【インタビュー】LITE

ROCK NEXT STANDARD

2010年7月5日 (月)

interview

LITE

大胆にシンセを導入し、新たなレベルへと突入したLITE。そして今作のプロデューサーにジョン・マッケンタイアを迎えて制作!一体LITEはどこへ向かっているのか!?

--- 前作「Turns Red EP」ってシンセを大胆に導入して、LITEのターニングポイントになる作品だったと思うんだけど、新作を出すまでの間、リスナーからの評判や手応えってどうだったのかな?国内、海外問わず。

武田信幸(以下武田):まっぷたつに分かれた感じですね。大方良い反応や評価が多かったんですけど、海外からはたまに「Shit!」なんて反応もあったり。(笑)

--- じゃあ、今作の「Illuminate」では、そういうイマイチな反応だった一部のリスナーの評価を覆すことは間違いないね。実際この新作はその位のクオリティを持っていると思うし。

武田:確かに前作ってインプロ的な部分とか、ギターのパートも録音前まで敢えて決めないで録ったんですけど、今作はフレーズや構成までしっかりカチっと決めてから録っているんですよね。そういう部分ではもっと聴き易くなってると思うかな。

--- リード曲の「Image Game」とか構成がすごく緻密に練られているよね。

武田:そうですね。渡米する前からしっかり構成を固めてました。

--- この辺の新曲に構造くんのアイディアも入ってるの?

楠本構造(以下楠本):今回はギターってよりもシンセの方の意識が強くて。ギターが疎かだった訳では無いんだけど、半々くらいのウエイトを占めてましたね。自分としてはまだシンセの方が未熟な面があるから、そっち頑張っちゃいました。(笑)

--- なるほどね。(笑)

楠本:ギターも頑張りましたけど。(笑)どうしても、シンセの方に意識がいっちゃうんですよね。記憶に強く残ってるのは、シンセのフレーズを凄く苦労して考えたことだったりしますね。武田と二人でスタジオ入って曲を練ったりして。曲の同じところだけひたすら繰り返してフレーズ作ったり。

--- 修行のように。

武田:やったねー。でも、ここが前回からの反省点で。だから今作ではシンセの部分をもっとこだわって、突き詰めて作っていきたいって思って。

--- そうだね。前作のインタビューの時に既に武田君はその事に言及してたよ。シンセを分かってるリスナーにもっとアピール出来るようなサウンドにしたいって。今作ではその辺りはクリアできたんじゃないかな?

楠本:そうですね。今回、曲によってはSOMAスタジオのシンセを使わせてもらって。マッケンさんの。

--- マッケンさん。(笑)

楠本:マッケンタイアさんの。(笑)イケてるシンセを。

--- 新作のジョン・マッケンタイア/SOMAスタジオで録音って発想はどこからきたの?

武田:うちらは前作からシンセを導入してるので、シンセのサウンドに理解があり、そして更に良い作品を生み出せる人が適任だなと思って。録音エンジニアの人選をしてる時に、最初に思い浮かんだのがジョン・マッケンタイアだったんですよね。

--- でも、その時点ではまだダメモトってことだよね?

武田:はい。でもコンタクトとったらLITEの音を気に入ってくれて決まりましたね。俺らもトータスや、所謂シカゴ系を聴いていたし好きだったので。玄人好みなシンセサウンドとLITEのサウンドが合わさったらヤバいな、って想像してました。

--- 率直な意見としてレコーディングエンジニアとしてのジョン・マッケンタイアはどういう方なの?こっちが伝えたい事を汲んでくれるかんじ?

楠本:何でも要望に応えてくれますね。基本的に何でもYES。(笑)作業が早い。

武田:向こうからアイディアを出すってよりは、こっちが言った要望を的確に対応していくタイプかな。テープエコーなんかは彼が良い具合にかけてくれて。。

楠本:シンセに関してはこっちが希望すると、それに応えてジョン・マッケンタイアが色んな音を実際に出してくれましたね。

--- 彼は結構細かいタイプなのかな??

武田:基本的に細かいかな。繊細で神経質なタイプかも。。

--- SOMAスタジオといえば、伝説のトライデントの卓は使ったの?

武田:使ったと思う。多分。(笑)

--- ところで新作ってシンセのパートが多いけど、それは日本からMIDIデータとかで持っていったの?

武田:いや、現地で地道に手弾き。だから結構録音を重ねるのとか大変だったんですよね。俺の声とかも向こうで録ってから、一度サンプラーに入れて作業して。

楠本: 「100Million Rainbows」のシンセの音もサンプラーに入れてから、サンプラーをリアルタイムで叩いて演奏してました。(笑)

--- 案外、手作業多いね。(笑)そういえば、「Andromeda」って曲にその声が入ってるけど、LITEとしては意外だね。

武田:最初にもうこの曲の大枠が出来ていて、これで完成かなって思っていて。でも、後から何か足りないかなって思って。ストリングスをかぶせたんだけど、あまり上手くいかなくて。そこで声を楽器のように入れてみたら、上手くハマったんですよね。

--- じゃあ、今後は意味のある言葉を入れることもあるのかな?

