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LINKIN PARKのあの日、あの時 5

Friday, May 11th 2012


『METEORA』発売!さらなる高み、極みへ!
文●有島博志(GrindHouse)

新作『LIVING THINGS』発売に向けての取材が、4月30日、5月1日の両日ロサンゼルスのハリウッドの某ホテルで行われ、マイク・シノダとデイヴ・“フェニックス”・ファレルから日本のファンへのメッセージをもらえた!

マイク・シノダ & デイヴ・“フェニックス”・ファレル
Photography by Aya Miyahara
マイク (写真左)
「新曲や新作を発売するとき、いつもみんなが興奮してくれることをオレたちは願うんだ。だけど結果はどうなるかわからない。みんなが新作を応援し、興奮してくれることにバンドとして、そしてオレ個人から感謝の気持ちを伝えたい。新作を早くみんなに聴いてもらいたいな」

フェニックス (写真右)
「日本のファンのみんな、キミたちのサポートに心から感謝しているよ。なるべく早く、そしてなるべく多く、新作をひっさげて来日公演ができることを楽しみにしているよ」

 今回はマイク・シノダ(vo,g,key)とデイヴ・“フェニックス”・ファレル(b)からの日本のファンへの最新メッセージからお届けする、といういつもとは違う出だしで始めた。で、話は2枚目『METEORA』へと進む。LINKIN PARKの世界的人気を決定づけ、不動のものとした作品で、かつ彼らの音楽的キャリア第一章を締めくくる作品でもある。2003年3月に発売され、本国アメリカで初週だけで80万枚以上売れ、見事ビルボード・チャートで初登場1位を奪取した。ほか世界12ヵ国で1位に輝いた。日本は最高位6位だった。

 大成功街道を突進する彼らをやっかむ、こんなエピソードが残ってる。本国で超有名な某量販店のCDバイヤーのコメントとして、『Rolling Stone』誌に堂々掲載されたものだ。

「『METEORA』のトータル・タイムはたったの36分34秒しかないんだ。それよりも長尺の作品は世のなかにたくさんあるのに、なぜそういう作品と『METEORA』が同じ卸価格、販売価格なのか理解しがたいね。だから正直言うと、あまりたくさんオーダーしてないんだよ。当然だろ?」

 単なる屁理屈以外の何物でもない。そういうのを大メディアが普通に、そして当たり前のごとく報じる。裏を返せば、当時すでに彼らは完全に突き抜け、その“影響力”はそこまで巨大化していたということだ。もはや誰も、彼らを止められなくなっていた。

 『METEORA』発売に伴うロサンゼルスでの音源試聴会と対面取材は、発売2ヵ月前の2003年1月にダウンタウンにあるホテル、The Standardで行われた。当時ロスでもっともトレンディでヒップなホテルとして人気が高かったところだ。世界各国から音楽誌の記者、TV音楽番組のホスト、ラジオ番組のDJらが一斉に集結し、加えてLINKIN PARKのメンバーの何人かが珍しく友達や(そのときの)ガールフレンドを連れ立ってきてたこともあって、現場はかなりゴッタ返していたのを今も覚えている。そして、試聴会が始まるとき再び驚かされた。携帯電話をはじめ取材のための録音機材の一時的な提出、預かりを求められ、入室するときには金属探知機によるセキュリティ・チェックも受ける、という物々しさだった。それまでにも欧米での試聴会に出席したことがあったけど、ここまで厳重だったのは、まさにこのときが初めてだ。今考えれば、彼らに限らず、アーティストやレコード会社によるストイックなまでの音源管理は、この頃をさかいにエスカレートしていったように思う。そして、メンバーの『METEORA』に対する第一声はこうだった。

ボクとLINKIN PARK

文●Kazuya(g,vo) from But by Fall
中学のとき、クラスメイトが聴かせてくれた『HYBRID THEORY』の衝撃を今もなお忘れません。当時ロックはロック、ラップはラップみたいなジャンル分けに頑固だった自分の音楽的常識は、LINKIN PARKによって一瞬でぶっ壊されました。後のJAY-Zとのコラボや、映画への楽曲提供など、それがどんな音楽シーンに向けたものであったとしても、LINKIN PARKはいつも独自のサウンドで勝負している。そんな姿こそが、“ロックの可能性は無限”だっていうことをいつもボクに教えてくれます。

