2012年11月16日 (金)
ライブ録音で創られた最新スタジオ盤!
空気公団ニューアルバム 『夜はそのまなざしの先に流れる』 11/21リリース!!
空気公団インタビュー :メンバー3人による、アルバム楽曲解説!!
名盤として誉れ高い前作『春愁秋思』から約1年半振りとなる、待望の最新アルバム『夜はそのまなざしの先に流れる』がリリースされる。本作は2012年7月6日に日本橋公会堂で行われた、音楽と演劇で構成されたパフォーマンスを収録し、その音源を元に制作完成された。ライブ録音で創られたスタジオ盤〜そこには素晴しい音楽と充実した時間が流れている〜。
今回は空気公団のメンバー3人に、このアルバムに収録された全10曲について楽曲解説していただきました。
聴く前に読むのも良し。聴いた後に読むのも良し。彼らはどんなことを感じながら楽曲を作っているのか?これを読むと、アルバム『夜はそのまなざしの先に流れる』が、より解ったり、よりイメージが膨らんできます!
空気公団ニューアルバム 『夜はそのまなざしの先に流れる』 11/21リリース!!
空気公団インタビュー :メンバー3人による、アルバム楽曲解説!!
名盤として誉れ高い前作『春愁秋思』から約1年半振りとなる、待望の最新アルバム『夜はそのまなざしの先に流れる』がリリースされる。本作は2012年7月6日に日本橋公会堂で行われた、音楽と演劇で構成されたパフォーマンスを収録し、その音源を元に制作完成された。ライブ録音で創られたスタジオ盤〜そこには素晴しい音楽と充実した時間が流れている〜。
今回は空気公団のメンバー3人に、このアルバムに収録された全10曲について楽曲解説していただきました。
聴く前に読むのも良し。聴いた後に読むのも良し。彼らはどんなことを感じながら楽曲を作っているのか?これを読むと、アルバム『夜はそのまなざしの先に流れる』が、より解ったり、よりイメージが膨らんできます!
01 「天空橋に」
山崎ゆかり(以下、Y): アルバムを作ることを決めて、2曲目あたりに出来た曲だったと思います。 早速録音してみんなにメールで聴いてもらったような。”天空橋に夜が落ちた”というフレーズは、ボーンと鍵盤を弾いたときにコードと共に生まれて、気になった。天空橋ってどんなところ なんだ?!って。
行くしかないよこれはと思った。
戸川由幸(以下、T): 僕の感じでは、天空ってことで、なんとなく空中のイメージがありました。浮遊感というか、空中都市みたいな。ふわ〜っとしていたり、ゴツっとしていたり、バラバラのものがだんだんひとつにまとまっていく感覚だとか。あとは和のイメージ。和の曲もっと作りたい。
窪田渡(以下、K): 今回のライブはパフォーマンスにバストリオの方々を迎えて行ったんです。曲を演奏している間、常にパフォーマンスが行われている感じ。この曲のイントロの部分は、空中を人が渡って登場するシーンになっていて、それは何度観ても感動的だった。
この曲は山本精一さんにも歌ってもらった。男女二人の声で歌われているんだけど、なんとも言えない孤独感があって、そこが気に入っています。
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02 「きれいだ」
T: 「きれいだ」って、たった4文字でも強くて前向きな言葉だなと思って、余計なものは付け足したくない感じがしてました。
Y: この曲はどんなイメージか、と舞台監督さんやらとミーティングして、「もう服は着ていない、裸です!」とカフェで話し、場の空気を一瞬見失いがちになってたところ、今野さん(バストリオ)が「わかります。」と発したあの光景が忘れられない。想像つくでしょ?
