Thomas Bernhard

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破滅者

Thomas Bernhard

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Product Details

Genre
：
Literature
ISBN/Catalogue Number
：
ISBN 13 : 9784622088462
ISBN 10 : 4622088460
Format
：
Books
Publisher
：
みすず書房
Release Date
：
November/2019
Release Country
：
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
トーマス・ベルンハルト, 岩下眞好 ,  

Content Description

晩年の代表作『消去』（１９８６年）の数年前に書かれて話題を呼んだ二作、『ヴィトゲンシュタインの甥』と『破滅者』を一冊にして新たに刊行。『甥』は、ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインをおじにもち、ルートヴィヒともども数奇な生涯を生きたヴィトゲンシュタイン家の最後の人で、狂気と破滅と隣り合わせの人生をおくりながら無類の音楽通として知られた人物の姿を、ウィーンという土地と歴史を背景に描いたもの。『破滅者』はグレン・グールド（刊行の前年１９８２年に没）および、グールドが「破滅者」と呼んだヴェルトハイマーを主人公に、“ゴルトベルク変奏曲”を全体に通底させながら展開する。実名の音楽家や芸術家を織り交ぜながら、著者の回想の形式で進行する、ベルンハルトの真骨頂をしめす傑作小説。

【著者紹介】
トーマス・ベルンハルト : １９３１‐１９８９。２０世紀のオーストリア文学のみならず世界文学を代表する作家・劇作家。オランダのマーストリヒト近傍に生まれる。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院で音楽と演劇を学ぶ。１９５７年に詩集『地上で、そして地獄で』でデビュー

岩下眞好 : １９５０年生まれ。慶應義塾大学名誉教授。ドイツ文学者。音楽評論家。２０１６年歿（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）

（「BOOK」データベースより）

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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    読了日：2023/09/14

    ★★★★★+★ あらゆる回想小説の中で最も救いのない回想小説。いや、回想というのは往々にして、救いがないのだが……

  • 29square

    読了日：2020/11/21

    ふたりの友人が、徐々に、不可逆的に、死と破滅に向かってひたすらに奈落に下降していく過程。それを醒めた目線で傍観しつつ全方位に投げつけられる著者の憎悪と怨嗟の声、諦めと受容の姿勢。 しかしなぜか悲壮感も陰惨さもない。こちらがドン引きするほどの突き放したスタンスとディスりの応酬に、感情移入する余地すら与えられない。 極端な偏屈は、寧ろ清々しいということか。

  • かんちゃん

    読了日：2020/01/14

    パウル・ヴィトゲンシュタイン（ピアニストではない）とグレン・グールドという実在の人物をモチーフに、止めどない独り言のような文体で描かれる、狂ってしまった天才の話と、天才に出会って狂うしかなかった袋小路人間の話。特に、「ヴィトゲンシュタインの甥」では、語り部が作者自身ということもあり、オーストリアへの愚痴が延々と語られたり、一方でウィーンに対するツンデレが溢れていたり、自覚的な偏屈さが、暗い物語にユーモア（大笑ではなく、にやにや笑い）をもたらす。「破滅者」のクライマックスでは、この暗いユーモアが炸裂する。

  • いつき

    読了日：2023/10/06

    ほとんど改行がないプラス頁数それなりに多めだったので、苦労しながら時間をかけて読んだ。二作品どちらも面白かったが、個人的には「ヴィトゲンシュタインの甥」の方が好き。同じ文章が繰り返されつつ"私は"とか"私に"のように少しずつ変化していくため、音楽や詩のようで読んでいるうちに頭の中でリズムが生まれて来て心地良かった。次はさらに長い長編作品に挑戦してみたい。

  • ゆうちゃん

    読了日：2021/07/01

    ドイツ文学はどこか日本文学と雰囲気が似通っている気がする。特に本作品はドイツオーストリア圏の純文学。ウィトゲンシュタイン、グールドという偉大な才能に対する作者の手の届かない挫折感が漂っている。他人と比べたり、必要以上に施しを期待することは幸福を自ら遠ざけることになる。本書にはジェラシーのカタルシス効果があると思う。

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