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「ベルリン・フィル・ラウンジ」第42号:速報!佐渡裕がベルリン・フィルにデビュー。DCH生中継も

Saturday, May 21st 2011

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佐渡裕がベルリン・フィルにデビュー。初日演奏会速報!
(2011年5月23日日本時間午前3時)

【演奏曲目】
武満徹:
《フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム》
ショスタコーヴィチ:
交響曲第5番

パーカッション:
ラファエル・ヘーガー
ジーモン・レスラー
フランツ・シンドルベック
ヤン・シュリヒテ
ヴィーラント・ヴェルツェル

指揮:佐渡裕


 5月20日(金)午後10時(日本時間21日午前5時)、佐渡裕のベルリン・フィル、デビュー・コンサートが終了しました。曲目は、武満徹の《フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム》とショスタコーヴィチの交響曲第5番。ショスターコーヴィチの演奏が終わると、客席は熱い拍手に包まれ、指揮者に共感に溢れたブラボーが寄せられています。オーケストラが去った後も拍手は鳴り止まず、佐渡はもう一度1人だけ舞台に呼び戻され、喝采を受けました。
 また武満作品も、聴衆から非常に好意的に迎えられています。5人のパーカッション奏者がソロを受け持つこの作品では、武満独自の夢幻的な色彩が、客席を魅了。会場には、日本人の姿も多数見られましたが、上記カーテンコールでは、むしろドイツ人の観客が熱い拍手を送っていたことが印象的でした。
 3日目の演奏会は、DCHで中継されます。この機会に、ぜひライヴ中継をご覧ください。なお、アーカイブ映像は、5月25日(水曜日)夜8時よりアップされる予定となっています。
 また、こちらから5月19日のリハーサルの模様が無料でご覧いただけます。(写真:(c) Peter Adamik / Berliner Philharmoniker)

放送日時:5月23日(月)午前3時(日本時間・生中継)

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ティーレマンのオール・シュトラウス・プログラム
(2011年5月7日)

【演奏曲目】
R・シュトラウス:
《ウィーン市の祝典曲》
歌劇《アラベラ》より第3幕への前奏曲、〈あなたは私と結婚なさりたいとか?〉
オーケストラ歌曲集:〈たそがれの夢〉Op. 29-1、〈賛歌〉Op. 33-3、〈夜想曲〉Op. 44-1、〈アポロの女神の歌〉Op. 33-2、〈巡礼者の朝の歌〉Op. 33-4、〈冬の愛〉Op. 48-5、〈森の喜び〉Op. 49-1
祝典前奏曲Op.61

ソプラノ:ルネ・フレミング
バリトン:トーマス・ハンプソン
指揮:クリスティアン・ティーレマン


 クリスティアン・ティーレマンは、リヒャルト・シュトラウスのスペシャリストとして広く知られています。今回の中継は、その資質が満喫できるオール・シュトラウス・プロ。演奏機会の極めて稀な《ウィーン市の祝典曲》と《祝典前奏曲》に挟まれて、オペラ《アラベラ》の抜粋とオーケストラ歌曲が演奏されます。
 ティーレマンは、ベルリン・ドイツ・オペラやメット、バーデン・バーデン祝祭劇場で《ばらの騎士》、《影のない女》、《エレクトラ》を指揮して絶賛されましたが、《アラベラ》も得意の演目。メットでの上演は、DVDとしても発売されています。今回の演奏会では、アメリカを代表する2人の名歌手、ルネ・フレミングとトーマス・ハンプソンがソロを務めます。フレミングはシュトラウス歌手としてすでに定着した存在ですが、美声で容姿端麗の名アラベラとして大人気。またハンプソンも、パリ・シャトレ座等でマンドリカを歌って、高い評価を獲得しています。

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恒例のアバド凱旋コンサート。今年はポリーニが登場
(2011年5月15日)

【演奏曲目】
モーツァルト:コンサート・アリア《あなたに明かしたい、おお神よ》 K. 418
モーツァルト:歌劇《魔笛》より〈愛の喜びは露と消え〉
ベルク:《ルル》組曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番ト長調 KV. 453
マーラー:交響曲第10番より〈アダージョ〉(クック版)

