交響曲第5番、ハープ協奏曲 アルトゥール・アルノルト&モスクワ交響楽団、テイラー・アン・フレッシュマン
検索結果:2件中1件から2件まで表示
-
レインボー | 不明 | 不明 | 2021年07月23日
ソヴィエトの作曲家、アレクサンドル・モソロフは、活動初期には現代音楽協会に所属し、この頃に代表作の『鉄工場』を書くのですが、その破壊的な作風が当局に睨まれ、逮捕されるも、師ミャスコフスキーとグリエールにより8年後に無事生還する事ができました。 この頃からは初期の作風とは違う、社会主義リアリズムに沿った作風となりました。 このCDの収録曲もそう言う路線の作品です。 1965年に書かれた『交響曲第5番』はモソロフ最後の交響曲にして、最後の大作らしく、冒頭から冷たい、いかにもソヴィエトと言ったメロディが出てきます。 3楽章からなりますが、曲調は雄大だったり、激しかったり、落ち着いたりと表情がさまざまに変わります。 モソロフ最後の大作に相応しい出来の作品。 1939年の『ハープ協奏曲』は師グリエールのハープ協奏曲を手本にしたような作品で、明るくメロディアスな作品であり、丁度苦しい時期に書かれたものですが、そのような雰囲気は全く感じさせない、傑作です。 演奏はアルトゥール・アルノルト指揮、モスクワ交響楽団。 1990年代から2000年代半ばにかけてナクソスとマルコポーロ系列に録音を残した、モスクワ交響楽団ですが、2005年頃のコルンゴルトの録音を最後に新録は途絶えており、今回久々の新規録音での登場となったものです。 その演奏はモソロフへの共感豊かで、それでいて分かりやすいもの。 流暢なサウンドですが管楽器にロシアらしい野太いサウンドが見られたりするほか、フレッシュマンのハープもよく名演と言える内容です。 尚、指揮者はオランダ出身で現在このオケの音楽監督との事。 録音場所は変わらずモスフィルム・スタジオで、音質も良好。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
このレビューに 共感する
-
ユローヂィヴィ | 大阪府 | 不明 | 2021年03月03日
『交響曲第5番』は社会主義リアリズムのお手本のような作品でとても楽しめた。 第1楽章はソヴィエトの国営農場の風景を描写したような、のどかで恵み溢れる田舎の雰囲気が感じられた。 最終楽章では明るい未来を予感させるような建設的なイメージに溢れている。 芸術家に対する政治的な圧力があったからこそ生まれた作品。 モソロフとしては不本意な作品なのかもしれないが、ソヴィエト政権下だからこそ産まれた20世紀における明るく前向きな音楽。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
このレビューに 共感する
検索結果:2件中1件から2件まで表示