マルチヌー(1890-1959)

CD String Quartet.3, 4, 5: Emperor Sq

String Quartet.3, 4, 5: Emperor Sq

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    ホーボー健  |  東京都  |  不明  |  2012年10月29日

     エンペラー四重奏団は1992年設立のイギリスの弦楽四重奏団。  マルティヌーの弦楽四重奏曲はこれまで録音は決して少なくはなかったものの、チェコ勢に独占されてきた。これは私の知る限りはじめて登場した非東欧圏の演奏であり、まずはその点からも興味深く聴いた。  マルティヌーのこれらの曲の解釈には二つの極があるように思う。かたやパノハ四重奏団の演奏にみられる新古典主義様式による解釈があり、もう一方にはコチアン四重奏団などに見られる、バルトーク寄りの表現主義的な解釈であって、このエンペラー四重奏団の盤は、その後者の方向を、よりローカル性を払拭しつつ推し進めたものと位置づけられると思う。非常に振幅の大きな、ダイナミックな演奏であり、やや鋭い音色で刻み込むように進行する音楽は、辛口かつ、明らかに(ドヴォルジャークでも、ルーセルでもなく)バルトークやショスタコーヴィチの線上で捉えられたものである。曲自体もそうしたさまざまな解釈に十分応えうる強靭さを備えている(要するに、これらはバルトークの諸作に匹敵する傑作群である)。  耳慣れない、やや奇妙な感じを与える弦楽四重奏団の名称と、キッチュな装丁で、ややキワモノめいた印象を受ける盤ではあるが、内容は非常に優れている。全集としてはシュターミツ盤を勧めるが、これもこれらの曲の非ローカルな解釈の可能性を示すものとして、ファーストチョイスとなりうる盤であろう。

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