CD 輸入盤

24の前奏曲 ポゴレリチ

ショパン (1810-1849)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4292272
組み枚数
:
1
レーベル
:
Dg
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ポゴレリチ/ショパン:24の前奏曲

「24の前奏曲」の代表的名盤とされるポリーニ盤のトータル・タイムが37分、アルゲリッチ盤が33分なのに対し、このポゴレリチ盤は実に45分を要しています。といってもピリス盤(41分)のように全体が遅めなのではなく、速い部分は速く、遅い部分はより遅くという流儀が徹底されているためなのですが、中でも圧巻なのは、曲集の白眉でもある『雨だれ』でしょう。ポゴレリチはここで7分22秒もかけ、なおかつ圧倒的な重みを持った打鍵により、作品に内蔵される深い情感をえぐりだしているのです。通常のマジョルカ島の雨といったようなイメージではなく、雨がもたらす人間のさまざまな思いを描いたとしか思えないすごい演奏です。その他の曲も、ポゴレリチならではの克明な性格づけが印象的な仕上がりとなっており、曲によってはアルゲリッチよりも速いテンポで弾かれるなど、その表現レンジの広大さはまさに圧倒的です。ピアノ好きなら一度は聴いておきたい名盤といえるでしょう。

フレデリク・フランソワ・ショパン[1810-1849]
24の前奏曲 Op.28 [45:10]
・第1番ハ長調 [0:40]
・第2番イ短調 [2:08]
・第3番ト長調 [0:55]
・第4番ホ短調 [2:31]
・第5番ニ長調 [0:27]
・第6番ロ短調 [2:46]
・第7番イ長調 [1:06]
・第8番嬰ヘ短調 [2:00]
・第9番ホ長調 [1:51]
・第10番嬰ハ短調 [0:34]
・第11番ロ長調 [0:38]
・第12番嬰ト短調 [1:05]
・第13番嬰ヘ長調 [4:56]
・第14番変ホ短調 [0:25]
・第15番変ニ長調『雨だれ』[7:22]
・第16番変ロ短調 [1:03]
・第17番変イ長調 [3:22]
・第18番ヘ短調 [0:57]
・第19番変ホ長調 [1:08]
・第20番ハ短調 [2:08]
・第21番変ロ長調 [3:00]
・第22番ト短調 [0:45]
・第23番ヘ長調 [0:45]
・第24番ニ短調 [2:40]

 イーヴォ・ポゴレリチ(P)

録音時期:1989年10月(デジタル)
録音場所:ハンブルク、フリードリヒ・エーベルト・ハレ
エグゼクティヴ・プロデューサー:ユルゲン・ブルグリン
プロデューサー&エンジニア:カール=アウグスト・ネーグラー


【ポゴレリチ・プロフィール】

イーヴォ・ポゴレリチは、1958年10月20日、クロアチア人の父とセルビア人の母の間に旧ユーゴスラヴィアの首都ベオグラードに誕生。7歳から父のイヴァン・ポゴレリチにピアノの指導を受け、11歳のときに旧ソ連のティマーキン教授の公開レッスンで才能を見出され、彼の推薦によりモスクワの中央音楽学校に留学。16歳になるとモスクワ音楽院に入学し、ヴェラ・ゴルノスタエワ、エフゲニー・マリーニンらに師事し、さらに18歳からは、グルジア人ピアニストのアリス・ケゼラーゼから決定的な影響を受けることとなります。
 以後、1978年、イタリアのアレッサンドロ・カサグランデ国際コンクール第1位、1980年、カナダのモントリオール国際コンクール第1位と順調な滑り出しを見せますが、同年10月の第10回ショパン・コンクールでは、その個性的な演奏をめぐって審査員の間に激しい賛否両論を巻き起こし、マルタ・アルゲリッチが抗議して審査員を辞任するというスキャンダラスな騒ぎにまで発展しました。
 このことでポゴレリチは、結果的に優勝者のダン・タイ・ソンよりも話題をさらうこととなってしまい、翌年にはニューヨークのカーネギー・ホールでデビュー・リサイタルを開き、ドイツ・グラモフォンからレコード・デビューするという幸運に恵まれます。
 その翌年、1982年にはドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、以後、数々の個性的なアルバムをリリースして世界の音楽ファンの人気を博してきました。

収録曲   

  • 01. 24の前奏曲op.28 - 第1番ハ長調
  • 02. 24の前奏曲op.28 - 第2番イ短調
  • 03. 24の前奏曲op.28 - 第3番ト長調
  • 04. 24の前奏曲op.28 - 第4番ホ短調
  • 05. 24の前奏曲op.28 - 第5番ニ長調
  • 06. 24の前奏曲op.28 - 第6番ロ短調
  • 07. 24の前奏曲op.28 - 第7番イ長調
  • 08. 24の前奏曲op.28 - 第8番嬰ヘ短調
  • 09. 24の前奏曲op.28 - 第9番ホ長調
  • 10. 24の前奏曲op.28 - 第10番嬰ハ短調
  • 11. 24の前奏曲op.28 - 第11番ロ長調
  • 12. 24の前奏曲op.28 - 第12番嬰ト短調
  • 13. 24の前奏曲op.28 - 第13番嬰ヘ長調
  • 14. 24の前奏曲op.28 - 第14番変ホ短調
  • 15. 24の前奏曲op.28 - 第15番変ニ長調
  • 16. 24の前奏曲op.28 - 第16番変ロ短調
  • 17. 24の前奏曲op.28 - 第17番変イ長調
  • 18. 24の前奏曲op.28 - 第18番ヘ短調
  • 19. 24の前奏曲op.28 - 第19番変ホ長調
  • 20. 24の前奏曲op.28 - 第20番ハ短調
  • 21. 24の前奏曲op.28 - 第21番変ロ長調
  • 22. 24の前奏曲op.28 - 第22番ト短調
  • 23. 24の前奏曲op.28 - 第23番ヘ長調
  • 24. 24の前奏曲op.28 - 第24番ニ短調

総合評価

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 イーヴォ・ポゴレリチによるショパン「24...