K: そんな光景、今回結構あったかもね(笑)
Y: あとね、きれいだっていうのは誰の台詞かというのを、吉野友加さん(tico moon)への手紙に書いた。録音日にわけわかんないこと書いててすみませんと言ったら、「いえいえとてもていねいでわかります。」とこれまたみんなわかるんだよね。
T: ほうほう。
K: この曲を聴いて、みなさん色々な景色を思い浮かべたんだろうね。メロディがとても力強くて、譜割もあんまり今までない感じで、とても新鮮だった。ライブが終わってテイクを聴いたら、木目調な風合いが欲しくなって影山敏彦さん(tico moon)にアコギを入れてもらいました。
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03 「暗闇に鬼はいない」
Y: 暗闇というのは穴のことだと思う。それは黒くて顔を近づけるとヒューッと吸い込まれるかもしれないしなんだか怖い。吸い込まれるというのは内面を見てしまうというのかな。でもそこに誰もいない。むしろ自分の大切な人物がいたりするんじゃないか、と思った。
T: 今回のアルバム全体のコンセプトでもある穴の話を、最初ゆかりさんが話してくれたんだけど、その話を聞いた時から、穴の向こうに見えるのはその人が引っかかってる事だったり、気になってること、もしかしたら大切な人とか思い出とか、必ずしも人の心の闇っていう様なネガティブなものでもないんじゃないかっていう気はしてました。
K: インストで、しかも前半は、ほぼピアノだけの演奏が永遠に続くので、本番のステージではひたすらに無心で演奏してました。まさに、暗闇に居るかんじ。周りは鬼だらけですよ。もう、緊張している暇がない、という感じでした。今となってはすっかり良い思い出です。
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04 「街路樹と風」
T: ある人がある人を思う回想みたいな、恐らく恋愛がベースの歌なんだけど、自分にはこれしかないっていう「これ」も人からみたらちっぽけな事だったり、それも自分でわかってたりしても、でも人知れず誰かを心配する様な優しさを持てたりして、そんなに人生悲観しなくてもいいんじゃないかっていう、失恋の悲しさっていうよりも、もう少し前向きに行こうっていう感じを僕は受けました。
Y: なにひとつ成し遂げたことがないって言い切ってみたかったです。偉いとかよく思われたいとかじゃなくて、かといって開き直りじゃない。前進している感じなんだけど、うまく言い表せない。街路樹は四季折々に変化して、そこに風が吹こうがなにがどうなろうがずっとそこにいて、ただ風に思いを伝えたい瞬間があるんじゃないかと思う。
K: ある程度年齢を重ねた人が、少し照れくさそうに、だけど一生懸命に歌ったら良いだろうね、と皆で言ってたね。この曲の楽器はドラム、ベース、ギター、ピアノの4リズムだけで成立していて、シンプルなのだけど、それぞれの演奏の音が太いので、もうそれだけで充分でした。色々考えてはいたけれど、他の楽器のダビングはしませんでした。きっとライブ演奏だからそうなったのでしょうね。
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05 「つむじ風のふくろう」
Y: インストは数曲あるべきと思っていたので、それぞれに書いてもらえれば更に空気が入るなあと思っていて、聴いたときにいいねって言ったんだけど疑り深かったね。つむじ風って言葉、私意味がわからなかった。これは戸川さんにイメージを是非。
T: いいねとか言われた記憶抜け落ちてるなぁ。これはアルバムの中ではちょっと異色な感じ、箸休めになればいいかなと思って作りました。最初は回風機構って仮タイトルを考えてたんだけど、まぁなんとなく却下になって。で、その帰り道に急に「ふくろうかな」と思ったので、メンバーにメールしたんです。で、回風っていうのはつむじ風って意味なんですよね、確か。それでつむじ風のふくろう。
K: 最初にそのタイトルを聞いていたからか、この曲には登場する風もふくろうも、とにかく、ぐるぐるしている印象があって、オルガンで急旋回する様を描きました。この曲、山口ともさんのドラムの歌いっぷりがとても格好いいです!
