CELLO〜ソル・ガベッタ　エルガー：チェロ協奏曲、他（2CD）

CELLO〜ソル・ガベッタ／エルガー：チェロ協奏曲、他（2CD）

情熱的な演奏で人気のチェリスト、ソル・ガベッタの録音から有名作品を集めた2枚組アルバム。現代屈指の名演奏として知られるエルガーのチェロ協奏曲とさまざまな小品の組み合わせ。伴奏形態や曲調もさまざまで、飽きの来ない内容となっています。録音も優秀です。

エルガーのチェロ協奏曲
泣き節満載のチェロ協奏曲でソル・ガベッタが聴かせる豊かな表情、チェロの音そのものの美しさは、改めて作品の魅力について考えさせるもの。近現代作品やブルックナー交響曲全集が評判のマリオ・ヴェンツァーゴの指揮する精度の高いオーケストラ・サウンドと織りなす緊密な音楽は聴きごたえ十分。

『鳥の歌』
カザルスでおなじみとなったカタルーニャ民謡のチェロ編曲作品。ここではアムステルダム・シンフォニエッタのチェロの合奏をバックにしっとり歌い上げられています。

ショパンの夜想曲第4番
ショパンの若い頃からの友人で、ショパンの臨終に際してもチェロを弾いたというオーギュスト・フランショームの編曲。もともとはピアノのためのメロディをチェロが歌い上げています。

ドリーブのカディスの娘たち
どこかビゼーのカルメンを思わせる楽しい歌。ソプラノの歌をチェロが快活に聴かせます。伴奏はチャールズ・オリビエリ・マンロー指揮プラハ・フィル。

ドヴォルザークの『森の静けさ』とロンド
素朴な旋律美を楽しめるチェロ作品。伴奏はヴェンツァーゴ指揮デンマーク国立交響楽団。

フォーレのパヴァーヌ
もともとはオーケストラの作品。ここではチェロとオーケストラ（チャールズ・オリビエリ・マンロー指揮プラハ・フィル）で、フォーレならではの繊細で美しい旋律を演奏しています。

リムスキー＝コルサコフの『熊蜂の飛行』
もとはオペラの中の曲ですが、描写性の面白さからさまざまな楽器で編曲演奏されますが、ここではチェロとピアノで演奏しています。ピアノ伴奏はソル・ガベッタの母であるイレーネ・ティマチェフ＝ガベッタです。

ロッシーニの『私は町の何でも屋』
オペラ『セビーリャの理髪師』の中でフィガロが歌うバリトンのアリアで、早口を駆使した奔放な楽しさが聴きもの。オーケストラは、チャールズ・オリビエリ・マンロー指揮プラハ・フィル。

サン＝サーンスの『白鳥』
チェロの有名曲。ここではソル・ガベッタの母であるイレーネ・ティマチェフ＝ガベッタがピアノ伴奏しています。

チャイコフスキーの『青春は遠く過ぎ去り』
オペラ『エフゲニー・オネーギン』の中でテノールのレンスキーによって歌われる抒情的なアリア。情感豊かなチェロの歌がチャイコフスキーの旋律美を引き出しています。オーケストラはチャールズ・オリビエリ・マンロー指揮プラハ・フィル。

チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」
弦楽四重奏曲第1番の第2楽章。ウクライナ民謡に想を得た哀切きわまりない旋律をガベッタのチェロが熱く歌い上げます。伴奏はアリ・ラシライネン指揮ミュンヘン放送管弦楽団。

ヴァスクスの『音楽の夕べ』
ラトヴィアの作曲家ヴァスクスの瞑想的な性格と局所的な激しさの組み合わせの面白さがあらわれた作品。チェロとオルガンの奏でる抑えの効いた美しさ、オルガンの爆発が印象的。オルガンはガベッタの母、イレーネ・ティマチェフ＝ガベッタが弾いています。

ヴィヴァルディの『冬』
ヴァイオリン協奏曲集『四季』の中で、最も激しさと甘美さの落差の大きい曲だけに、チェロ協奏曲のスタイルで聴くと両端楽章は迫力がありますし、第2楽章の太い歌も心地よい限り。イタリアの古楽サンサンブル「イ・ソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカ」との共演です。

【ソル・ガベッタ・プロフィール】
1981年、アルゼンチンのコルドバに誕生し、目下スイスに在住。両親はロシア系とフランス系。3歳でヴァイオリン、4歳でチェロを学び、8歳まで両方の楽器を勉強したのちチェロに専念。名手クリスティーヌ・ワレフスカやイヴァン・モニゲッティ、ダヴィド・ゲリンガスらに師事。
 10歳で初めてコンクールで優勝、1995年、スイス・ロマンド放送コンクール優勝、同年、ローザンヌ音楽コンクール優勝、同年、ローマのTIM（トルネオ国際コンクール）第1位、1996年、チリのヴィーニャ・デル・マールでのルイス・シガール国際コンクール第2位、1998年、チャイコフスキー国際コンクールでナターリャ・グートマン賞受賞など数々のコンクールで上位入賞。
ラトル指揮ベルリン・フィルや、ゲルギエフ指揮ウィーン・フィルのほか、オーストリア放送響、バイエルン放送響、フランス国立管、クレメラータ・バルティカ、ウィーン・カンマーフィル、サンクトペテルブルク響、ミュンヘン室内管、バーゼル室内管弦楽団、バーゼル響、プラハ響などさまざまなオーケストラと共演。（HMV）


【収録情報】
● カタルーニャ民謡：鳥の歌（カザルス編）
 アムステルダム・シンフォニエッタ・チェロ・アンサンブル

● ショパン：夜想曲第4番ヘ長調 op.15-1（フランショーム編）
 ベルトラン・シャマユ（ピアノ）

● ドリーブ：カディスの娘たち
 チャールズ・オリビエリ・マンロー指揮、プラハ・フィル

● ドヴォルザーク：森の静けさ op.68-5
● ドヴォルザーク：ロンド ト短調 op.94, B.181
 マリオ・ヴェンツァーゴ指揮、デンマーク国立交響楽団

● エルガー：チェロ協奏曲ホ短調 op.85
 マリオ・ヴェンツァーゴ指揮、デンマーク国立交響楽団

● フォーレ：パヴァーヌ op.50
 チャールズ・オリビエリ・マンロー指揮、プラハ・フィル

● リムスキー＝コルサコフ：熊蜂の飛行
 イレーネ・ティマチェフ＝ガベッタ（ピアノ）

● ロッシーニ：私は町の何でも屋
 チャールズ・オリビエリ・マンロー指揮、プラハ・フィル

● サン＝サーンス：白鳥
 イレーネ・ティマチェフ＝ガベッタ（ピアノ）

● チャイコフスキー：レンスキーのアリア『青春は遠く過ぎ去り』
 チャールズ・オリビエリ・マンロー指揮、プラハ・フィル

● チャイコフスキー：アンダンテ・カンタービレ
 アリ・ラシライネン指揮、ミュンヘン放送管弦楽団

● ヴァスクス：音楽の夕べ
 イレーネ・ティマチェフ＝ガベッタ（オルガン）

● ヴィヴァルディ：『四季』〜『冬』 RV.297
 イ・ソナトーリ・デ・ラ・ジョイオーサ・マルカ

 ソル・ガベッタ（チェロ）