投稿日:2015/11/21 (土)

 イーヴォ・ポゴレリチによるショパン「24の前奏曲」、1989年10月のハンブルクでの録音。かつて若き異端児といわれた彼も還暦に近い年代。坊主頭で来日しショパン・ライヴもかつて評判だったので身近に感じられるようになったかも知れないが、この1枚での姿はなかなかの剛の者である。  ポゴレリチはデビュー当時、音の強弱を譜面外に(逆に)弾くという点で話題になったようだが、むしろテンポの自由さにこそ特色があるように感じる。耳を澄ますと強靭な左手の動きが想像できる。その一方、右手からいくらでも湧き出て零れ落ちるような叙情性がある。そのアンバランスさが言葉での解析を難しくするが、24曲の目くるめく、スリリングな体験は感性に直接訴えなんとも爽快、スカッと心地よい。

織工 さん | 東京都 | 不明

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現代の優れたピアニストの中には、自身の演...

投稿日:2013/04/19 (金)

現代の優れたピアニストの中には、自身の演奏哲学を明確にすることで、 独自の音楽的個性を提示することに重きを置く奏者がいる。 たとえば、その代表格はグレン・グールドである。 カツァリスやアファナシエフもそれに属するピアニストといえるかもしれない。 そして、このポゴレリチもその一派に属しているといえよう。 彼らの演奏の特徴は、極めて知的であるということ。 しかし、創出する音の重なりや響きの演出、テンポの設定に重点を置くために、 他の演奏者と著しく異なる音楽作りを示す結果となる。 そのため、その音楽作りの全体像の中では、明らかに欠落した要素があるように みうけられることもある(もちろん本人たちはそうは思っていないのであるが…)。 グールドの場合では、「ポリフォニー的造形」を常に考え抜いているために、 ノンペダル奏法に徹するあまり、現代におけるピアノという楽器の幅広い可能性を あえて犠牲にしてしまう。ただこれは、グールドがバッハ演奏するときのように、 バッハ時代のチェンバロを意識したことであれば、そこに大きな意味も生まれてくる。 だから、なぜグールドがショパンを弾かないのかという理由は、 あえて言わずともご理解いただけるであろう。 そのため、この一派のピアニストは、その欠落していると見られる要素があるために、 常に酷評と隣り合わせの危険性を抱えているのである。 さてそこで、ポゴレリチはショパン弾きなのだろうか…? 彼がグールドとは異なり、ショパンを弾く理由はただ一つ、 彼の音楽は知的であると同時に、並外れたエモーショナルな音楽を 志向しているからだ。 先ず言うべきことは、ショパンの音楽が支配しているものは「センチメント」である。 「センチメント」を表現するために、あらゆるピアノテクニックを駆使して 彼は作曲したのである。 その意味から、ショパンはピアノによる絶対音楽を追求したロマン派の作曲家と言える。 だから、彼自身は絶対音楽者であるバッハを敬愛していた。 そこが、ショパンが同時代の他の作曲家と決定的に違うところである。 その意味から言えば、ポゴレリチのショパンは、見事にショパンの センチメンタルな情念をピアノ音楽として徹底的に生み出すことに成功している。 それは、彼の激しいエモーションが原動力となって可能となっているのである。 このショパンの「前奏曲」は、24のポエトリーを遺憾なく紡ぎ出していて秀逸である。 表出された一曲一曲が明確なセンチメントを表現していて美しい。 15番の「雨だれ」だけをとっても、これまでの他のピアニストの演奏を圧倒している。 ここでは、甘い恋話などは関係ないのだ。 まるで十字架に磔になるキリストの物語のように、世界の苦しみを 独りで背負っているような恐ろしい孤独の世界を出現させている。 一度お聴きになれば、それがはっきりと解るはずである。 そして、ポゴレリチはショパンを弾くためのピアニストであると確信できる。

モデラート宮内 さん | 千葉県 | 不明

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ゆるやかなテンポの作品が特に素晴らしいで...

投稿日:2011/07/15 (金)

ゆるやかなテンポの作品が特に素晴らしいです。有名な「雨だれの前奏曲」なども収録タイムをみるだけでは、かなりテンポが遅いのだろうと思いましたが、実際聴いてみると、まったくと言っていいほど、テンポの遅さは感じませんでした。

Marthy さん | POLAND | 不明

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ショパン (1810-1849)

。39年の短い生涯を、作曲とピアノ演奏で駆け抜けた「ピアノの詩人」の素晴らしい音楽が世界中で鳴り響きます。世界各国でさまざまなコンサートやイベントがおこなわれ、CDやDVDなど、数多くの音楽ソフトもリリースされ、ショパンの音楽が過去最高の注目を集めるにぎやかな年になりそうです。

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