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06 「元気ですさよなら」
T: 一番か二番に苦労した曲かもしれない。曲はさほど暗くもないんだけど、物語の中の人は他の曲にくらべて悲しい気持ちのままでいる感じがして、その感じを振り払うのが正解とも思えないし。なんというか、傾け様が難しかった。でも「会えなくても」っていう風に、この人は少なくとも前は向いてるんじゃないかなと思う。
Y: 別れはいつも心にあって、最後は別れるのか出会うのかと思う。これは私自身ね。曲中の主人公はもう会えない人に対して元気ですと語ってて、会えない人は時が止まっていて自分だけは明日がどんどん来るという。
K: 最初の曲の姿から、構成をあれこれ組み直したり、リズムの構成を見直したりして、完成した曲です。皆のアイデアが曲の骨格の部分にまで混じっているから、完成形には、色々な顔が見える感じになっている。そこに魅力を感じています。曲の最後に「元気ですさよなら」と繰り返す所がある。聴いている時、そこに来るといつもハッと我に返る感じがして、好きです。
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07 「にじんで」
T: 最初にデモ聴いた時、渋谷のたしか駅前の喫煙所で一人でヘッドフォンで聴いて、アレンジまでバーっと浮かんできたのを覚えてます。まぁ最終的にそのアレンジになった訳でもないんですが。想像力をかきたてる様な雰囲気があったってことです。
Y: これはもう窪田さんが語ります。私はイメージ的にすり鉢、逆さまの円すいの中にピアニカがいて、取り囲むように他楽器がいるのがいい!と聴いたときになぜか思ったんだけど。
K: この曲はこのアルバムのテーマから作った曲です。主人公は自分に「穴」があることを気付いていて、少しネガティブに捉えている。その主人公には恋人がいる。その恋人と、時間を積み重ね、関係を築いて行くと、「穴」に対する捉え方に変化が見られ、ついには…という内容。人と人との関係性のお話。なんだかオチを付けたくなって、最後の8小節は映画のエンドロールみたいな役割にしようと思って作りました。
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08 「夜と明日のレコード」
T: この曲はほんと成長しました。最初はただただ混とんとしていて、どうなるんだろうって思ったけど、窪田さんのアレンジで景色がスパーンと開けた感じがして、そこから一気に自分たちランキングの1位くらいになった。アルバムを引き締める様な一言が出てくるんですけど、そこがすごく、一番気に入ってます。
Y: レコードをスケートリンクとして、そこを男女がすれ違ってまわるのを想像するだけでなんかじわっと目にくる。
T: レコードの回転みたいなゆっくりとしたスピード感があるんだよね、ゆっくりもスピードの一種っていうか。
Y: 主人公の彼は夜に似ているもの(ガラス)を持っていると言ってなにかをみせるんだけど、これは「秘密」だったのかな?と思う。実際なにをみせたのか、私もわからないんだけど、これはみんなにあって、それだけでは解決しないことも知ってる。もうひとつ必要なんだなと。それを持っているのが今目の前にいる君かという話。彼らの部屋には音楽が流れていて同時に夜も流れてる。
K: これは小さいフレーズを組み合わせて全体が作られています。その方法は、実をいうとこのアルバム全体アレンジ上のテーマであったりもします。後半の展開がとても劇的で、ストーリー性の強い曲なんだけど、時間軸だけ見ると、夜のほんの一瞬の間に起こったことを歌った曲だったりする。その差がとても気に入っています。
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09 「あなたはわたし」
Y: 「穴」をテーマにした今作は…とか色んなところで目にして、なんか恥ずかしくなったりしたけども、これもまた言うのが難しいというか私に言葉がないせいで、「穴」がちっぽけに感じられたらショック。 人に穴が空いててそこをのぞきこむと本当にいろんなものが見えるわけ、それでぐんぐん進んで行くと、「なんだわたしだ」と思うんだ、という曲です。