ピアノ:マウリツィオ・ポリーニ
ソプラノ:アンナ・プロハスカ
指揮:クラウディオ・アバド


 すでに恒例となっている、春のアバドの凱旋コンサートです。毎年趣向を凝らしたプログラミングが話題ですが、今回はポリーニとの共演が目玉と言えるでしょう。両者は青年時代から共演を重ね、お互いのキャリアに影響を与え続けてきた間柄。ベルリン・フィルでも、数限りないコンサートを行ない、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集も録音しています。しかし今回取り上げるモーツァルトの「ピアノ協奏曲第17番」は、意外にもベルリン・フィルでは初めての演目となります。
 アバドにとって初めての曲目と言えば、マーラーの「交響曲第10番」もベルリン・フィルではデビューとなります。彼はマーラー指揮者として名声を博し、当団でほぼすべての交響曲を取り上げてきました。しかしこの作品だけは例外で、今回ようやく円環が閉じることになります。
一方、《ルル》組曲は、マーラーを賛美したベルク晩年のオペラからの抜粋。作品の中核となる音列は、ルル役のソプラノによって歌われますが、今回登場するプロハスカは、ベルリン国立歌劇場の若手スター。彼女は、超絶高音がきらめくモーツァルトのコンサート・アリア《あなたに明かしたい、おお神よ》でも、美声を聴かせます。

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 読者アンケート:ベスト・マーラー録音はこれだ 結果発表!

レニー強し!すべての曲目でランクインしているのは、やっぱりバーンスタイン

 第38号から約1ヵ月にわたって実施しました読者アンケート「ベスト・マーラー録音はこれだ」の結果を発表いたします。応募総数は104通。ご協力いただきました読者の皆様に深く感謝いたします。
 さて、各曲のベストに選ばれたのは、以下の録音です:

第1番:ワルター/コロンビア響(19票)
第2番:メータ/ウィーン・フィル(15票)
第3番:バーンスタイン/ニューヨーク・フィル〔DG〕(16票)
第4番:アバド/ウィーン・フィル(15票)
第5番:バーンスタイン/ウィーン・フィル(18票)
第6番:テンシュテット/ロンドン・フィル〔1991年ライヴ〕(16票)
第7番:クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管(13票)
第8番:ショルティ/シカゴ響(23票)
第9番:バーンスタイン/ベルリン・フィル(19票)
第10番:ラトル/ベルリン・フィル(30票)
大地の歌:クレンペラー/フィルハーモニア管(21票)

 これは批評家によるランキングとほぼ一致する、非常にスタンダードな選択と言えるでしょう。その意味で予想可能なものですが、個々の曲の選択と投票数を見ると、現在のファンの嗜好が感じられます。以下、各曲のランキングと分析、コメントを列挙してゆきます。

【交響曲第1番】
有効票数:103
挙げられたタイトル数:36
@ワルター/コロンビア響(19票)
Aテンシュテット/シカゴ響(11票)
Bバーンスタイン/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(9票)
次点:小澤征爾/ボストン響〔1977年DG〕(5票)、アバド/シカゴ響(4票)、ティルソン=トーマス/サンフランシスコ響(4票)

 人気曲だけに挙げられたタイトルは36とバラエティが広く、様々な録音が聴かれていることが分かりますが、得票数はワルター盤が圧倒的。4位以下は1〜5票とまんべんなく平均的に得点しているようです。「ワルターはマーラー・ファンなら一度は聴いておきたい必携の一枚。他は好みで楽しむ百花繚乱の世界」といったところでしょうか。若き小澤(DG)に票が入っていることにも、ファンの見事な見識が感じられます。

「(ワルターは)何も言うことのない歴史的名盤。当盤でマーラーの毒にはまった。これなくしてマーラー演奏も《巨人》も始まらない」(マラマラアルゾー様)

【交響曲第2番】
有効票数:99
挙げられたタイトル数:33
@メータ/ウィーン・フィル(15票)
Aバーンスタイン/ニューヨーク・フィル〔DG〕(13票)
Bラトル/ベルリン・フィル(7票)
次点:小澤征爾/サイトウ・キネン管(6票)、アバド/シカゴ響(6票)、テンシュテット/ロンドン・フィル〔1989年ライヴ〕(5票)

 メータのウィーン・フィル盤が、バーンスタインの新盤(DG)と競り合って勝利を収めています。これは予想可能な選択ですが、3位以下はなかなか面白い展開。繊細にまとめたラトル/ベルリン・フィルの最新録音が好評であるのと、テンシュテットの複数録音が人気を集めています。この両盤(テンシュテットのライヴは2010年発売)が、近年リスナーに強い印象を与えた代表盤、と言えるでしょう。

