『悪人』 3.18リリース！

2011年4月5日 (火)

吉田修一『パレード』×李相日『フラガール』×久石譲『おくりびと』　妻夫木聡が出演を切望！「悪人」に魅せられた実力派豪華キャストが集結！

「悪人」は、毎日出版文化賞、大佛次郎賞をダブル受賞し、ベストセラーとなった芥川賞作家・吉田修一の最高傑作。この原作本の映画化権をめぐって激しい争奪戦となり、その監督の座は務めることになったのは『フラガール』で日本アカデミー賞最優秀作品賞など各賞を総ナメにした李相日。本作は、原作者である吉田自身が李監督と共に初めて脚本を手掛けている。さらに音楽には、巨匠・久石譲によるサウンドトラックと、各分野で第一線で活躍するスタッフ陣たちによって最強のバックアップ体制。

主演は、大河ドラマ「天地人」などで今や国民的俳優となった妻夫木聡。ヒロイン役に年齢・性別を超えた人気を誇る演技派女優の深津絵里。その他、岡田将生、満島ひかり、柄本明、樹木希林といった実力派豪華キャストが集結し、最強で最高の感動巨編が誕生した。

深津絵里モントリオール映画祭で最優秀女優賞受賞！

モントリオール世界映画祭は1977年から毎年、カナダのモントリオールで開かれている国際映画祭。今回の深津絵里の受賞は、1983年に三村晴彦監督『天城越え』で田中裕子が最優秀女優賞を受賞して以来の27年ぶりの快挙！99年には、降旗康男監督『鉄道員（ぽっぽや）』で高倉健が主演男優賞に輝いた。また、最優秀作品賞にあたるグランプリには、2006年に奥田瑛二監督の『長い散歩』が、08年に滝田洋二郎監督の『おくりびと』がそれぞれ受賞。『おくりびと』は翌年の米アカデミー賞外国語映画賞にも選ばれた。そして、昨年の第33回では、根岸吉太郎監督が『ヴィヨンの妻～桜桃とタンポポ～』で最優秀監督賞を受賞している。

「役者、妻夫木」のリアルなドキュメンタリー！！

大河ドラマ「天地人」で一躍国民的人気になった妻夫木聡が「天地人」直後の作品として自ら選んだ意欲作、『悪人』のスペシャルメイキングDVD。「悪人」になるための役作りに苦悩しつつも確実に掴んでいく、「役者、妻夫木」のリアルなドキュメンタリー！映画予告編、特報も収録！

『妻夫木聡が悪人だったあの2ヶ月』

吉田修一×束芋コラボレーションアートブック！

2006年3月24日から2007年1月29日まで、朝日新聞で吉田修一の文章と束芋の挿絵によるコラボレーションがアートブックに！この発売を記念した束芋の個展「ててて」が小柳ギャラリーで開催されていたが、原作を読んだ後、この本を捲っていくと、『悪人』のまた違う側面が浮かび上がってくる。とても素晴らしい丁寧に作られたアートブックなので、原作「悪人」に、映画『悪人』に魅せられた方には、ぜひ手に取って頂きたい1冊。

『束芋: 惡人』

『スペシャル・エディション』、『Blu-ray』は、【初回限定】封入特典「ポストカードセット」＆『悪人』の全てがわかる！100分を超える豪華特典ディスク付き

『悪人：スペシャル・エディション（2枚組）』

【初回限定封入特典】ポストカードセット
※豪華アウターケース付き

【本編ディスク】本編139分　
■予告、特報、TVスポット集

【特典ディスク】 『悪人』の全てがわかる！100分を超える豪華特典ディスク付き

【映像特典】（仮）
ドキュメント・悪人『消えた56分生まれた2分』
モントリオール世界映画祭での受賞を皮切りに、日本国内の映画各賞を総なめにしている『悪人』。その製作においては、脚本・撮影・編集と膨大なる試行錯誤が繰り返されていた。その過程で、56分にのぼるカットシーンおよび、脚本には存在しなかった新たな2分の追加シーンがあった。未公開シーンを大胆に公開しながら、なぜそれらのシーンは消えたのか、そして新たなシーンはなぜ生まれたのかを検証する。主演・妻夫木聡、監督・李相日、脚本も手掛けた原作者・吉田修一、編集・今井剛、プロデューサー・仁平知世、川村元気のインタビューから映画『悪人』誕生の裏側に秘められた壮絶なトライアンドエラーに迫るメイキング・ドキュメンタリー。