T: 「穴」っていう言葉はすぐにスッと入ってこないだけに、ずっと聴いて自分なりの解釈をみつける楽しさみたいなのもあるんじゃないかと思ってみたりしますが。自分なりに理解してから聴くと聞こえ方が変わってくるし、それが面白い。
K: 最初の頃、この曲にはエンドロールのイメージがあって、演奏するなら一番最後だ、と皆思っていた。出演者とかスタッフとかの字幕が流れて、そこにこの曲が流れている、というイメージ。歌詞の内容が一つのピークになっているんだね。でも、もう少しお話は続くので、最後の曲にはならなかったけれども。
Y: 7/6のイベントから録音スタートというやり方をするのが特殊なので、曲が揃った段階で、ベース演奏録音する私たち以外のメンバー(山口ともさん、奥田健介さん)に集まってもらって、みんなで全曲聴いた。で、この曲になったら「ん?!」というリアクションで私らは「んん?!」ってなってたよね。どうもドラムの打ち込みが人間業を通り越してたみたいで。
K: デモのドラムの打ち込みをゆかりさんがやった。だけど、山崎ドラムは意外性があって、いつもアイデアが満載なんだよね。
T: 確かにリアクションが他の曲と違ったね、一番バンド魂をくすぐられる曲っていうのもあると思う。もしコピーバンドやるなら一番やりたい曲かもしれない。
K: このライブは、全部の曲でリハーサルと本番と2つテイクを録ってあった。この曲の奥田健介君(NONAREEVES)のエレキギターはその二つのテイクを左右に振って使っています。左が「あなた」右が「わたし」なんだろうかね。絶妙なところで一つにまとまる感じが印象深いです。
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10 「これきりのいま」
Y: 1曲目で「穴」に対して疑問を抱いてしまった彼は、これから行く家へ遠回りをして向かうことに決めた。持っていた花束は、この曲ではしおれてしまって、たどりついたころにはもう夜が過ぎて朝になろうとしていて、呼び鈴を押したら、明日が広がるという。この1と10には特に男性ボーカルが絶対で、今がこのとき!とばかりについにお願いして。山本精一さんにご参加頂けて本当に豊かになりました。
T: 本当に最高でしたね、前々からいつか…とは話してたんですが、今回思い切ってお願いしてみて、本当に良かったです。本当に参加して頂けるとは、15年もやってるといい事があるもんだなぁと思いました。曲としては、一番肩の力を抜いてやれた感じがしています。実際の演奏はガシガシですけど、気持ち的に。夜から始まって、この曲でおはようって感じになるのも気に入ってます。
K: そうね、夜は流れて、朝が来て終わる。そしてまた夜がやってきて…。この曲から1曲目に戻る感じも、また楽しめるね。7/6のライブで、この曲を演奏している時の「これで無事10曲演奏したぞ!」という開放感と「本当にもう終わっちゃうの?」という寂しさとが入り交じった、何とも言えない気分が印象に残っています。バストリオが全員で踊っている姿を見ていて、まさに「これきりのいま」をひしひしと感じた瞬間でした。
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●それでは最後に、HMV ONLINEをごらんの皆様に一言メッセージをお願いします。
Y: いつもお聴き下さってる方、ここから空気公団の音楽をお聴きになる方、みなさんの側で長く聴かれるアルバムだと思っています。聴いてみてもらいたいです。
T: 新しいアルバム、ぜひ色んな場面で聴いてもらいたいです。感想お待ちしてます!
K: とうとう完成しました。面白い作品になったと自負しています!是非聴きいてみて下さい。そしてライブにも遊びに来て下さいね〜。
『11・21空気公団ニューアルバム発売日記念LIVE』 Ustreamライブ生中継!!
2012年11月21日(水) @西麻布「新世界」
21:00〜22:00 Ustream生放送!!