「第2番のラトルは、私も昨年10月30日に現地フィルハーモニーにて聴きましたが、感動のあまり終楽章コーダでは涙ボロボロ。そして終演後は、身動き出来ませんでした」(田村博様)

【交響曲第3番】
有効票数:104
挙げられたタイトル数:34
@バーンスタイン/ニューヨーク・フィル〔DG〕(16票)
Aアバド/ウィーン・フィル(9票)
Bマーツァル/チェコ・フィル(8票)
次点:ハイティンク/ベルリン・フィル(7票)、ハイティンク/シカゴ響(6票)、ベルティーニ/ケルン放送響(6票)

 第1、2位が予想される結果の一方、第3位にマーツァル盤が入っていることに好感を覚えます。一方ハイティンクはこの曲で一致した評価を獲得しており、2006年のシカゴ響盤にも多くの点が入っています。その一方でヤンソンス/ロイヤル・コンセルトヘボウ、アバド/ルツェルン祝祭管(DVD)、インバル/東京都響、ティルソン=トーマス/サンフランシスコ響等の最新録音は、共に3票で大きな伸びを見せていません。

「ハイティンクの第3番は、この中庸の指揮者の到達点を示すもの。シカゴ響の冷めた響きからも、常に暖かな叙情が注ぎ込まれた演奏だ」(正統的ラトル・ファン様)

【交響曲第4番】
有効票数:104
挙げられたタイトル数:39
@アバド/ウィーン・フィル(15票)
Aバーンスタイン/ニューヨーク・フィル〔CBS〕(10票)
Bカラヤン/ベルリン・フィル(6票)
次点:ティルソン=トーマス/サンフランシスコ響(5票)、ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウ管〔ライヴ〕(5票)、セル/クリーヴランド管(4票)

 第1番と同じくタイトル数39と幅広いディスクが選ばれていますが、圧倒的な得票を示すのはアバドのみとなっています。この盤では、可憐なシュターデのソロも大好評。またバーンスタインは、宇野功芳氏が特に薦める盤です。その意見に共感される方も。多かったのではないでしょうか。カラヤン盤は美を極めた演奏として名高いもの。新しいものでは、ティルソン=トーマスとハイティンクのSACD盤が人気を集めています。

「アバドの第4番は、マーラーリアンのアバドの最高傑作。ヘッツェルのヴァイオリンも美しい」(CRASH様)

【交響曲第5番】
有効票数:102
挙げられたタイトル数:25
@バーンスタイン/ウィーン・フィル〔DG〕(18票)
Aカラヤン/ベルリン・フィル(13票)
Bテンシュテット/ロンドン・フィル〔1988年ライヴ〕(8票)
Bバルビローリ/ニュー・フィルハーモニア管(8票)
次点:レヴァイン/フィラデルフィア管(6票)

 この作品は人気曲ですが、挙げられたタイトル数は25とかなり少なくなっています。第1位から第3位までがスタンダードであり、その評価はゆるぎない、ということでしょうか。その反面、新しい録音は伸びずに終わっています。この曲については、カラヤン盤への評価が高いのも特徴。また通に愛好者の多いレヴァインが、次点で登場しています。「今振り返って聴いてみると、なかなか立派」というのが、この(やや過小評価されている)指揮者の録音の特徴(?)かもしれません。

「バーンスタイン晩年の尋常ならざる恐るべき演奏。言葉を失いました。賛否はあろうかと思いますが、ここまでやれる確信に敬意です」(小林岳史様)

【交響曲第6番】
有効票数:104
挙げられたタイトル数:38
@テンシュテット/ロンドン・フィル〔1991年ライヴ〕(16票)
Aバーンスタイン/ウィーン・フィル〔DG〕(8票)
Bアバド/ベルリン・フィル(7票)
Bショルティ/シカゴ響(7票)
Bブーレーズ/ウィーン・フィル(7票)
次点:カラヤン/ベルリン・フィル(6票)

 テンシュテットの圧勝。このアンケートで繰り返し登場し、根強い人気を感じさせたのがバーンスタインとテンシュテットでしたが、とりわけ晩年の当盤は、彼への高い評価を裏付けています。解釈としては正反対のアバドやブーレーズが、3位につけている点にも注目。マーラー・ブームの火付け役、ショルティがランクインしているのも頼もしいところです。次点のカラヤンも、独自の個性が感じられる、とコメントされています。

