クリスマスを華やかに彩るフランスの薫り高い宗教音楽集
カミーユ・サン=サーンスがミサ曲作品4を作曲したのはまだ21歳の時でしたが、声楽においても器楽においてもこの若さでその腕前は経験豊かな作曲家のレベルでした。パリ音楽院では16歳でオルガンの1等賞を取るなど優秀な生徒で、その時から本気で作曲に取り組み始めました。このミサ曲の4つの声楽パートは、多くのフランスのゴシック様式の大聖堂からの譲渡により提供された2つのオルガン(大きいものと小さいもの)の印象深い組み合わせとぴったりと合っています。リストはこの作品が宗教的な性格においても技術的な習熟度においてもこのジャンルの同時代の作品の中で最も目立っていると断言しました。今回、1978年2月に長年オルガニストと合唱指揮を担当していたドナルド・ハントの指揮のもとウースター大聖堂聖歌隊によりデッカに録音されたものが再発売されます。
フランシス・プーランクは伝統的な音楽に対する不遜な態度とサン=サーンスよりもさらに深く、さらに敬虔なカトリック信仰とを併せ持つ独特な存在で、評論家のクロード・ロスタンから「聖職者とガキ大将が同居している」と評されました。こうしたことが彼の宗教作品で実を結び、いくつかの傑作を残しています。その一つ『クリスマスのための4つのモテット』が1973年4月、サイモン・プレストンが音楽監督として在任していた時にオックスフォード・クライストチャーチ聖歌隊により録音されました。
プーランクが人生の終盤に書いた『グローリア』もこのアルバムの楽しく、祝祭の華やいだテーマに合っている曲です。1982年から始まったデジタル録音が、スイス・ロマンド管弦楽団の本拠地でありクラシック・デッカの録音場所となったジュネーヴのヴィクトリア・ホールで行われました。そこではエルネスト・アンセルメの指揮で他の追随を許さない非常に多くのフランス音楽が録音されましたが、ここではローザンヌ室内管弦楽団の首席指揮者を1990年から10年務め、スイスのアンサンブルと揺るぎない関係をすでに築いていたヘスス・ロペス=コボスの指揮で録音されています。(輸入元情報)
【収録情報】
● プーランク:グローリア
シルヴィア・グリーンバーグ(ソプラノ)
ローザンヌ・プロ・アルテ合唱団
スイス・ロマンド放送合唱団
ヘスス・ロペス=コボス(指揮)
録音時期:1982年1月
録音場所:ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
● プーランク:クリスマスのための4つのモテット
オックスフォード・クライスト・チャーチ合唱団
サイモン・プレストン(指揮)
録音時期:1973年4月
録音場所:オックスフォード、マートン・カレッジ
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
● サン=サーンス:4声のミサ曲 Op.4
Simon Colston, treble
Anthony de Rivaz, countertenor
John Vickers, countertenor
Trevor Owen, tenor
Brian Harvye, bass
Roy Massey, grand orgue
Paul Trepte, petit orgue
ウースター大聖堂合唱団
ドナルド・ハント(指揮)
録音時期:1978年2月
録音場所:ウースター、ウースター大聖堂
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。