空気公団チャンネル:http://www.ustream.tv/channel/kukikodan
演奏:空気公団
ゲスト:tico moon、山口とも
Info空気公団オフィシャル・サイト:http://www.kukikodan.com/
山崎ゆかり(以下、Y): アルバムを作ることを決めて、2曲目あたりに出来た曲だったと思います。 早速録音してみんなにメールで聴いてもらったような。”天空橋に夜が落ちた”というフレーズは、ボーンと鍵盤を弾いたときにコードと共に生まれて、気になった。天空橋ってどんなところ なんだ?!って。
行くしかないよこれはと思った。
戸川由幸(以下、T): 僕の感じでは、天空ってことで、なんとなく空中のイメージがありました。浮遊感というか、空中都市みたいな。ふわ〜っとしていたり、ゴツっとしていたり、バラバラのものがだんだんひとつにまとまっていく感覚だとか。あとは和のイメージ。和の曲もっと作りたい。
窪田渡(以下、K): 今回のライブはパフォーマンスにバストリオの方々を迎えて行ったんです。曲を演奏している間、常にパフォーマンスが行われている感じ。この曲のイントロの部分は、空中を人が渡って登場するシーンになっていて、それは何度観ても感動的だった。
この曲は山本精一さんにも歌ってもらった。男女二人の声で歌われているんだけど、なんとも言えない孤独感があって、そこが気に入っています。
02 「きれいだ」
T: 「きれいだ」って、たった4文字でも強くて前向きな言葉だなと思って、余計なものは付け足したくない感じがしてました。
Y: この曲はどんなイメージか、と舞台監督さんやらとミーティングして、「もう服は着ていない、裸です!」とカフェで話し、場の空気を一瞬見失いがちになってたところ、今野さん(バストリオ)が「わかります。」と発したあの光景が忘れられない。想像つくでしょ?
K: そんな光景、今回結構あったかもね(笑)
Y: あとね、きれいだっていうのは誰の台詞かというのを、吉野友加さん(tico moon)への手紙に書いた。録音日にわけわかんないこと書いててすみませんと言ったら、「いえいえとてもていねいでわかります。」とこれまたみんなわかるんだよね。
T: ほうほう。
K: この曲を聴いて、みなさん色々な景色を思い浮かべたんだろうね。メロディがとても力強くて、譜割もあんまり今までない感じで、とても新鮮だった。ライブが終わってテイクを聴いたら、木目調な風合いが欲しくなって影山敏彦さん(tico moon)にアコギを入れてもらいました。
03 「暗闇に鬼はいない」
Y: 暗闇というのは穴のことだと思う。それは黒くて顔を近づけるとヒューッと吸い込まれるかもしれないしなんだか怖い。吸い込まれるというのは内面を見てしまうというのかな。でもそこに誰もいない。むしろ自分の大切な人物がいたりするんじゃないか、と思った。
T: 今回のアルバム全体のコンセプトでもある穴の話を、最初ゆかりさんが話してくれたんだけど、その話を聞いた時から、穴の向こうに見えるのはその人が引っかかってる事だったり、気になってること、もしかしたら大切な人とか思い出とか、必ずしも人の心の闇っていう様なネガティブなものでもないんじゃないかっていう気はしてました。
K: インストで、しかも前半は、ほぼピアノだけの演奏が永遠に続くので、本番のステージではひたすらに無心で演奏してました。まさに、暗闇に居るかんじ。周りは鬼だらけですよ。もう、緊張している暇がない、という感じでした。今となってはすっかり良い思い出です。
04 「街路樹と風」
T: ある人がある人を思う回想みたいな、恐らく恋愛がベースの歌なんだけど、自分にはこれしかないっていう「これ」も人からみたらちっぽけな事だったり、それも自分でわかってたりしても、でも人知れず誰かを心配する様な優しさを持てたりして、そんなに人生悲観しなくてもいいんじゃないかっていう、失恋の悲しさっていうよりも、もう少し前向きに行こうっていう感じを僕は受けました。