「テンシュテットのライブは、バーンスタインとは違い、情念が過剰なまで溢れながらも求心的で全体像がくっきりしている。豪快ながらも繊細、統制されていながらも自由、ドイツ人の特徴か」(奥村博史様)

【交響曲第7番】
有効票数:103
挙げられたタイトル数:27
@クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管(13票)
Aバーンスタイン/ニューヨーク・フィル〔DG〕(11票)
Bテンシュテット/ロンドン・フィル〔1993年ライヴ〕(10票)
Bラトル/バーミンガム市響(10票)
次点:ショルティ/シカゴ響(8票)、ブーレーズ/クリーヴランド管(7票)、アバド/ベルリン・フィル(6票)、ティルソン=トーマス/サンフランシスコ響(6票)

 泣く子も黙るクレンペラー盤がトップであることに、驚く人はないでしょう。興味深いのは、挙げられたタイトル数が少ないなかで、様々な録音がまとまった点数を集めていること。ラトルは昔からこの曲が得意で、バーミンガム盤のランクインも当然と思われます。また第7番は、21世紀に入ってから面白い録音が続出していますが、アバドやティルソン・トーマスは健闘しているものの、ジンマンやバレンボイム等は2票のみで終わっています。

「第7番は、最近世に出たケーゲルの日本ライブもいいし、クレンペラー翁の怪演も迷ったが、テンシュテットの、燃焼度の高さで聴き手を熱くさせてくれるライブを選んだ(などと言っているが、実はもっとも聴く頻度が高いのは、朝比奈先生の八方破れのライブだったりする)」(秋山昌秋様)

【交響曲第8番】
有効票数:103
挙げられたタイトル数:25
@ショルティ/シカゴ響(23票)
Aバーンスタイン/ウィーン・フィル〔DG〕(14票)
Bティルソン=トーマス/サンフランシスコ響(8票)
次点:テンシュテット/ロンドン・フィル〔1986年スタジオ〕(5票)、ブーレーズ/ベルリン・シュターツカペレ(5票)、ベルティーニ/ケルン放送響(5票)、アバド/ベルリン・フィル(5票)、ラトル/バーンガム市響(5票)

 予想通り、ショルティが他を圧倒しています。この曲ばかりは、彼の解放的な音楽作りが祝祭的な雰囲気とマッチして、ゴージャスな音響世界を作り上げている、ということでしょうか。バーンスタインも燃焼度の高さが売り物ですが、近年は瑞々しさを感じさせる演奏も好まれているようです。ティルソン=トーマス盤は、演奏の精度と録音の克明さが勝因。ブーレーズ盤も含めて、昔ながらの壮麗さと新しい美学の両ベクトルが同居しています。

「(ティルソン=トーマス盤は、)神秘の合唱で、女声が全合奏の合間に残る。続く全合奏。圧倒的な譜の読み込みと表現力」(としちゃん様)

【交響曲第9番】
有効票数:103
挙げられたタイトル数:24
@バーンスタイン/ベルリン・フィル(19票)
Aカラヤン/ベルリン・フィル〔1982年ライヴ〕(17票)
Bジュリーニ/シカゴ響(10票)
次点:アバド/ベルリン・フィル(9票)、バーンスタイン/ロイヤル・コンセルトヘボウ管(9票)、バルビローリ/ベルリン・フィル(9票)

 予想通り、バーンスタインとカラヤンが接戦を繰り広げ、バーンスタインが僅差で勝利しています。このふたりが第1グループだとすると、第3位以下の4盤が第2グループを成していると言えます。その他の録音は、ほどんど1〜2票しか得点していません。興味深いのは、アバド盤の旧盤(ウィーン・フィル)がまったく得票しなかったのに対し、バーンスタインのアムステルダム盤が堂々9票獲得している点です。とはいうものの、皆さんは「1枚だけ挙げろ、というのはもったいなすぎる」というのが本音のようでした。

「正直な話、1枚だけに絞るのは無理だと思う。カラヤン盤以外にも、バーンスタインの2種、アバド、ワルター、バルビローリ、ジュリーニ、ショルティといった大物から、変わったところではマデルナ、ホーレンシュタインといった、あまり語られないものまで、名演が一杯である」(石橋正樹様)

【交響曲第10番】
有効票数:98
挙げられたタイトル数:30
@ラトル/ベルリン・フィル〔クック版〕(30票)
Aハーディング/ウィーン・フィル〔クック版〕(8票)
Bアバド/ウィーン・フィル〔アダージョのみ〕(6票)
次点:ギーレン/SWR響〔クック版〕(5票)、バーンスタイン/ウィーン・フィル〔アダージョのみ〕(5票)

