無人島 〜俺の10枚〜 【Kan Sano 編】

2019年08月29日 (木) 17:30

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5月に最新アルバム『Ghost Notes』リリース以降、Tom Misch 東京&ソウル公演にオープニングアクトとして参加するなど、ますますワールドワイドな注目を集める Kan Sano が、2度目の「無人島 〜俺の10枚〜」登場!世界から最も注目を集めるキーボーディストが選ぶ10枚とは?



無人島 〜俺の10枚〜 【Kan Sano 編】

Herbie Hancock 『Flood』

ジャズファンク無しでは生きていけない身体になって20年経つ。ファンクとはつまり人間が古来から持つプリミティブなダンス衝動なのかもしれない。ドラムとベースが細かく絡み合う16ビート、ワウの効いた粘っこいクラビネット、コズミックなムーグシンセ、アウトフレーズ満載のエレピソロ。今作のあらゆる要素が身体中の音楽細胞に染み込んでる。



Ellen Doty 『Come Fall』

最近はCDショップで新しい音楽に出会うチャンスが随分減ったから、昨年代官山でこの大名盤を発見したのは僕にとってちょっとしたハプニングだった。音楽は出会うタイミングがすべて。些細なことでも何かひとつ能動的に行動した時「出会い」のチャンスは訪れる。削ぎ落としの美学が貫かれたピアノとドラム。柔らかな音楽なのに音への向き合い方が恐ろしくストイック。凛とした歌声が確かな感情の機微を伴ってこちらに語りかけてくる。こんなボーカルアルバムを死ぬまでに一枚作りたい。



Miles Davis 『kind of blue』

マイルスデイビスとビルエバンス。自分にとって永遠のアイドルであり先生であり続ける二人のコラボレーション。エバンスのピアノは一音一音が冴え渡っていて、静寂に情熱を込める天才。即興を交えながらも無駄が一切無く、ジャズと言うよりクラシックのような形式美。今作の唯一の欠点は完璧過ぎて隙が無いことかもしれない。別テイクが追加されたLegacy Editionより簡潔なオリジナル盤をおすすめします。



Rhye 『woman』

周りにRhye好きが少ないのはどうしてだろう。BGMとして聴き流せてしまう軽さがダメなのだろうか。自分は普段聴きする音楽にはその軽さを求めているのかもしれない。心象風景に徹する繊細なシンセの音作り。意外と野太く粘りのあるビート。この人たちは相当音楽好きなのだと思う。姿形のない幽霊のような歌声。掴もうとしてもすり抜けてしまう透明のファンク。Sade、Mocky、Khruangbin。色々聴いても最後はまたRhyeに戻る。



Sly&the family stone 『there’s a riot going on』

ファンキーな演奏なのに開放感が無く、音質がこもっていてSlyのボーカルは妙にトーンが暗い。初めて聴いた時子供ながらに思った、「なんか変なアルバムだな」「この人メンタル大丈夫か?」と。パーソナルな感情(しかも陰の部分)がファンクになっちゃう宅録の面白さ。Sly や Stevie Wonder は僕の一人完結型プロダクションの元祖です。タイトルは Marvin Gaye - What’s Going On への返答。



Adriana Evans 『Adriana Evans』

間が多いクリアなヒップホップビート、温かいアナログの質感、生楽器のカラフルなサウンド、メロディの良さ。自分にとって理想的なオーガニックソウルです。アナログで聴くとあまりのミックスの良さに落ち込みます。

The bird and the bee 『Interpreting The Masters Volume 2: A Tribute To Van Halen』

今月かなり聴いてるからいま無人島に1枚持ってくなら間違いなくこれです。ヴァンヘイレンには昔からさほど興味も無くむしろ避けてきた部類だけど食わず嫌いだったのかも。ここには名曲しか入っていない!The Bird And The Beeはポップスを極めてますね。キャッチーでありながらアレンジのディテールが細かい。声の使い分けやコーラスワークも凄い。匠の技が光ってます。



Glenn Gould 『Brahms 10 intermezzi for piano』

人間が創造できる美の究極。ピアノって弾く人によってまったく音色が変わる楽器なんですね。狂気すら感じる一音一音の表情の豊かさ、鮮明さ。いろんなものを失った果ての美しさだと思う。



児玉奈央 『IN YOUR BOX』

奈央さんの歌声に恋をしてます。いま一番好きなシンガーソングライター。ついプロダクション目線で聴いてしまうのですが、恐らくボーカルのピッチなどほぼ無修正なのでは。何でも綺麗に整えてしまうのはつまらないよなぁと最近思います。奈央さんは自然体でぜんぶかっこいい。最強ですよね。天性の歌い手です。



