地良いです。 ぜひ多くの方々に聴いていただきたいCDだと思います。5人の方が、このレビューに「共感」しています。
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