ポシュナー&ウィーン放送響/ブルックナー:交響曲第7番(ホークショー版)

2024年02月16日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


#bruckner2024
ブルックナー:交響曲第7番(ホークショー版)


「CAPRICCIO」レーベルと国際ブルックナー協会の主導でブルックナーの交響曲全11曲全18ヴァージョン(稿)を録音する企画「#bruckner2024」に名作の誉れ高い第7番が登場。新校訂版の使用と、ポシュナー&ウィーン放送響の高度に洗練された演奏にも注目です。
 ICMA(International Classical Music Award)2024の特別賞「Spcecial Achivement Award」を受賞、「私たちが習慣にしてきた聴き方と伝統と見なしてきたものを問い直す」と讃えられた「#bruckner2024」。第7番ではポール・ホークショーによる新校訂版(NBG III/1:7、2024年2月時点で未出版)を使用しています。アルトゥール・ニキシュやヘルマン・レヴィが「ベートーヴェン亡き後に書かれた交響曲の中で最も重要なもの」などと高く評した第7番は、早くに成功を収めたこともあり、稿は一つしかありません。しかし、ウィーン国立図書館に所蔵されている自筆総譜(整理番号 Mus.Hs 19479/1-3)には、1883年9月の完成から1885年に印刷用の彫版を起こすまでの間に書き込まれた追加や変更が少なからずあり、作曲家が意図した最終形を読み取る上での課題となってきました。ハースは曲が最初に完成した時の姿を求め、ブルックナー自身によるものも含めて後から書き加えられた部分を除去し、ノーヴァクは取捨選択の上で(しばしばカッコに入れるなどして)加筆部分を盛り込んでいますが、そこにはブルックナー以外の人物による加筆も含まれています。
 新ブルックナー全集の編集主幹で「#bruckner2024」の監修者でもあるホークショーは、上記自筆総譜においてブルックナー自身が書いたか、承認したとされるものをすべて盛り込むべく努めたと当CDの原盤解説(英語とドイツ語)で書いています(第2楽章クライマックスではシンバルとトライアングルが効果的に用いられています)。詳細は楽譜出版と校訂報告を待たねばなりませんが、演奏上の選択肢が複数提示されている箇所もあると思われます。
 ポシュナーとウィーン放送響の演奏は、速めのテンポを基本としつつも曲想に応じて細かに操作している点と、緩徐楽章ではしっかりと時間をかけて祈りに似た抒情を紡ぎ出している点、その結果曲全体としてバランスが取れた姿になっていることは従来通りですが、細部の磨き上げが更に高められた印象があります。一つ一つのフレーズのダイナミクス、テンポ、リズムを吟味して極めて高精度で音にしてゆき、それでいて煩雑さや息苦しさの無い、良く流れて弾力のある音楽となっています。分厚い響きと遅めのテンポによる往年の巨匠風ではなく、スリムな響きと強調されたアクセントを多用するピリオド風スタイルでもなく、現代オーケストラの機能の高さを存分に活かして曲の姿を繊細かつ緻密に浮き上がらせた演奏ということが出来るでしょう。
 ポシュナーは2018年に録音されていた第8番(第2稿)を除く11の交響曲(計17の稿)を2021年からの3年間で録音しており、演奏を担ったウィーン放送響もリンツ・ブルックナー管もあまり演奏されない稿や新しい校訂版の楽譜に取り組む中で「読む力」を高め、この作曲家の語法が浸透してきた感があります。当シリーズも残すは習作のヘ短調、第1番(第2稿)、第3番(第2稿)、そして第9番の4曲。今後は毎月のようにリリースが予定されており、完結が見えてきました。(輸入元情報)


【収録情報】
● ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107(ホークショー版)


 I. Allegro moderato (17:55)
 II. Adagio. Sehr feierlich und sehr langsam (20:03)
 III. Scherzo. Sehr schnell (9:31)
 IV. Finale. Bewegt, doch nicht schnell (11:51)

 ウィーン放送交響楽団
 マルクス・ポシュナー
(指揮)

 録音時期:2023年12月5-8日
 録音場所:ウィーン、放送文化会館及びコンツェルトハウス大ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

【#bruckner2024について】
ウィーンを拠点とするレーベル「Capriccio」がブルックナー研究の第一人者でイェール音楽大学院のポール・ホークショーの監修の下、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年までに全交響曲のすべての稿を録音するというプロジェクトです。少なからぬ曲で目下刊行が進んでいる新ブルックナー全集(NBG)の楽譜が使われる予定。
指揮者には全曲を通じてマルクス・ポシュナーを、オーケストラはポシュナーの手兵リンツ・ブルックナー管弦楽団を主体にウィーン放送交響楽団も起用。ブルックナー・ファンにとっては目と耳の離せないシリーズとなりそうです。(輸入元情報)

輸入盤
交響曲第7番(ホークショー版) マルクス・ポシュナー&ウィーン放送交響楽団

CD輸入盤

交響曲第7番(ホークショー版) マルクス・ポシュナー&ウィーン放送交響楽団

ブルックナー (1824-1896)

価格(税込) : ¥3,410

会員価格(税込) : ¥2,371

まとめ買い価格(税込) : ¥2,046

発売日: 2024年04月04日

国内仕様盤

国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。(輸入元情報)

13件中1-13件を表示
表示順:
※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

チェックした商品をまとめて

チェックした商品をまとめて