Y: なにひとつ成し遂げたことがないって言い切ってみたかったです。偉いとかよく思われたいとかじゃなくて、かといって開き直りじゃない。前進している感じなんだけど、うまく言い表せない。街路樹は四季折々に変化して、そこに風が吹こうがなにがどうなろうがずっとそこにいて、ただ風に思いを伝えたい瞬間があるんじゃないかと思う。
K: ある程度年齢を重ねた人が、少し照れくさそうに、だけど一生懸命に歌ったら良いだろうね、と皆で言ってたね。この曲の楽器はドラム、ベース、ギター、ピアノの4リズムだけで成立していて、シンプルなのだけど、それぞれの演奏の音が太いので、もうそれだけで充分でした。色々考えてはいたけれど、他の楽器のダビングはしませんでした。きっとライブ演奏だからそうなったのでしょうね。
05 「つむじ風のふくろう」
Y: インストは数曲あるべきと思っていたので、それぞれに書いてもらえれば更に空気が入るなあと思っていて、聴いたときにいいねって言ったんだけど疑り深かったね。つむじ風って言葉、私意味がわからなかった。これは戸川さんにイメージを是非。
T: いいねとか言われた記憶抜け落ちてるなぁ。これはアルバムの中ではちょっと異色な感じ、箸休めになればいいかなと思って作りました。最初は回風機構って仮タイトルを考えてたんだけど、まぁなんとなく却下になって。で、その帰り道に急に「ふくろうかな」と思ったので、メンバーにメールしたんです。で、回風っていうのはつむじ風って意味なんですよね、確か。それでつむじ風のふくろう。
K: 最初にそのタイトルを聞いていたからか、この曲には登場する風もふくろうも、とにかく、ぐるぐるしている印象があって、オルガンで急旋回する様を描きました。この曲、山口ともさんのドラムの歌いっぷりがとても格好いいです!
06 「元気ですさよなら」
T: 一番か二番に苦労した曲かもしれない。曲はさほど暗くもないんだけど、物語の中の人は他の曲にくらべて悲しい気持ちのままでいる感じがして、その感じを振り払うのが正解とも思えないし。なんというか、傾け様が難しかった。でも「会えなくても」っていう風に、この人は少なくとも前は向いてるんじゃないかなと思う。
Y: 別れはいつも心にあって、最後は別れるのか出会うのかと思う。これは私自身ね。曲中の主人公はもう会えない人に対して元気ですと語ってて、会えない人は時が止まっていて自分だけは明日がどんどん来るという。
K: 最初の曲の姿から、構成をあれこれ組み直したり、リズムの構成を見直したりして、完成した曲です。皆のアイデアが曲の骨格の部分にまで混じっているから、完成形には、色々な顔が見える感じになっている。そこに魅力を感じています。曲の最後に「元気ですさよなら」と繰り返す所がある。聴いている時、そこに来るといつもハッと我に返る感じがして、好きです。
07 「にじんで」
T: 最初にデモ聴いた時、渋谷のたしか駅前の喫煙所で一人でヘッドフォンで聴いて、アレンジまでバーっと浮かんできたのを覚えてます。まぁ最終的にそのアレンジになった訳でもないんですが。想像力をかきたてる様な雰囲気があったってことです。
Y: これはもう窪田さんが語ります。私はイメージ的にすり鉢、逆さまの円すいの中にピアニカがいて、取り囲むように他楽器がいるのがいい!と聴いたときになぜか思ったんだけど。
K: この曲はこのアルバムのテーマから作った曲です。主人公は自分に「穴」があることを気付いていて、少しネガティブに捉えている。その主人公には恋人がいる。その恋人と、時間を積み重ね、関係を築いて行くと、「穴」に対する捉え方に変化が見られ、ついには…という内容。人と人との関係性のお話。なんだかオチを付けたくなって、最後の8小節は映画のエンドロールみたいな役割にしようと思って作りました。
08 「夜と明日のレコード」
