CD 輸入盤

『レクィエム〜戦争の悲哀〜マーラー、シュテファン、バターワース、ヴァイル』 イアン・ボストリッジ、アントニオ・パッパーノ

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
9029566156
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


レクィエム〜戦争の悲哀
イアン・ボストリッジ、アントニオ・パッパーノ


2018年11月11日は第一次世界大戦が終結してから100年を迎える日。ワーナー・クラシックスを代表する音楽家、ボストリッジとパッパーノはこの日のために4人の作曲家の歌曲を集め『レクィエム』と名付けて世に問います。
 全19曲からなる収録曲は、いずれも19世紀の終わりから20世紀、第二次世界大戦の開始に至るほぼ50年に渡って作曲されたもの。大戦が始まる前にこの世を去ったグスタフ・マーラー[1860-1911]以外は、全て戦争体験者であり、クルト・ヴァイル[1900-1950]はドイツから亡命、ルディ・シュテファン[1887-1915]とジョージ・バターワース[1885-1916]の2人は戦争で命を落としています。
 しかし、ボストリッジは「これらの歌は世界大戦から直接影響を受けているわけではない」と指摘し、独自の解釈で全ての歌を歌い上げます。バターワース、シュテファンの歌では、いつもの溢れるような表現力は抑えめに、淡々と、時には甘さや妖艶さも込めながら曲の持つ味わいを表現しています。ホイットマンのテキストに曲を付けたヴァイル作品でも、ブロードウェイのミュージカルを思わせる派手な歌い方の中に、甘さと冷静さを感じさせる歌唱が見事です。
 しかしマーラー作品では一転、ボストリッジ自家薬籠中の物である表現力の高さが炸裂。「Revelge=起床ラッパの意味」では凄惨な行進曲のリズムに乗って、死に向かって突き進む少年の生きざまが、まるで目の前で見ているかのように語られていきます。 伴奏のパッパーノのピアノも超絶的に素晴らしい演奏。普段はオーケストラを自在に操るパッパーノ、ここでもピアノから重厚で多彩な響きを紡ぎ出し、時にはボストリッジを超えるほどの雄弁な表現力を見せ、作品に対する熟考のアプローチを見せまています。
 戦争に対する普遍的な悲しみ、恐怖だけでなく、隠された死への甘美な憧れまでにも光をあてた魅力的なアルバムの登場です。(輸入元情報)

【収録情報】
● バターワース:歌曲集『シュロップシャーの若者』
● シュテファン:連作歌曲集『われ君に高雅なる歌を歌わん』からの6つの詩
● ヴァイル:4つのホイットマン歌曲
● マーラー:『子供の不思議な角笛』より(惨殺された鼓手/トランペットが美しく鳴り響くところ/少年鼓手)


 イアン・ボストリッジ(テノール)
 アントニオ・パッパーノ(ピアノ)

 録音時期:2018年
 録音場所:ロンドン、ハムステッド、セント・ジュード=オン=ザ=ヒル教会
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

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第一次大戦に散ったバターワースとルディ・...

投稿日:2019/01/19 (土)

第一次大戦に散ったバターワースとルディ・シュテファンの歌曲集、アメリカ亡命後のヴァイルが第二次大戦中に作ったホイットマンの詩による歌曲(最後のマーラーに通じる鼓手の歌や戦死者への哀悼歌が含まれている)、そして最後にマーラー『少年の魔法の角笛』からの戦争の歌三曲。英語の歌とドイツ語の歌を交互に配して、触れれば壊れてしまいそうに繊細な『シュロプシャーの若者』から激烈なマーラー歌曲へと、徐々に表現がエスカレートしてゆくようにプログラムが組まれている。『シュロプシャーの若者』はバリトンも好んで歌う曲集だが、私はやはりテノールが好き。ブリン・ターフェルのような悪達者な歌では、この曲集の素朴さを裏切ってしまうと思うからだ。ボストリッジももちろん達者な歌手で、キーワードの表情づけなどさすがだが、ターフェルのような野暮はやらない。第6曲「うちの馬は耕しているか」は死者と生者の対話で、死者は自分の愛した娘の行く末を尋ねているが、ボストリッジのセンシティヴな歌からは、彼が最も愛したのは対話相手の青年であることが痛いほど伝わってくる(詩人ハウスマンが同性愛者であったことは今では広く知られている)。この盤の白眉はもちろんマーラーの三曲で、両端の『死んだ鼓手』と『少年鼓手』では凄まじい表現主義を見せる。ボストリッジの歌では、表情の強さのあまり、歌が語りに近づいてしまうことがあるが、両曲のクライマックスではもはや歌ではなく、ナマな叫び声になってしまっている。当然、これでは「やり過ぎ」という非難も起こるだろう。オケ伴の生演奏(1月15日、大野和士/都響)では全く違う歌い方をしたので、この録音(パッパーノのピアノの表現力も絶大)に限っての表現と言えるが、彼がここまでやらざるをえない気持ちも良く了解できる。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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投稿日:2018/12/10 (月)

百年目の追悼 世界大戦へ至った形而上の事由を人類は未だ解明していない 人が生命を道具に覇権を争う愚行が日常化してしまった衝撃に驚いているのは人間自身だ その恐怖と不自由はもう消すことができないまま 同じ間違いを繰り返して百年が経ってしまった 道具の進歩は人類を人殺しにしただけなのか 音楽には不安から悲哀までが刻まれている 悲しく辛い思いをするために音楽をしたくない ならばこれを昔々の記念碑に捧げるのではなく 私たちの魂に銘じるまでのことだ ”シュロンプシャーの若者”を初めて聴いた気がする そうでないかもしれないが魂に入った マーラーは痛かった 無惨だ ボストリッヂには他のマーラー歌曲も歌ってほしいものだ いくつもの国を跨いで殺し合いをしてしまった記憶は今も人類を慄え上がらせている 私たちは斯くも酷たらしい生き物なのか いつか冴え渡った頭で生まれ変わらなければ‥ あなたも如何 

風信子 さん | 茨城県 | 不明

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