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CD アーリー・ピアノフォルテ・ピアノ・コレクション(10CD)

アーリー・ピアノフォルテ・ピアノ・コレクション(10CD)

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    Dinkelbrot  |  群馬県  |  不明  |  2021年02月08日

    HMVのコメントにあるように作曲当時のフォルテピアノあるいは作曲当時に近い古いピアノで演奏したものをセットにした好企画で、いずれも十分楽しめた。近代ピアノで演奏したものと比較するのも楽しい。とりわけフォルテピアノの濡れたような滲んだような音色に引き付けられ、CD1~4,6いずれの演奏も堪能した。ただフォルテピアノは小音量の響きが特に美しいので、CD4のパシュチェンコはちょっと鳴らし過ぎではないかと思った。CD1のエマニュエル・バッハの2本のバイオリンのためのソナタをビオラダガンバ1本用に編曲したものは響きが柔らかく、演奏者がフランス人だと雰囲気もそうなるのだろうか。原曲の2本のバイオリンのためのソナタの演奏のCDがないか探してみたが見つからなかった。CD5のde Berangerの歌曲を聞いて、最初これらは20世紀に入ってからのシャンソンではないかと思った。この作曲家の最初のシャンソン曲集が1821年に自費出版されているので、このCD5の曲は全て19世紀前半ということになりそうだ。19世紀前半にこんな古さを感じさせないシャンソンが作られていたとはちょっと驚きだ。いつも思うのだがボックスセットCDの難点は、ブックレットが貧弱で歌詞が付いていないことである。歌詞が良く分からないと歌曲の楽しみは半減するので、CDメーカーはOn-Lineで提供するなど配慮してほしいところだ。特にde Berangerのシャンソンの歌詞などはインターネットでもまず見つからない。CD5の単売のものを購入するしかないのか。古いプレイエルの柔らかく少し霞のかかったような音色も独特だ。CD7のプレイエルで聞くショパンは、選曲や演奏者のせいもあるのか、ゆったりと甘くやや健康的に響く。こんなショパンもいいものだ。ショパンはプレイエルを好んでいたというから、こんな音色で弾いていたのだろうか。CD8,9のシューマンは録音レベルがやや低いのでボリュームをちょっと上げた。ピアノは1875年製のスタインウェイで、現在のような切れの良い音ではなく、このような柔らかい音だったのだろうか。バイオリンの音がやや細いが、他のチェロ、ピアノのパートが比較的落ち着いた音色なので、これらの対比がシューマンの精神状態を表しているようにも思え、興味深く聞いた。定番のボザールトリオの演奏と比較すると、バイオリンの影響か神経質に聞こえるが、全体としては生気のある緊張感のある演奏だ。録音音質はボザールトリオのものよりも圧倒的に良い。CD9のカノン形式の6つの練習曲、Op.56は、聞いたことがなく、シューマンにこんな曲があったのかと不思議に思った。ペダルフリューゲル連弾用の練習曲を編曲したものらしい。シューマン自身が編曲したということは見つからなかったので、この演奏のために編曲したのだろうか。元々ピアノ連弾用の練習曲でそれほど難しい曲ではないようだ。編曲されたクラリネットを加えた演奏は、ゆったりとした佳曲に仕上がっている。CD10はリストが好んだというプレイエルでのリストのピアノ曲集だ。元々当方はリストはあまり好みではないが、良く知られた曲ばかりであり、古いプレイエルのおかげか、リストのロマン派的な面や、おどろおどろしい響きが良く分かり興味深かった。 以上珍しい曲も聴けたし、いずれのCDもAlphaならではの録音の良さで、昔のピアノの音を色々楽しめる本セットは魅力的でお買い得だ。

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