T: この曲はほんと成長しました。最初はただただ混とんとしていて、どうなるんだろうって思ったけど、窪田さんのアレンジで景色がスパーンと開けた感じがして、そこから一気に自分たちランキングの1位くらいになった。アルバムを引き締める様な一言が出てくるんですけど、そこがすごく、一番気に入ってます。
Y: レコードをスケートリンクとして、そこを男女がすれ違ってまわるのを想像するだけでなんかじわっと目にくる。
T: レコードの回転みたいなゆっくりとしたスピード感があるんだよね、ゆっくりもスピードの一種っていうか。
Y: 主人公の彼は夜に似ているもの(ガラス)を持っていると言ってなにかをみせるんだけど、これは「秘密」だったのかな?と思う。実際なにをみせたのか、私もわからないんだけど、これはみんなにあって、それだけでは解決しないことも知ってる。もうひとつ必要なんだなと。それを持っているのが今目の前にいる君かという話。彼らの部屋には音楽が流れていて同時に夜も流れてる。
K: これは小さいフレーズを組み合わせて全体が作られています。その方法は、実をいうとこのアルバム全体アレンジ上のテーマであったりもします。後半の展開がとても劇的で、ストーリー性の強い曲なんだけど、時間軸だけ見ると、夜のほんの一瞬の間に起こったことを歌った曲だったりする。その差がとても気に入っています。
09 「あなたはわたし」
Y: 「穴」をテーマにした今作は…とか色んなところで目にして、なんか恥ずかしくなったりしたけども、これもまた言うのが難しいというか私に言葉がないせいで、「穴」がちっぽけに感じられたらショック。 人に穴が空いててそこをのぞきこむと本当にいろんなものが見えるわけ、それでぐんぐん進んで行くと、「なんだわたしだ」と思うんだ、という曲です。
T: 「穴」っていう言葉はすぐにスッと入ってこないだけに、ずっと聴いて自分なりの解釈をみつける楽しさみたいなのもあるんじゃないかと思ってみたりしますが。自分なりに理解してから聴くと聞こえ方が変わってくるし、それが面白い。
K: 最初の頃、この曲にはエンドロールのイメージがあって、演奏するなら一番最後だ、と皆思っていた。出演者とかスタッフとかの字幕が流れて、そこにこの曲が流れている、というイメージ。歌詞の内容が一つのピークになっているんだね。でも、もう少しお話は続くので、最後の曲にはならなかったけれども。
Y: 7/6のイベントから録音スタートというやり方をするのが特殊なので、曲が揃った段階で、ベース演奏録音する私たち以外のメンバー(山口ともさん、奥田健介さん)に集まってもらって、みんなで全曲聴いた。で、この曲になったら「ん?!」というリアクションで私らは「んん?!」ってなってたよね。どうもドラムの打ち込みが人間業を通り越してたみたいで。
K: デモのドラムの打ち込みをゆかりさんがやった。だけど、山崎ドラムは意外性があって、いつもアイデアが満載なんだよね。
T: 確かにリアクションが他の曲と違ったね、一番バンド魂をくすぐられる曲っていうのもあると思う。もしコピーバンドやるなら一番やりたい曲かもしれない。
K: このライブは、全部の曲でリハーサルと本番と2つテイクを録ってあった。この曲の奥田健介君(NONAREEVES)のエレキギターはその二つのテイクを左右に振って使っています。左が「あなた」右が「わたし」なんだろうかね。絶妙なところで一つにまとまる感じが印象深いです。
10 「これきりのいま」
Y: 1曲目で「穴」に対して疑問を抱いてしまった彼は、これから行く家へ遠回りをして向かうことに決めた。持っていた花束は、この曲ではしおれてしまって、たどりついたころにはもう夜が過ぎて朝になろうとしていて、呼び鈴を押したら、明日が広がるという。この1と10には特に男性ボーカルが絶対で、今がこのとき!とばかりについにお願いして。山本精一さんにご参加頂けて本当に豊かになりました。
