20世紀の名演奏〜来日演奏家幻の日本録音
フランス・オーボエの至芸/ピエール・ピエルロ
テレマンからプーランクまで、オーボエ音楽の200年を横断する−20世紀フランス・オーボエ界の重鎮、ピエルロの至芸を堪能できるソロ・アルバム、世界初CD化。
「管楽器のフランス」といわれるほど傑出した管楽器奏者を輩出してきたフランス。20世紀後半を通じて、フルートのランパルやバッソンのオンニュらとともに、その代表的な存在として日本でも高い人気を誇ったピエール・ピエルロ(1921年パリ生まれ)。スペインのバレンシア音楽院とパリ音楽院で学び、1947年からはパリのオペラ・コミーク管弦楽団の首席奏者となり、1949年のジュネーヴ国際コンクールではオーボエ部門で優勝しています。ランパル、オンニュ、ヴェイロン=ラクロワらとパリ・バロック・アンサンブルを結成し、またパイヤール室内管弦楽団の録音にも数多く参加することで、バロック音楽の普及に大きく貢献しました。その音色は限りなくおおらかで明るく、技巧も完璧、常に歌に満ちた流麗な演奏が特徴です。
このアルバムは、その活動の初期からコンビを組んできたクラヴサンの名手ヴェイロン=ラクロワと1975年に録音した名盤で、今回が世界初CD化となるもの。テレマン、バッハ、ヘンデルとバロック時代の作品3曲と、シューマン、そしてプーランクと時代を大きく横断してオーボエ音楽の魅力を堪能させてくれます(シューマンとプーランクはピアノ伴奏)。(BMG)。
(1) テレマン(1681-1767):オーボエ・ソナタ イ短調
(2) J.S.バッハ(1685-1750):オーボエ・ソナタ ト短調 BWV.1020
(3) ヘンデル(1685-1759):オーボエ・ソナタ ハ短調
(4) シューマン(1810-1856):3つのロマンス op.94
(5) プーランク(1899-1963):オーボエ・ソナタ
ピエール・ピエルロ(ob)
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(cemb,p)
録音:
1974年6月 川口市民会館(1-3)、日本ビクター・スタジオ(4,5)[ステレオ]
かつてのフランス派を代表するオーボエの名手ピエルロが、日本で収録したアルバム。初のCD化だ。まるで青い空に白い雲で線を描くようなクッキリとした旋律と、張りのある音色で鮮やかな色彩感を描き出す演奏には、現代の奏者からは聴けない魅力がある。(長)(CDジャーナル データベースより)