長谷川健一 『震える牙、震える水』

数年前にも選んだけどやっぱりハセケンさんは一枚持っておきたい。ここにある歌たちに何度救われてきただろう。僕にとってはお守りのようなアルバムです。近年自分が詞を書き歌うようになった影響のひとつは間違いなくハセケンさん。



無人島 〜俺の10枚〜 とは

音楽好きには、超定番の企画「無人島 〜俺の10枚〜」。なんとも潔いタイトルで、内容もそのまんま、無人島に持って行きたいCDを10枚チョイスしてもらい、それぞれの作品に込められた思い入れを思いっきり語ってもらう。ミュージシャンとしてルーツとなるもの、人生を変えた一枚、甘い記憶がよみがえる一枚、チョイスの理由にはそれぞれのアーティストごとに千差万別だ。

「無人島 〜俺の10枚〜」過去のアーカイブはこちら


Kan Sano ニューアルバム『Ghost Notes』 商品情報

発売中


指先で世界を魅了する! 鍵盤の魔術師Kan Sanoがキーボードは勿論、ドラム、ベース、ギター、トランペット、ヴォーカル、作詞作曲からミックスまで全てを操る多才ぶりを発揮した意欲作が遂に完成!先行シングル2曲は既に各国のキュレーターがこぞってピックアップ、サブスクリプションでアッという間に100万回再生超えを記録!自身にとって原点回帰となるネオソウルや、世界中の音楽ファンが「次のトレンド!」と注目するLo-Fi Hip Hopに、日本人特有のメロディセンスを注入した唯一無二のクリエイション!今まさにトレンドがアジアへと移行する中、世界から最も注目を集めるキーボーディストがここ日本から重要作をドロップ!


限定盤付属のDISC2には敬愛するディアンディロやマーヴィン・ゲイに向かい合ったカヴァー曲を収録。ブラックミュージックやネオソウルへのリスペクトを込め、自身が影響を受けたアーティストの厳選した楽曲をソロピアノでカヴァー! Kan Sanoのルーツにじっくり浸ることができるレア盤になること間違いなし。


収録曲


  • ●DISC1
  • 01. End
  • 02. Baby On The Moon
  • 03. Stars In Your Eyes
  • 04. Horns Break
  • 05. tech mac maya com
  • 06. My Girl
  • 07. Don't You Know The Feeling?
  • 08. DT pt.2
  • 09. Sit At The Piano
  • 10. Nightfly
  • 11. Ride On The Back To Back
  • 12. 1140
  • 13. Melody At Night
  • ●DISC2
  • 01. Lucille
  • 02. Runnin' Away
  • 03. Lovely Day
  • 04. Seein' Is Believing
  • 05. Untitled (How Does It Feel)
  • 06. What's Going On
  • 07. Grace
  • 08. A Change Is Gonna Come

Ghost Notes

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Price (tax incl.): ¥3,300

Member Price (tax incl.): ¥3,036

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Release Date: 22 May 2019

Ghost Notes

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Ghost Notes

Kan Sano

(1)

Price (tax incl.): ¥2,750

Member Price (tax incl.): ¥2,530

Multi Buy Price (tax incl.): ¥2,337

Release Date: 22 May 2019


7インチシングル 『House Of Mine (Rework Of Sit At The Piano) 』

世界中の音楽ファンに支持され300万再生を超えたインスト曲「Sit At The Piano」を、UKサウンドの体現者 Miller Blue が再構築!Kan Sano がつむぎ出す日本人らしい繊細なピアノの旋律と、イングランドの大地のような透明感あふれる Miller Blue の艶やかな声。 人種や空間を超え、マインドでコラボレーション!「音楽とはこうも素晴らしいものなのか!」と感嘆の声をあげてしまう名曲が誕生!


House Of Mine (Rework Of Sit At The Piano)/ Sit At The Piano

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House Of Mine (Rework Of Sit At The Piano)/ Sit At The Piano

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Price (tax incl.): ¥1,980

Release Date: 28 Aug 2019

販売終了

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Fantastic Farewell

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Release Date: 13 Apr 2011

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Price (tax incl.): ¥1,650

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Release Date: 22 Apr 2017

販売終了

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Kan Sano

キーボーディスト、トラックメイカー、プロデューサー。バークリー音楽大学ピアノ専攻ジャズ作曲科卒業。

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