武田:今後の可能性はあると思います。最近良い意味でこだわりが無くなってきてるから。今作の「Illuminate」に入ってる曲調も様々になってきたと思うし。

--- リスナー側もLITEの新しい路線を既に理解してると思うんだよね。でも、今作はその期待の更に上をいく出来だよね。前作を出して、LITEの持ってる可能性が飛躍的に伸びたと思うんだ。メンバーから出て来る発想も変わったと感じる?

武田:凄くアイディアが出るようになったかな。前はギターフレーズから作っていくしかなかったんだけど、今は無数の音から選んで広げていけるから、作曲方法が変わったと思いますね。

--- LITEって曲の産みの苦労が多いバンドだと思ってたんだけど。

楠本:まあ、今回も苦労はした。(笑)

--- 可能性は広がったけど、産みの苦労は変わってない。(笑)

楠本:正確には、可能性が広がったのは今作を作り終えてからなんで、作ってる時は凄く大変でしたね。

--- サンプラーやシンセを導入してから、曲を作る時ってそれらがある事を前提で作り始めるのかな?

武田:100%そういう訳ではなくて。それが不思議なとこなんだけど。(笑)バンドのジャムから作り始めることもあるし。まあ、発想がより自由になったんでしょうね。

--- 最近また増えた機材あるの?

武田:つい最近MIDIキーボード買いました。Macとつなげて。(笑)

--- じゃあ、やらしくソフトシンセ鳴らして。(笑) ライブではツインシンセになる場面もあるかも?

武田:あり得ますね。「100Million Rainbows」でそういうアレンジにするかも。

--- それ観たいなあ。ところで、今回の1曲目の「Drops」って武田くんのソロ曲だよね。ちょうど武田くんがLOGICを導入したころに会って、この曲を作ってるって話をしたと思うんだけど。

武田:最近一人でバンドとは切り離して曲を作ってて。今作ではインタールードみたいなのが欲しいねって話してて、ちょうどこの曲を1曲目に入れた感じ。

--- 新作を作ったばっかりで申し訳ないけど、今後のLITEの道筋はなんとなく見えてきたのかな?

武田:そうですね。できれば今年中にフルアルバムに取り掛かりたいなと。

--- え、早くない!?大丈夫?

一同:爆笑

楠本:一応、曲のネタもそこそこあるので、なんとか。

武田:あまり間を空けずにリリースしていきたいなと思って。前作の「Turns Red EP」で今までのLITEを壊して、今作で土台を固めて。今、次作でやるべき事が見えて来てるんですよね。新曲も自然に生まれてくる状態だし。

--- じゃあ、スタジオに入るのも楽しいね。

武田:そうなんですよ!ようやくそういう時期に差し掛かってきたなって。

楠本:長かったな〜。(笑)

武田:俺、最近思ってるんですけど、「Phantasia」までのLITEって衝動の爆発だったんですよ、ハードコアのように。そこに行き詰まりを感じてた時に、前作の「Turns Red EP」が出来て。この辺からだんだんアート感があるような、ミドルテンポの中にも凄く尖ってる要素を持った作品になってきたかなって。

--- 表面的ではなくて、曲の深い部分にある「狂気」をリスナーが受け入れてくれてるので、ほんとLITEファンの耳は肥えてると思うな。 じゃあ、最後に一言もらえるかな?

武田:最近いつも言ってるんだけど、前作〜今作って1枚単位で見るよりは、トータルで見て欲しいんですよね。バンドの成長の過程というか新しい事にチャレンジしたり、海外にツアーに行ってそれを糧にしてる様なんかを。

楠本:なるほど。(笑)

--- 今日はありがとうございました!
 

 

 

 



LITE

2003年結成、4人組インストロックバンド。2005年に1stミニアルバム「LITE」、2006 年に1stアルバム「filmlets」をリリースし、独自のプログレッシブで鋭角的なリフやリズムからなる、エモーショナルでスリリングな楽曲は瞬く間に話題となり、国内で注目を集め始める。その年に、1stミニアルバム、1stアルバムが、UKのインディーレーベル「TRANSDUCTION RECORDS」よりヨーロッパリリース、初のヨーロッパツアーを成功させる。2007年、LITEのサウンドに惚れ込んだアメリカ西海岸パンクのレジェンドのThe Minutemen, The StoogiesのベーシストのMike Wattより、SPLITリリースの指名を受け、Mike WattとThe Go! TeamのKaoriによるユニットFunanoriとのSPLIT「A Tiny Twofer」をリリース(日本・EU)し、その年のFUJI ROCK FESTIVAL 07への出演や、 2度目のヨーロッパツアーを行う。2008年5月に2ndアルバム「Phantasia」をリリース(日本・EU)し、国内外の大型フェスへの出演や、3度目のヨーロッパツアーを行う。そのイギリス・LEEDSで開催された音楽フェス"Brainwash Festival 2008"をライブREC、配信限定EP「LIVE IN LEEDS」をリリース。2009年にはMike Wattからのオファーで、バンドとして初となるUSツアーを行い、その初日のNEW YORK公演をライブREC、1 週間の最速スピードでiTunes Storeより配信限定EP「LIVE IN NEW YORK」をリリース。そして8月にはSUMMER SONIC 09に出演を果たすなど、認知、人気共に急上昇中のLITE。近年盛り上がりを見せているインスト界の中でも、最も注目すべき存在のひとつである。