---リーダーのEQUALIZERが店長で、ORIGINAL KOSEも当時スタッフを務めていたのがあの「LABRISH」ということになりますが、
GREEN GREENは実際どんな感じで始まったのですか?
OK:もともとラブリッシュのクルーで何かやるっていう日がスケジュールの中にあったんですよ。
それがいつの間にかEQUALIZERの枠になってて、歌い始めた頃の僕がMCやDeeJayをしたり
したのがきっかけでレギュラーダンス化していって。
---なるほど、メンバーを集めてバンドやユニットとして結成したというよりも、EQUALIZERを中心と
するダンスが原点にあるんですね。
OK:もともとEQUALIZERはバンドマンやったから、自分で音を作りたいっていうのがあって。
そのタイミングでMPCを買ってイベントに持ち込み始めて、EQUALIZERの打ち込みリズムの
上でラバダブしてみようということになったんですね。
---オリジナル作品が生まれるきっかけがMPCの導入だったんですね。
Prof.CHINNENの加入はどういうタイミングだったんですか?
OK:ちょうどその頃チンネンもよくそのダンスに遊びに来てたんですけど、
あいつはあいつで今のARUZ STUDIOをやってるZURAと、
あとシゲっていうセレクターと一緒にアンダーライン・クルーっていうのをやってて、
当時ラブリッシュでレギュラーのイベントも持ってたんですよ。そんな繋がりもあったし、
まあ同じ歳っていうのもあって。話してる勢いの中で、一回火曜日にやってるダンスに歌いに来てよって誘って。
俺もチンネンも当時はセレクターとしてレコードも回してたし、ついでに良かったらレコードも回していいからって。
それで、深夜になったらEQUALIZERの打ち込みでチンネンとおれの二人でライブをやってみたんですよ。
普段は平日のあんまり客もいない状態でやってたんですけど、その感じを一回スペシャルで週末に
やってみようって話になったんです。
---その時にバンド名みたいな形でGREEN GREENを名乗り始めたと。
OK:バンドの名前兼レギュラーダンスの名前として。最初はGREEN GREEN MUSIC STATIONやったんです笑。
---時期的にはいつ頃ですか?
OK:98年〜99年くらいですね。だからそこから始まって、バンドとして色んなとこでショウをし始めたのが
2000年のはじめくらいで、それがGREEN GREENとしての活動のスタートになると思います。
---ラブリッシュではDETERMINATIONSやBUSH OF GHOSTSもライブをやってたと聞きましたが、
バンドスタイルのアーティストがショウをやることでシーン的にも広がった感じですか?
OK:まさにそうですね。自分達もそういうタイミングを意識してたわけじゃないですけど、同じような空気で
音楽性を共有できる人達がちょうどその時期にまわりに沢山いて、ラブリッシュだけじゃなく、
味園の香港とかあっちこっちで派生していったというのが僕の印象ですね。
---何か新しいものが続々と生まれていく感じだったと?
OK:そうですね、その辺の現場を見て自分達もやり始めようっていうことになったのがRED RED MOHICANとか
あの辺の世代やったと思うんですよ。
---「RED RED MOHICAN」、「THE HENIRCOOTS」、「ECHO MOUNTAIN」の世代ですね。
OK:そう、だから僕らやBUN BUNさん、ZABIEL君とかが香港やマカオでやってた流れが、今またこんな感じで
シーンが広がってると思いますね。
---Tribe Called West vol.3の冒頭曲のリリックでもそういうローカル現場ならではのリアルな感じが
描かれてますよね。
OK:エンターテイメントとしてショウアップするっていう感覚よりも、結局現場で突然ゲストが現れて
皆で混じり合って遊んだりとか、関係ない人が飛び込んできてぐっちゃぐちゃになる時があるじゃないですか。
だからそういうニュアンスがそのまま近い形で出ればええのにってずっと思ってて。
---ORIGINAL KOSEが「tnhc」のリミックスに吹き込んだ歌は大正サウンドチャンネル最後の録音となりましたが、
現在のアメ村のサウンドチャンネルに至る流れの中であの音源を残せたのは感慨深いですね。
OK:あのフロアのど真ん中でネオンを見下ろしながら歌ってた時は、あそこで遊んで朝方にばーっと光が差し込んで
体を洗い流してくれるような感覚が沸いて出てきましたからね。
---今回アキオ・ナガセがアシッド・ミックスを施した「GROOVE」のリリックはそんな大阪の現場の楽しさ
が見事に言葉で描かれてますが、そういう現場感を言葉でアウトプットする時に意識していることは
何かありますか?
OK:そうですね、自分達の持ってるものを用意周到に仕込んで、さらに面白く魅せるという
完成されたエンターテイメントは凄く魅力的だとは思うんですけど、それとはまた別の面白さとして、
その日しか出ないヒラメキとか、その時しか巡り合わないスペシャルな良さっていうのがあると思うんです。
少なくとも自分が遊んできた周りのシーンっていうのは、結局その夜の突然性やったりとか、
その日しか起こらない面白さを何かいつも期待してたと思うんですね。だからそれを満たすために、
俺らもその日にしか生まれない言葉を出そうとしてやってきた感じがしますね。
---最後に、大阪ならではのダンスやパーティの魅力についてどう思いますか?
OK:やっぱり関西のシーンって、ある人からすればただの気紛れと思われるかもしれへんけど、
結局そこの面白みだと思うんです。どうなるか分からないハードコアな匂いが無いと
結局グイグイ来ないんですよね。