T: 本当に最高でしたね、前々からいつか…とは話してたんですが、今回思い切ってお願いしてみて、本当に良かったです。本当に参加して頂けるとは、15年もやってるといい事があるもんだなぁと思いました。曲としては、一番肩の力を抜いてやれた感じがしています。実際の演奏はガシガシですけど、気持ち的に。夜から始まって、この曲でおはようって感じになるのも気に入ってます。
K: そうね、夜は流れて、朝が来て終わる。そしてまた夜がやってきて…。この曲から1曲目に戻る感じも、また楽しめるね。7/6のライブで、この曲を演奏している時の「これで無事10曲演奏したぞ!」という開放感と「本当にもう終わっちゃうの?」という寂しさとが入り交じった、何とも言えない気分が印象に残っています。バストリオが全員で踊っている姿を見ていて、まさに「これきりのいま」をひしひしと感じた瞬間でした。
●それでは最後に、HMV ONLINEをごらんの皆様に一言メッセージをお願いします。
Y: いつもお聴き下さってる方、ここから空気公団の音楽をお聴きになる方、みなさんの側で長く聴かれるアルバムだと思っています。聴いてみてもらいたいです。
T: 新しいアルバム、ぜひ色んな場面で聴いてもらいたいです。感想お待ちしてます!
K: とうとう完成しました。面白い作品になったと自負しています!是非聴きいてみて下さい。そしてライブにも遊びに来て下さいね〜。
空気公団、Ustreamでライブ生中継決定!!
11月21日(水)に行われる『空気公団ニューアルバム発売日記念LIVE』が、Ustreamで生中継されることが決定した。より多くの人に“新たな空気公団”を見てもらいたいということでリアルタイム配信されるもので、公演チケットはすでにソールドアウトとなっている。アルバム発売日に『夜はそのまなざしの先に流れる』をPC画面でお楽しみ下さい!『11・21空気公団ニューアルバム発売日記念LIVE』 Ustreamライブ生中継!!
2012年11月21日(水) @西麻布「新世界」
21:00〜22:00 Ustream生放送!!
空気公団チャンネル:http://www.ustream.tv/channel/kukikodan
演奏:空気公団
ゲスト:tico moon、山口とも
Info空気公団オフィシャル・サイト:http://www.kukikodan.com/
new album

空気公団 『夜はそのまなざしの先に流れる』 11月21日発売
収録楽曲
- 01. 天空橋に
- 02. きれいだ
- 03. 暗闇に鬼はいない
- 04. 街路樹と風
- 05. つむじ風のふくろう
- 06. 元気ですさよなら
- 07. にじんで
- 08. 夜と明日のレコード
- 09. あなたはわたし
- 10. これきりのいま
【参加ミュージシャン】
奥田健介(NONA REEVES)山口とも
tico moon
山本精一
HMVオリジナル特典
サイン入りポストカード(抽選10名様)
応募対象期間 ( 2012/11/20〜2012/12/11)
(当選は賞品の発送をもってかえさせていただきます)
※応募方法:対象商品出荷後に、メールで応募フォームのURLをお知らせ致します。
※HMV本サイト及びHMVモバイルサイト以外からのご購入、非会員でのご購入は特典対象外となります。
※商品出荷のタイミングによっては応募対象期間を過ぎる場合がございますことをご了承下さい。
※HMVストア(店舗)、HMV Yahoo!店、HMV 楽天市場ストアでのお買い上げは対象外です。
商品レビュー
日本橋公会堂ホールライブ録音で披露された新曲を、その場の空気感と共に収録し、新たに演奏を重ね完成した全く新しい録音盤。
1997年結成。現在は山崎、戸川、窪田の3人で活動中。ささやかな日常語、アレンジを細やかにおりこんだ演奏、それらを重ねあわせた音源製作を中心に据えながらも、映像を大胆に取り入れたライヴや、様々な芸術家とのコラボレーションを軸にした展覧会等、枠にとらわれない活動を独自の方法論で続けている。














