【インタビュー】オワリカラ【オリ特】

ROCK NEXT STANDARD

2011年5月6日 (金)

interview

オワリカラ


--- 前作『ドアたち』をリリースしてからわずか9ヶ月でのリリース!まずはなぜこのタイミングで発売しようとおもったのでしょう?

タカハシヒョウリ:とにかく早く聴いてほしい曲がそろったからです。

--- 製作自体はいつ頃からとりかかっていたのですか?

タカハシヒョウリ:このアルバムに入ってる曲は、前のヤツ『ドアたち』のリリース後のツアー最中に作り出した曲が軸になってる感じです。曲は9月くらいから見えてきて、レコーディングは2月。

--- 作曲活動と言っても、常にツアーをまわってる感じが・・・。いったいいつ楽曲をつくってるのでしょう??

タカハシヒョウリ:いや、本当ツアーの最中なんです!
今回は「人に会いに行く、音楽を聴かせにいくツアー」っていう状況も、すごく影響があったと思います。
”swing”というオープニングナンバーが最初に出来たんですが、これはツアーの岡山でリハの最中に全部の楽器が同時にジャーン!と頭の中で鳴り始めて、「えらいこっちゃ!」とすぐに作り出したのが始まりでした。
最後の“船”って曲は、ツアーで青森から北海道に渡る船の中で書きました。曲作りマニアなので…
でも曲作りとか録音は永遠と対峙するもので、ライブは瞬間と対峙するものだから、自分の中では別物なんです。

--- 今回の作品を聴かせてもらいました、まずは最高にかっこいい!そしてエッヂか効いてる!アルバム製作でコンセプト的なものや意識したことはありますか?

タカハシヒョウリ:とにかく、スピーカーの前の人につきささる!!!!です。
それは攻撃的な意味でもそうだし、オワリカラが聴いている人の世界に一歩踏み出していくこと。
今のオワリカラのコアって、強力なビートと、言葉や歌っていう人間の部分だと思います。そこが研ぎ澄まされて、裸で、ダイレクトに届いて、突き刺さっちゃって世界が変わってしまうかも!という思いで作りました。
それは聴いてもらえば、最初の3秒で伝わるんじゃないかと思ってます。

--- 「イギーポップと賛美歌」というあたかも相反するような2つの言葉。どんな思いでこのタイトルをつけたのでしょう?

タカハシヒョウリ:僕にとってはイギー・ポップも讃美歌も、「祈り」だからです。

--- 8と約1/2はフェリーニから来てますか?前回はマンガに引き続き、映画にも造詣が深い?というわけで、お気に入りの映画があれば教えてください。

タカハシヒョウリ:8と約1/2は、フェリー二の『81/2』から取りました。曖昧な物を、もっと曖昧にしてやろう!、という魂胆です。
好きな映画はたくさんあるけど、市川崑監督の金田一耕助シリーズは邦画の最高峰だと思います!
特に『悪魔の手毬歌』!

--- そして前回に引き続き、最近気になるマンガがあれば教えてください。

タカハシヒョウリ:オススメしたいのは、諸星大二郎先生です!僕の心には、諸星大二郎先生が燦然と輝いています!いよいよ後光がさしてますね、今。
シリアスな妖怪ハンターシリーズ、マッドメンシリーズなんかも絶対オススメで何文字でも書けますが、諸星ワールドのエントランスとしてはネムキという少女向けのホラー雑誌に連載していた「栞と紙魚子シリーズ」が入りやすいと思います。
胃の頭町という架空の町を舞台に、主人公の女子高生、栞と紙魚子に、家ぐらいある大きさの顔を持つ邪神の奥さんと旦那のミステリー小説家、恋人を殺して詩を書く女流ストーカー詩人、人間のおっさんに変身して古物商を営む猫、そこら中に繁殖しているムルムルという変な生き物、妖怪、その他怪異諸々が、特に大事件もなく暮らしているという、すごく変なマンガです。
すごい奇妙なことが起きるのに、「あー変だねー、でさー…」とサラッと流す独特のムードが大好きです。本当に諸星先生じゃないと描けない世界だと思います。
どういうわけか若い人にあんまり認知されてないけど、彼の世界は一度入れば、その深さと広さに夢中になるはずです。本当にどれ読んでも独特です。
今回、アルバムに入ってる『夢見る機械』も、諸星大二郎先生の作品『夢みる機械』からタイトルをもらいました。内容はちょっと関係ないけど…