 ラトルが他を引き離しての圧倒的な勝利を見せています。第2位のハーディングや次点のギーレンまで、クック版が多いのは、聴き手が「この作品を完成版で聴きたい」と感じていることの表われであるように思われます。マーラーは作品数が少ない作曲家なので、それも当然です。しかし最近は、ティルソン=トーマスやブーレーズのように、補筆版を拒否する指揮者も少なくありません。そういえば、映画『マーラー 君に捧げるアダージョ』でも、第1楽章のみが扱われていました。

「第10番は演奏自体もさることながら、現時点で最良の補筆版はマゼッティ版第1稿と考えるので、これ(スラトキン・セントルイス響盤)を選んだ」(村井翔様)

【大地の歌】
有効票数:101
挙げられたタイトル数:24
@クレンペラー/フィルハーモニア管(21票)
Aワルター/ウィーン・フィル〔1952年スタジオ〕(20票)
Bバーンスタイン/ウィーン・フィル(10票)
次点:ブーレーズ/ウィーン・フィル(7票)、ジュリーニ/ベルリン・フィル(6票)、ジュリーニ/ウィーン・フィル(5票)

 こちらも予想通りクレンペラーとワルターの一騎打ち。結果的に第1位はクレンペラーですが、これは本当に好みの問題でしょう(要するに両方とも素晴らしい!)。バーンスタイン盤は、F=ディースカウによるバリトン版ながら内容の濃さで堂々第3位。またジュリーニがウィーンとベルリンの両方でつけており、この曲への適性を印象付けています。ジュリーニ/ベルリン・フィル盤は廃盤となって久しいですが、復刻に期待したいところです。ブーレーズが健闘しているのは、なかなか驚きです。

「一番初めにマーラーの曲を聴いたのが、クレンペラーの《大地の歌》でした。ヴンダーリヒの驚異的な歌声に、本当に感動しました.今でも月に一回くらいは聴き返しています」(Tuby様)

【総評】
 集計していて強く感じたのは、やはりバーンスタインの人気は根強いということです。すべての曲に、必ず彼の名前がランクインしています。今日市場は新録音で溢れており、マーラーの演奏も透明感に溢れたもの、分析的なものと、伝統的(=バーンスタイン風のユダヤ的な粘着質な)解釈からは離脱したものが定着しています。それでもバーンスタインが強い支持を得ているのは、彼こそがマーラーという作曲家を真に世に知らしめた存在であるからではないでしょうか。ある意味で、我々はいまだにマーラーをレニーと同一視しているのだと思われます。ひょっとすると、指揮者としてのバーンスタインの最大の功績は、この点にあるのかもしれません。
 プレゼントですが、当選者の方に直接Eメールにてご連絡差し上げます。皆様にご協力いただき、どうもありがとうございました。重ねて御礼申し上げます!

 デジタル・コンサートホール(DCH)について

 デジタル・コンサートホール(DCH)は、ベルリン・フィルの演奏会がインターネットでご覧いただける最新の配信サービスです。高画質カメラにより収録されたベルリン・フィルのほぼ全てのシンフォニー・コンサートが、ハイビジョン映像で中継されます。演奏会の生中継のほか、アーカイヴ映像がオンディマンドでいつでも再生可能。さらにベルリン・フィルに関係したドキュメンタリーなども鑑賞できます。
 ご利用いただくにあたって、特別なインターネットの回線は必要ありません。3種類の画像レベルがあり、2.5Mbps以上の回線をお持ちの方は、ハイビジョンの映像もお楽しみいただけます。音質もCDに迫る高音質を実現し、年間30回にわたる定期演奏会がリアルな音で体感できます。
 料金は「24時間券」(9.90ユーロ。約1,100円)、「30日券」(29ユーロ。約3,200円)、「12ヶ月券」(149ユーロ。約16,650円の3種類。以上のパスで、有効期間中すべての演奏会の映像(過去2シーズンのアーカイヴ映像を含む)が無制限にご覧いただけます。なお、26歳までの学生・生徒の方には、30%の学割が適用されます。 あなたもぜひ、www.digitalconcerthall.comで、ベルリン・フィルの「今」を体験してください。

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次号の「ベルリン・フィル・ラウンジ」は、2011年5月31日(火)発行を予定しています。

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