LINKIN PARKのあの日、あの時 14
2012年9月14日 (金)
唐突だけど、ロック・ファンの方からたまに訊かれる。「対面取材はどういうふうに、またどんな環境でやるんですか?」と。ファンの方々からはまったく見えず、思い描きにくいところだろう。実はそんなに大そうなことではない。対面取材をやる環境というのはいくつかある。来日時の対面取材の場合。まず、公演当日の開演前(だいたいサウンドチェック後)に会場の楽屋、もしくはアーティストが会場入りする前に所属レコード会社のオフィスで。アーティストの意向や滞在スケジュールなどによってそのどちらかになることが多い。もし仮にアーティストが公演翌日に離日することになっていて、次の目的地に旅発つフライトの時間が夜だったりするとき、たまに空港に向かう前にオフィスで、ということもある。
LINKIN PARKの、これまでの来日対面取材の環境を思い出してみる。『HYBRID THEORY』(2000年)発売後の初来日のときは東京公演前日に所属レコード会社の旧オフィスの応接室で、だった。『METEORA』(2003年)発売後の再来日時は東京公演初日に会場となった武道館の楽屋で。『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007年)のときは3度来日している。2007年夏のLive Earth参戦のときは会場の幕張メッセの楽屋裏にいくつもあった部屋のひとつで。同年秋の単独公演のときは会場のさいたまスーパーアリーナの、同じく楽屋裏にある部屋のひとつで。翌々年2009年夏のサマソニ出演時は対面取材はなく、『A THOUSAND SUNS』(2010年) のときはLive Earth参戦のときと同じように、会場の幕張メッセでだった。そして、新作『LIVING THINGS』(2012年)発売直後に実現したプロモーション来日時には対面取材はしていない。
これが海外での現地取材となると、少し変わってくる。バンドがツアー中にある場合はだいたい同じようで、サウンドチェック後に会場の楽屋で、もしくは投宿先のホテルの部屋で、となることがほとんど。それが新作発売前の対面取材だと、新音源試聴があり、かつ欧米各国の取材陣も集うということもあって、ホームタウンのロサンゼルスの高級リゾートホテル内にあるバンガローを数棟、数日間借り切って行われる。これまでの連載を読んでいただければわかるとおり、メンバー2人がワンチームとなり、2組稼働する。2組取材できる場合は1組目が終わり次第、取材陣が部屋を移るか、もしくは2組目がきてくれて取材陣はその場でそのまま取材できるかのどちらか。これはその日の取材スケジュールによって変わってくる。1組の取材時間は20分。終了予定時刻の5分ぐらい前になると、「あと5分ね」とのコールとも釘刺しとも、そのどちらとも言える声が現地スタッフからかかる(笑)。その2組それぞれが1日に受ける取材本数は楽勝で10本以上に及ぶ。当然後半になってくると疲れてくるし、なんたって同じような質問を繰り返し繰り返しされるわけだから飽きも出てくる。自分のこれまでの経験上で言うと、こういうときはなるべく早い時間帯に取材できる方が実りも多い(笑)。ちなみに、取材相手に関してはこちらからリクエストすることはほぼできないと言っていい。『A THOUSAND SUNS』以降はチェスター・ベニントン(vo) & ロブ・ボードン(ds)、マイク・シノダ(vo,g,key) & デイヴ・“フェニックス”・ファレル(b)なる組み合わせが続いている。この原稿を書いていて、「なぜ、この組み合わせで、それが続くんだろう?」とふと思った。正直、その理由を知らないことに気づいた。次の対面取材のときにでもその理由を訊いてみたいと思っている(笑)。
ベーシストとドラマーが取材に同席するということはままあるのだけど、ほとんどの場合あまり喋らないことの方が多い。ヴォーカリストやギタリストといった、そのバンドのメイン・スポークスマンを差し置いて進んで喋るという人もなかにはいるけど(笑)、ごくごくわずかだ。が、しかし、言うまでもなく、LINKIN PARKはメンバー全員それぞれが各々のビジョン、想いを持ち、時間が許す限り、それを話してくれる。以前一度だけ、フェニックス1人に対面取材したことがある。上記したLive Earth出演で来日したときのことだ。『MINUTES TO MIDNIGHT』発売直前の現地対面取材のときは、彼に話を聞くことはできなかったので、この作品の作風が前2作とは明らかに違うということを尋ねると、彼はこうキッパリと言い切った。
「オレたちはこういう前とはまったく違う作品を作れたことに、そしてその出来にすごく満足しているよ。今回の作品の制作過程での目標は、『HYBRID THEORY』と『METEORA』に続く3部作を作らないということだった。以前と同じスタジオ・トリックや方法を使って、前の2作品と同じ流れの作品を作るのではなく、クリエイティヴ面で、またアーティスティックな面でも、とにかく新しいチャレンジをしたかったんだ。そして、そういう試みをしたからこそ、制作過程自体も面白いものになったよ。現時点じゃ、今までに作った作品のなかでもっとも気に入っているし、制作過程も一番楽しかった。大きなステップを踏めたと強く思っているし、今まではある種の箱のなかに入れられていたような気がするけど、そこから少し飛び出すこともできたんだ。今回の作品をひっさげて1年ぐらいツアーするけど、気の早い話ながらそれを終えて再びスタジオに入り、次作を制作するときのための可能性も広げたと思うんだ。より多くの自由を手に入れることができ、クリエイティヴ面でなんでも好きなことができるようになったんだ。オレたちの目標は今も昔も変わらずオレたち自身が愛せる最高の楽曲を書くことだけど、“こういうものでなくちゃいけない”っていう制限に縛られることはもうない。それってミュージシャンにとって、アーティストにとってすごく解放的なことであり、最高なことさ」
LINKIN PARKなるバンドはまさに6つの個性の集合体であり、その6つの個性がひとつになったときに“世界最強ロック・バンド”となり、あのすばらしい唯一無二の“リンキン節”満載の音楽を生むのだ。
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■■■ 有島博志プロフィール ■■■
80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
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