Top 100 Albums - No.7

2004年5月17日 (月)

毎日お届けしている「Top 100 Albums」企画も本日発表分も含め残すところ7枚となってまいりました。本日発表の第7位にランク・インしたのはビートルズかこれまでのイメージを打ち破りアーティスティックな部分を前面に押し出してきた『ラバー・ソウル』です。

'62年10月4日“ラヴ・ミー・ドゥ/PSアイ・ラヴ・ユー”でデビューし、“プリーズ・プリーズ・ミー”が全英最高位2位、“フロム・ミー・トゥ・ユー”、“シー・ラヴズ・ユー”、“抱きしめたい”と出す曲が連続して1位となり、リヴァプールのヒーロー、いやイギリス中のアイドルとなったビートルズ
このブームがイギリスだけではなくアメリカにも飛び火し'64年 『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』'65年 『HELP!4人はアイドル』の映画制作や'63年『プリーズ・プリーズ・ミー』から『ウィズ・ザ・ビートルズ』『ビートルズがやって来るヤァ・ヤァ・ヤァ(Hard Day's Night)』『フォー・セール』を経て、'65年『ヘルプ』までデビュー以来立て続けに作品を発表してきたビートルズ。こうした活動を行っていたことから、きちんとアルバムとアルバムの間に制作期間を設けていたにもかかわらずとにかくシングル・ヒット=アイドル的な扱いされていた。

65年8月からは全米ツアーを行いNYシェア・スタジアム公演で5万6千人という当時の動員記録を作る。しかしそうした膨れ上がった人気も彼らにとってはアダとなり始めていた。当時のショボいPA機材によるサウンドはマニアの歓声に掻き消され、演奏は二の次。そんな状況に飽き飽きしたビートルズは’66年8月29日サンフランシスコ公演を最後にライヴ活動を停止することなりスタジオ・ワークやアーティスティックな活動へシフトすることとなった。

そのシフト・チェンジが成功したものとなって表れたのがUSツアーから帰国し約6週間の休みを取りその後1か月の間レコーディングに専念して出来た作品で’66年に発表された『ラバー・ソウル』だった。これまでのアルバム制作への取り組み方を反省したビートルズは今までにない形のコンセプト・アルバムを作り上げたのだった。

トータル・アルバムの最も早い例として評価され、その内省的ともいえる音の感触はそれまでの彼らのイメージ”陽気なファブ・フォー”といったものからかけ離れており、ひっかかりのある渋いサウンドとなった。そしてこのアルバにはシタールを使用した“ノルウェイの森”やフレンチ・ポップス風の“ミッシェル”など色々な音楽にチャレンジした楽曲も多く含まれている。

このアルバムでは愛をテーマにしており切なくなるようなラブ・ソングが多く収録された作品でもあり、特にジョン・レノン作の“ノルウェイの森”、“ガール”は胸に響くスロー・ナンバーだ。またシュールで物悲しい“ひとりぼっちのあいつ”、間奏でバロック風に細工したジョージ・マーティンの弾くピアノが美しく郷愁をそそる“イン・マイ・ライフ”、ポール・マッカートニの名曲“ミッシェル”、刺激を与えたバーズからの逆影響、12弦ギター使用のフレーズが印象的なジョージ・ハリスン作の“恋をするなら”などなど渋いが印象的な曲が多い。

来るべきサイケ時代を予見したジャケットのコンセプトもアルバム・タイトルも4人が考え、それまでシングルの寄せ集め的色彩の強かったポピュラー・アルバムの概念を一挙に変えた。このアルバムはもちろん全英1位を獲得、半年以上にわたりTOP10内にランク・インする大ヒットを記録している。

このアルバムの登場にショックを受けたビーチ・ボーイズブライアン・ウィルソン『ペット・サウンズ』の制作に向かったというのはあまりにも有名な話だろう。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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