中世の声と文字 親鸞の手紙と『平家物語』 シリーズ“本と日本史” 3 集英社新書

大隅和雄

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087208641
ISBN 10 : 4087208648
フォーマット
出版社
発行年月
2017年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
187p;18

内容詳細

鎌倉新仏教は手紙のやりとりから生まれた!

〈本と日本史〉は各時代を代表する「本」のあり方から、当時の文化や社会の姿について考え、当時の世界観・価値観がどのように成立し、変化していったのかを考察する歴史シリーズである。

第三巻が扱うのは「中世の声と文字」。平安期に生まれた『源氏物語』などの日本を代表する中世文学は、ごく限られた貴族社会でのみ享受されたものだった。当時、大半の人間は無文字社会に生きており、文字を持たない民衆の間にも豊かな文化が芽生えていた。
本書では、そうした中世社会の文化を生み、そして伝えた「声」に注目する。そして、親鸞上人をはじめとする鎌倉仏教の始祖たちが、遠隔地の文字が読めない弟子に向けて語りかけるように書いた、情感溢れる手紙を読み解き、当時の知識人と民衆との関係を鮮やかに描き出す。また、琵琶法師の「語り」により広まった『平家物語』の分析を通し、中世文化誕生の背景に迫る。日本中世史学の大家による、画期的入門書。

■目次

まえがき―中世を体現する本

第一章  親鸞の著述
主著『教行信証』/和文の本と和讃/手紙による問答/信心を語る手紙/自然法爾の法語/教典としての消息集

第二章  中世の手紙
我が子を案ずる母の心/法然―念仏の信心を教える/日蓮―信仰者の信念を伝える/北条泰時―武家の自覚を説く/恵心尼―深く秘めた信仰体験を明かす/多様な文体と文字の工夫

第三章  世の移り行きを書く
仮名文字で書く歴史/合戦の?末/『愚管抄』が説く世の道理とその変化/保元・平治の物語/治承・寿永の乱/琵琶法師の語り

第四章  平家の物語
平朝臣清盛公のありさま/東国と西国/平家都落と木曾最期/源氏の追撃と一ノ谷・屋島の合戦/壇ノ浦の合戦と平家の滅亡/世界の総てを見た女院

あとがき―中世の声と文字

著者について

【著者略歴】
大隅和雄(おおすみ かずお)
1932年東京都生まれ。日本史学者。東京大学女子大学名誉教授。1964年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。網野善彦らとの共編著『大系 日本歴史と芸能』(平凡社・日本ビクター)で毎日出版文化賞特別賞を受賞。著書に『愚管抄を読む』『事典の語る日本の歴史』(講談社学術文庫)等がある。2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典・東京工業大学栄誉教授の実兄。

【著者紹介】
大隅和雄 : 1932年福岡県生まれ。日本史学者。東京女子大学名誉教授。1964年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。網野善彦との共編著『大系 日本歴史と芸能』(平凡社・日本ビクター)で毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 浅香山三郎 さん

    大隅さんの本は久しぶり。引用が多く、本シリーズは原文の鑑賞と解説に重きを置くのか、余り新味もないけれども、親鸞の書簡等、中世の仮名の手紙の味はひをたどだとしくも感じてみるにはよいか。『平家物語』も『愚管抄』も拾い読みでなく通読したいと思ふも、必要がないとしないだらうなと思ふ。

  • ikeikeikea さん

    親鸞等の手紙と平家物語についての引用と解説から成り立っている本。前半の親鸞の手紙は親鸞自身が平易な言葉で自らの教えを解説してくれてとても有益であった。ただ後半の平家物語の章は平家物語の引用とちょっとした解説で成り立っているのであまり新規性がなかった。中世人の手紙だけで一冊書けば良かったように思う。

  • 飯田一史 さん

    前振りでしている声の話があまりないのでは……

  • 四不人 さん

    後段の『平家物語』や軍記物のとこは、やや薄味か。書物は歴史を叙述することから始まった、というのは本書にもある表現だが、本書を読んで思ったのは、日本では一部の「本」は、手紙を束ねたものから始まってる、ということ。そう言えば、「庭訓往来」だってそうだもんな。

  • 糸くず さん

    書くことから見る中世の歴史:入門編。歴史と文学との関わりについては、第3章に簡潔にまとまっているので、全くの初心者は第3章から読んで、興味がわいたら他の章を読むとわかりやすいと思います。

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