「ここまでやれたことをとても誇りに思うよ。1年半も費やして作り上げてきた作品だから、とにかく完成するのが待ち切れなかったね」
とマイク。

「時間をかけたぶん、ここに完成を迎え、喜びもひとしおだね。実は前回のツアー中からすでに作業に入ってたんだ。そのためにツアーバスに録音機材を持ち込んだ。その間オレたち自身のクリエイティビティもより養われたと思う」
とフェニックス。

 当たり前だけど、『METEORA』は断じてデビュー作『HYBRID THEORY』(2000年)の焼き直し作なんかではない。『HYBRID THEORY』の延長線上にあることは紛れもない事実だけど、いくつもの新たな挑戦をすることで確実にバンドが成長・進化・発展をとげたことをこれ見よがしに見せつけた作品だ。1stシングル曲「Somewhere I Belong」、2ndシングル曲「Faint」、3rdシングル曲「Numb」、4thシングル曲「From The Inside」…と1枚の作品から最終的に6枚ものシングルがカットされた、まさに佳曲揃いで、作曲能力により磨きがかかり、アレンジのセンスのよさにも舌を巻く、という会心の出来をほこる。

マイクが言う。
「新作のビジョンは単純に、オレたちの持つものをもっと先に延ばすっていうことだった。それも今風の解釈でね。オレたちがこれまでに聴いてきたもの、感じてきたものは同じで、変わりはないわけだから、それに新しい経験や知識を備えたものこそ、新作のビジョンなんだよね。そして、新作はタイムレスな作品であってほしいんだ。音楽ジャンルとかに捕われない、何年先になっても聴いて楽しんでもらえれるような作品であってほしいと思っているよ」

 “タイムレスな作品”…まさに『METEORA』はそういう作品になった。それはその後のときの流れが完璧に実証している。そしてよく知られた話だけど、改めて。アルバム・タイトルの意味だ。

「メテオラはヨーロッパ・ツアー中にマイクが旅行雑誌で見つけてね。ギリシャの岩の構造を指す。その岩の頂上に僧院がある。直接は新作の内容とは関係ないけど、時間を超越した映画のような風景だ。オレとチェスター(ベニントン/vo)は、メテオラの写真を見る前に言葉の響きで素敵だと思った。オレたちの音楽もメテオラのように高いところを目指したい。ほかのタイトル候補もたくさんあったけど、最後はメテオラに落ち着いたんだ」
とロブ・ボードン(ds)。

 追及心、探究心、向上心が絶対に枯れぬ“モンスター・バンド” LINKIN PARKを代弁するコメントだ。


LINKIN PARK 最新作ニュース


  • リンキン・パーク新作完成!
    リック・ルービンとマイク・シノダの共同プロデュースによるニュー・アルバム『リヴィング・シングス』のリリースが6月に決定!

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

 80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
※ ※ ※ ※ ※

Grindhouse Magazine Vol.71 の激押しタイトル! LACUNA COIL / 『DARK ADRENALINE』

 イタリアはミラノ産の、“ゴシック”をルーツに持つ6人組のメタル・バンドの6枚目の新作。USチャートに初登場18位で飛び込むなど、作品を重ねるたびに世界的人気を確かなものにしてきており、LOUD PARK 参戦での初来日も5年前に済ませている。“ゴシック”特有の要素のひとつである鬱積感などは完全に払拭し、もうひとつの要素であるメランコリックさを維持しながらより磨きをかけている。女性ヴォーカリスト、クリスティーナ・スカビアと、男性ヴォーカリスト、アンドレア・フェローによる男女デュアル・ヴォーカルが描き出すコントラストの妙、メロディのフックの強さ、楽曲のコンパクトさも際立っていて、非常に聴きやすく、印象度も高く、そこここに“洗練感”すら散りばめられている。ドン・ギルモアをプロデューサーに起用するという“ちっちゃな接点”はあるも、人によってはそれ以外は“ゴシック”だ、メタルだ、とLACUNA COILとLINKIN PARKの間には音楽的同類点、共通点はないように思えるだろう。だけど理屈でも、また音楽的スタイルでもないところで、あくまでも感覚的、テイスト的に、なのだけど両者はある部分で同一方向を向いてるように思うし、“近しさ”も感じられる。日本盤には8曲のボートラが追加収録されている
文●有島博志(GrindHouse)

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