豪華ゲスト大挙参加！大怪我から復帰したマイク・スターン最新アルバム

ランディ・ブレッカー、デニス・チェンバース、レニー・ホワイトら豪華ゲスト参加大怪我から復帰した名フュージョンギタリストマイク・スターン最新アルバム

2014年の前作『ECLECTIC』はエリック・ジョンソンとの双頭名義でリリースされたが、マイク・スターン単独名義では『All Over The Place』以来実に5年ぶりとなるニューアルバムが完成。

昨年7月、マンハッタンの自宅前でタクシーを降りたところで、隠れていて見えなかった建築物の破片につまずき両腕を折るという大事故にあったスターン。ヨーロッパツアーに出発するはずの日にそんな事故に遭い、ツアーはあえなくキャンセル。両腕を骨折しただけでなく、神経の損傷もおこし、右手でピックを持つことさえもできない状態にあった。

手術後の10月には、チック・コリアのブルーノート公演で見事カムバックを果たしたが、その時にはまだピックがきちんと持てず、ピックのついたベロクアの手袋を付けて演奏し、11月にはデイヴ・ウェックルとツアーに出た。

その後2回目の手術を経て、神経の状態はよくなってきたものの、右の指に糊でピックをくっつけてグリップに力の入る訓練を行ないながら、今年の1～3月にロング・アイランドのスピン・スタジオで通算17作目となる本作を録音した。

左から）マイク・スターンとランディ・ブレッカー

参加しているメンバーも、ランディ・ブレッカー(tp)、ウォレス・ルーニー(tp)、ボブ･フランセスチーニ(sax)、ビル・エヴァンス(sax)、ヴィクター・ウッテン(b)、トム・ケネディ(b)、デイヴ・ウェックル(ds)、デニス・チェンバース(ds)、レニー・ホワイト(ds)など超豪華。プロデュースは、1991年の『Odd or Evens』なども手掛けたピアニスト／キーボーディスト、ジム・ビアード。

本作では、”ポスト・マイルス系”のファンク～フュージョンともいえるリフのかっこいい「Trip」、「Screws」、「Watchacallit」、スウィンギーな「Half Crazy」、「Scotch Tape and Glue」、「B Train」、リリカルなバラード「Emilia」、「I Believe You」まで聴きどころ満載。

同じギタリストでもある夫人のレニ・スターンが2曲でゲスト参加し、西アフリカ伝統の弦楽器ンゴニを披露。ほか、バックヴォーカルでジオ・モレッティ、パーカッションでアルト・トゥンクボヤシアンとエル＝ハッジ・ファイ、そしてリヴィング・カラーのドラマー、ウィル・カルホーン、さらにベースのテイモア・フェルとエドモンド・ギルモアも参加している。

なお、「Screws」は、最初の手術で腕に入れた11個のネジことで、「Scotch Tape And Glue」はピックを指に付けるときに使っていた糊とセロテープを意味する。

収録曲

01． Trip
02． Blueprint
03． Half Crazy
04． Screws
05． Gone
06． Whatchacallit
07． Emilia
08． Hope For That
09． I Believe You
10． Scotch Tape And Glue
11． B Train

Mike Stern (g,vo)
Randy Brecker (tp on M1,2)
Jim Beard (p,org,key)
Dennis Chambers (ds on M1,2,6)
Tom Kennedy (b on M1,2,6)
Arto Tuncboyaciyan (per on M1,2,4,7,8)
Bob Franceschini (ts on M1,6)
Victor Wooten (b on M1)
Bill Evans (ts on M3,10)
Lenny White (ds on M3,4,10,11)
Teymur Phell (b on M3,7,8,11)
Wallace Roney (tp on M4,11)
Will Calhoun (ds on M5,9)
Edmond Gilmore (acoustic bass on M5)
Gio Moretti (vo on M7)
Leni Stern (n'ghoni on M7,9)
Dave Weckl (ds on M8)
Edmond Gilmore (b on M9)
Elhadji Alioune Faye (per on M10)