【連載コラム】古川本舗 「古川本舗設定資料集」(第二回)
2012年10月29日 (月)
古川です。連載第二回目です。前回の連載も読んでもらってありがとう。無事第二回目です。「三回という話でしたが前回で終了という事で」みたいな連絡が来なくてよかったと思いながら二回目を書いています。
アルバムってものは往々にして作っている最中よりも出来上がった後の方がすること多かったりするんですが、今回は前回にも増して色々やらせて貰えて、本当に嬉しい限りです。 そのおかげかネットで写真を見た古い友人から「生きてたんだ!」と言われたり、動画等から辿ってきた友人から「生きてたんだー」と電話があったり、メールで友達から「生きてたんだ!?」と連絡があったりしました。なんでそんなに死んだと思われているんだろう。
さて前回に続いて楽曲解説をしていきます。今回は5曲目の「KAMAKURA」から。

この曲は男女の恋愛観の違い、みたいなものをエロスな感じを出しつつ書いてみました。別れるのは前提としつつも、その別れ方についての価値観の違い。というような。
男女、という区切りにしてしまうと自分の中の男性観、女性観を反映させているような風に取られる かも知れないですがそういう訳でもないです。脚本的に楽しんでもらうのが良いと思います。
当初この曲はちびたに歌ってもらうつもりだったのでちびたには仮歌の段階で「不倫に疲れたOLの感じ出して!」とか言ってたんですが気がついたら自分が歌う事になってました。ちびたに「古川さんが不倫OLになるんですか!」と言われて、いらん事言うんじゃなかったと後悔したのを覚えています。
ちなみに鎌倉じゃなくて雪のカマクラの方です。端から見ると白く美しく見えるんだけども中にいるものは白くも美しくもない感情の渦。ただし甘い。雪見大福ですね。ぐへえ。

本作で一番難解な歌詞だと思うので色んな人に解釈を預けたいところですが、
実際のところ「春眠暁を覚えず」と「会社に遅刻した」というだけの話をいかに大仰に語るか、みたいな話だったりします。
色んな事に置き換えてみるとなんとでも解釈できるものですなあ。

対話シリーズです。多いな今回。この曲は聞いて、と言うよりも読んで感じてもらう方が良いような 気がします。歌詞カードの漢字の変換、改行、句読点位置、行間などいろんなところに文字の意味以外の「余韻」みたいなものを詰め込みました。自分で歌詞カード弄れるとこういうことができるってのが良いですね。他の曲もそうですが、今回歌詞カードの字面、文字組なんかにも細かい解釈のヒントが入っている曲が多々あったりするので、曲と一緒に見るだけでなく、歌詞カード単体で読んでみる、みたいな楽しみ方もしてもらえたらなあと思います。
ちなみにKAMAKURA同様「KYOTO=京都」ではありません。「きょう」はもっ「と」の省略形です。地名っぽく見せるミスリードですね。ミスリード自体には意味はないので言葉遊びと言った方が良いかもしれんです。

塞いで動けない人の背中を押すでもなく、ケツを叩くでもなく、「また明日を願ってるよ」と声をかけて立ち去るというような。
本当に沈みきっている人がもう一度浮かび上がるにはどうすればいいんだろう。と考えて作ったメッセージソングだったりします。元気にしているといいなあ。
という訳で第二回でした。
こういう解説って昔は野暮かな?と思ってたんだけど、自分なりの正解を持ちつつ別解釈も楽しむっていうのもいいもんですね。是非こんな風に解釈したんだみたいなのがあったら教えてくださいまし。
いよいよ次回で最終回です。早いなー。もっとやりたかったなあと思いつつ。
名残が残るくらいの方が引き際としては良いですね。ではまた来週。
new album

古川本舗 『ガールフレンド フロム キョウト』 11月7日発売
収録楽曲
- 01. 魔法 feat.ちょまいよ


- 02. 月光食堂 feat.acane_madder
- 03. グレゴリオ feat.ちびた

- 04. ルーム feat.花近
- 05. KAMAKURA feat.古川本舗
- 06. IVY feat.歌うキッチン
- 07. KYOTO feat.アイコ(from advantage Lucy)
- 08. 春の feat.大坪加奈(from Spangle call Lilli line)
- 09. はなれ、ばなれ feat.ばずぱんだ
- 10. 恋の惑星 feat.拝郷メイコ
- 11. family feat.YeYe
- 12. girlfriend feat.山崎ゆかり(from 空気公団)
商品レビュー
前作から約1年半ぶりとなる全12曲を収録した2ndアルバムは、古川本舗の新機軸ともいえるアコースティックピアノを基調としたバンドサウンドによるミドルナンバー「魔法」から始まり、浮遊感漂うフォークトロニカな「ルーム」、advantage Lucyのアイコが歌う柔らかで温かい手触りポップミュージック「KYOTO」、SCLLの大坪による冷静で明晰、ウィスパーヴォイスが織りなすクワイエット・エコーな「春の」、柔らかく暖かい歌声のYeYeが歌うカントリー風味のダンスミュージック「family」、壮大なナンバーでラストを飾る空気公団の山崎ゆかりを迎えた「girlfriend」など聴きどころ満載な作品に仕上がっている。
VOCALOIDシーンでは珍しく、バンドサウンド・電子音を駆使したロック、エレクトロニカ、フォーク等、扱うジャンルは多岐に渡るが、哀愁のある世界観をもつポストロック的な楽曲を投稿するクリエーター。作曲からデザイン まで幅広い分野を手がけ他のクリエイターやイラストレーターといった制作者サイドから強いリスペクトを受けており、他のプロデューサーによる古川本舗作品のカバーやREMIXが多数存在。