密着！第34回モントリオール世界映画祭
深津絵里が最優秀女優賞を受賞した映画祭の模様を収録！

妻夫木聡が語る『悪人』の全て
映画公開時に放映された特番。妻夫木聡と李相日監督が九州料理を囲んで本音トーク、『悪人』の見どころや撮影の舞台裏も徹底解説。

妻夫木聡×李相日本音ロングトーク
特番ではカットされた二人の秘蔵トークをDVDで特別公開。

イベント映像集
製作報告会見、完成披露試写会、初日舞台挨拶の模様を収録。　

『悪人： Blu-ray（特典DVD付2枚組）』

【初回限定封入特典】ポストカードセット
※豪華アウターケース付き

Blu-ray（本編ディスク）＋DVD（特典ディスク）　

【本編ディスク】本編139分　
■予告、特報、TVスポット集

【特典ディスク】 『悪人』の全てがわかる！100分を超える豪華特典ディスク付き

※特典ディスクは『スペシャル・エディション』の特典ディスクと共通です。

『悪人：スタンダード・エディション： DVD』

【本編ディスク】本編139分　
■予告、特報、TVスポット集

※『スペシャル・エディション』の本編ディスクと共通です。

※内容はすべて予定です。商品仕様・特典等は変更になる場合がありますので予めご了承下さい。

STORY

なぜ、殺したのか。なぜ、愛したのか。

土木作業員の清水祐一は、恋人も友人もなく、祖父母の面倒をみながら暮らしていた。馬込光代は、妹と2人で暮らすアパートと職場の往復だけの退屈な毎日を送っていた。孤独な魂を抱えた2人は偶然出会い、刹那的な愛にその身を焦がす。しかし、祐一は連日ニュースを賑わせていた殺人事件の犯人だった――。光代はそんな祐一の自首を引き止め、祐一と共に絶望的な逃避行へと向かう。やがてその逃避行の波紋は被害者の家族、加害者の家族の人生をも飲み込んでいく。なぜ祐一は人を殺したのか？　なぜ光代は殺人者を愛したのか？引き裂かれた家族の運命はどうなるのか？そして、いったい誰が本当の“悪人”なのか？

STAFF＆CAST

原作・脚本：吉田修一
監督・脚本：李相日

音楽：久石譲
美術監督：種田陽平

妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、柄本明、樹木希林

© 2010「悪人」製作委員会

『悪人』公開に寄せて･･･

今まで一度も妻夫木聡氏にぴんと来たことがなかったが、本人が自ら熱望した役に挑んだという『悪人』の彼はいつもと全く違っていた。炭水化物摂取を控え、体重制限を課し、絞られた身体に、人生初という金髪。そしてまず、あの笑顔がないのだ。いつも少し子供っぽい印象があって、男としての性的な魅力を感じたことはなかったけれど、ここにいる彼は佇まいさえも成熟して見えた。何かの要素が著しく欠如し、無言の表情から滲み出てくる孤独や複雑な感情が全身から発せられていたのだろう。特に深津絵里氏とのシーンにはそれが溢れていて、2人のセックスシーンは眩暈がするほど美しく、彼の人を抱き締めるその抱き締め方やキスの仕方、腰つきなどにぞくぞくし、肌の質感や滴る汗や吐息、喘ぎ声が熱量を帯びていて目を離すことが出来なかった。そして、あんなに可愛い深津氏も見たことがなかった。

観終えた後、もっと咀嚼し触れたくて原作も読んだが、本当の意味での“悪人”とは誰だろう･･･と、未だに釈然としない。どんな人間にも生み育ててくれた親がいる。だから、「人を殺す」という許されざる“聖域“に達したら当然、罰せられるわけだが、「本気で誰かに出会いたかった」と過去のトラウマを抱えながら強く願い、出会い続けた中での殺人。そして、その後にようやく出会えた彼らのあの笑顔やあんなにも愛おしく人を抱き締められる殺人者を目の当たりにしたら、何が善で悪かの境界線も曖昧にぼやけてくる。

いつまでも頭で考えてもわからないから、あの凍えそうな寒さの残る灯台で金髪の彼に一度、力強く抱き締めてもらい、その感触や感情を確かめてみたい。抱き締められてわかることが、女にはあるのだ。

TEXT: 長澤玲美