--- 相変わらず、怒涛のライブ漬けの毎日です。正直“ちょっと疲れた・・・”と思うことはあったりするのでしょうか??

タカハシヒョウリ:ライブって、やはり瞬間のやりとりだから、一瞬一瞬変化していくものです。
だからこそ、その場にいることに価値があるし、例えば60年代のロックバンドには絶対できないことだから。
その変化の中で、100回に1回くらい、演奏してもまったくからっぽみたいになって、何もできない!と思う時があります。音楽聴きたくもねー!みたいな。そんなのプロじゃない!って言われそうですが、本質は仕事じゃないから。
でも、なんか不思議なんですけど、そういう時でもスッと入ってくる音楽や言葉があるんです。音楽の懐の広さを思い出します。
そういうのをきっかけにますます音楽好きになりますよ。
音楽以上に興奮できるものを、僕は知らないのだなー、と思います。

--- それでは最後にHMV ONLINEをごらんのみなさんに一言お願いします。

タカハシヒョウリ:僕たち、すごく誇りに思ってるレコードです。
あとは、あなたのベスト・スウィート・レコードになれば完璧!
聴いてください。

--- ご協力ありがとうございました!

 


 

 

 

  • 商品ページへ

  •  イギー・ポップと讃美歌 / オワリカラ
    2011年05月11日発売

    2010年LIVE本数100本以上!圧倒的なLIVEパフォーマンスで観た人すべてを虜にする規格外の新世代ロックバンド。鋭角に突き刺さるギターの金属音にタイトなリズム隊が刻むダンスビートはなかなか刺激的。

    オリ特決定!

    HMV ONLINE / MOBILE オリジナル特典:応募抽選でサイン入りポスターを3名様にプレゼント!
    購入対象期間 ( 2011/5/11〜2011/6/12 ※5/11以前にご予約の方も対象となります)
    応募対象期間 ( 2011/5/11〜2011/6/18)


【オワリカラ】
あなたのハートに火をつける最先端の4人組ロックバンド。
2008年春のライヴ活動開始以降、年間100本の凄絶なステージで時代の注目を集める。 自主制作でリリースされたデモシリーズは、2000枚以上を売り上げて全てソールドアウト。 自らの企画ライヴでは、早川義夫、あがた森魚、三上寛ら偉大なる先人を迎えて競演。

2010年5月には、10日間のカナダツアーを敢行。初の海外で大きな反響を得る。 同年7月7日、タカハシヒョウリがコンピレーションアルバム『TOKYO NEW WAVE 2010』を監修。 トーキョーオルタナティヴシーンの新世代が一同に会したライヴイベントも開催された。

2010年夏。 8月4日に初の公式盤、1stアルバム『ドアたち』を自らのレーベル「yourdoor/SMALLER RECORDINGS」からリリース。 初のワンマンライヴ(新宿MARZ)を皮切りに、12月3日のShibuya O-WESTツアーファイナルワンマンまで、 4ヶ月全国50ヶ所の「ドアたち」ツアーを繰り広げる。

そして2011年5月11日、2ndアルバム『イギー・ポップと讃美歌』をリリース! リリース直前の“ゼットンとガイガン”ツアーに続いて、3会場×3日間×3マンというアグレッシヴな内容の“建国のスリーデイズ” さらに6月からはアルバム発売を受けて“イギー・ポップと讃美歌”ツアーがスタート!

2011年のオワリカラは、奇跡的に、つきささる。