４手ピアノのための音楽集〜ザ・ノンサッチ・レコーディングス　ジェイコブス、オッペンス（p）

ポール・ジェイコブス
ストラヴィンスキー：４手ピアノのための音楽集
〜ザ・ノンサッチ・レコーディングス

現代音楽の優れた解釈家であり、ニューヨーク・フィルのピアノ奏者でもあったポール・ジェイコブス[1930-1983]の名が広く知られたのは、メータ指揮ニューヨーク・フィルによる素晴らしい『ペトルーシュカ』(廃盤)や、一連のノンサッチ録音ではではなかったでしょうか。優れた才能を持ちながらも、1983年に53才の若さでなくなり、その後はなぜか評価する人が少なかったジェイコブスですが、ピアノに関する目利きぶりで注目されるアービター・レーベルでは、かつてARB124という品番(廃盤)で、ノンサッチ原盤の２枚組をリリースしており、その後、ARB130としてリサイタル・アルバムも世に出しています。
　今回も彼が残したノンサッチ原盤の初ＣＤ化がメインで、アーシュラ・オッペンスとのストラヴィンスキー４手ピアノ作品に加え、後半は、ジェイコブスのソロによるドビュッシーやシェーンベルク、コープランドとのデュオによるリサイタル録音が収録されています。
　リサイタル音源部分には、ジェイコブスの肉声（MCとでもいうのでしょうか）も収録されており、コープランドを舞台に呼び込み楽しげに語り合う場面まで収められています。そして、この舞台はピアニストとして演奏したコープランドの最後の演奏でもありました。
　ブックレットにはジェイコブス自身が書いたライナー･ノーツを掲載。彼の鋭い楽曲分析を言葉で知ることができる貴重な資料となっています。

CD1
ストラヴィンスキー：
・ペトルーシュカ（4手連弾編）
・弦楽四重奏曲のための3つの小品
・2台のピアノのための協奏曲
・2台のピアノのためのソナタ
・5つのやさしい小品
・ピアノラのための練習曲

CD2
ストラヴィンスキー：
・3つのやさしい小品
・Zvietochnoy Waltz
・4つの練習曲 作品7
・ピアノ・ラグ・ミュージック
・タンゴ
・ラグタイム

ドビュッシー：
・吟遊詩人
・風変わりなラヴィーヌ将軍

シェーンベルク：
・4つの小品作品33a&b

コープランド：
・4つのブルース
・キューバ舞曲

ボルコム：
・ゴースト・ラグス

ジェフスキー：
・ダウン・バイ・ザ・リバーサイド

　ポール･ジェイコブス（ピアノ）
　ウルスラ･オッペンス（ピアノ）
　アーロン･コープランド（ピアノ、キューバ舞曲）

　録音：1972-1981年