アトランティック〜スタックスで活躍し、70年に放った大ヒット曲「グルーヴ・ミー」でソウル史に名を残すキング・フロイドが、マラコ系列のチムニーヴィルに移籍し発表した作品。実は「グルーヴ・ミー」もマラコ・スタジオで録音しており、本作もあのメンフィス・ホーンズをはじめ旧スタックス関係のプロダクションを起用し、味わい深いスタックス風グルーヴが目白押し。JBからの影響色濃いファンキー・ソウル「アイ・フィール・ライク・ダイナマイト」を筆頭とした得意のグルーヴ系をはじめ、華麗なサウンドに酔いしれる「ムーヴィン・オン・ストロング」といったハイ・サウンド調からレゲエ・フレイヴァーの漂うものまで、サザン・ソウル低迷期に放った、南部の誇りに満ちた1枚。【1975年作品】

リリース当時R&B チャート2位、ポップ・チャート3位という特大ヒットを記録、メアリー・J・ブライジやモニカといったR&Bシンガーもカヴァーし、若い層からも絶大な人気を誇るサザン・ソウルの大名曲「ミスティ・ブルー」を収録した、ドロシー・ムーア70年代の最高傑作にして、70年代の南部産レディ・ソウルの頂点のひとつ。ジェイムズ・カーのカヴァーである「ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート」など、女王アレサ・フランクリンも引き合いに出されるほどの歌声の持ち主であり、アーシーでありながらメロウな肌触りがたまらないスロウ・チューンはどれもが必聴クラス。【1976年作品】

1978年に録音されるもお蔵入りになり、翌79年に日本盤LPのみでリリースされた幻の1枚が、遂にオリジナルの形で世界初のCD化！　あのジェイムズ・カーの最高傑作と呼ばれる稀代の名曲「ホールド・オン」のライターは、何を隠そうこのトミー・テイト。そのトミー版「ホールド・オン」は全サザン・ソウル・ファン必聴。他にもリトル・ミルトンでもお馴染みのブルージーな「フレンド・オブ・マイン」や、サザン・ソウル直球の「ゲット・イット・オーヴァー・エニウェイ」など、日本やUKでカルト的人気を誇る”幻のサザン・ソウル・シンガー“の濃厚なヴォイスが堪能できる魂の1枚。【1979年作品】

サザン・ソウルだけでなくディスコの宝庫でもあるマラコの、その旗手とも言えるシンガー、ファーン・キニーのソロ・デビュー作。ラハーンや DJ ハーヴィーもプレイする「グルーヴ・ミー」（キング・フロイドの名曲カヴァー！）は、DJにも人気のダンス・クラシック！　他にもスローモーなエレクトロ・ディスコの「ベイビー・レット・ミー・キス・ユー」、持ち味であるキュートなヴォイスを活かしたシルヴィア「ピロー・トーク」のカヴァー、多幸感たっぷりの「トゥギャザー・ウィー・アー・ビューティフル」など、今流行りのブギーからメロウ・ポップまで取りそろえた実に愛くるしい1枚。【1979年作品】

アル・グリーンやベン・E・キングの作品でバッキング・ヴォーカルを務めた、ヘレン＆フィリスの姉妹デュオ、ダンカンズ（元ダンカン・シスターズ）。フリー・ソウル界隈で人気の表題曲や、姉妹ならではの息の合ったコーラスに耳を奪われる「レット・ミー・ビー」といったスウィートなメロウ・ソウルには心を洗われる。それに加え、アップ・リフティングなディスコ・ナンバーの「トゥー・ダム・ホット」、ブギーなグルーヴに心躍る「テイク・ザ・ヒート」など、緩急ともに良質曲満載のゴスペリッシュ・ソウルの隠れた名盤。中古市場で高値をつける、再発が待ち望まれた1枚。【1981年作品】

60年代からサム・クック系のシンガーとして活躍した Z.Z.ヒルによる、マラコ移籍後第1弾にして、Z.Z.ヒルの遅咲きのブレイク、そして80年代のサザン・ソウル復興の引き金となった名盤。極上のディープ・バラッド「プリーズ・ドント・メイク・ミー（ドゥ・サムシング・バッド・トゥ・ユー）」を筆頭に、自身のアイドルであったサム・クックの名曲「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」の感極まるカヴァーなど、スロウ系バラッドで聴けるあまりの歌の上手さに聴き惚れる。終盤に収録されたブルーズ・ナンバーも含め、ボビー・ブランドからサム・クックまで幅広いインスピレーションを感じさせる熟練ぶりに、ソウル・ファンならずとも感じ入ること間違いなし。【1981年作品】

"ボビー、グレッグ、ケニー、ラリーの4兄弟によるカルテットが、マラコ傘下のマッスル・ショールズ・サウンドで制作した第1作。R&Bチャートで28位と健闘したアーバン・メロウな「アイ・ゲット・オフ・オン・ユー」や、ザップ／ロジャーのファンに聴いて欲しいスウィートなラヴ・ソング「アイ・ワナ・ドゥ・ヤ」、「プラネット・ロック」を意識したエレクトロ・ナンバー「バーグラー」と、”サザン・ソウルの伝統を踏まえた80年代サウンド”という、マラコ全盛期を象徴する作品。特にリード・シンガー、グレッグのテディペンばりのディープなバリトンが映えるスロウ・ジャムは時代を超越する完成度！【1985年作品】 "

"マラコのソングライター・ティームであるモズレー・アンド・ジョンソンが、ヴォーカル・デュオとして傘下のマッスル・ショールズ・サウンドからリリースしたデビュー・アルバム。『スリラー』期のマイケル・ジャクソンを彷彿させるスムースなミディアム・ダンサー「ベイビー・カム・バック」や瀟洒なサックスが絡むジョニー・ギルばりにセクシーなブラコン・ナンバー「ランニン・イン・アンド・アウト・オブ・マイ・ライフ」をはじめ、80年代アーバン・メロウの美味しいところを取り入れ、サザン・ソウル風味に味付けした好ましいサウンドと、ソウル・デュオの伝統に則ったディープな歌唱を堪能できる濃密な1枚！　【1987年作品】 "

あのKC＆ザ・サンシャイン・バンドのコーラスとして活躍した実力派シンガーで、ディープ・ヴォイスが印象的なマーガレット・レイノルズがマラコと契約して放ったセカンド・アルバム。ディーヴァとしての本領を発揮したブギーなディスコ・ナンバー「アイル・ドゥ・エニシング」から、夢見心地なスロウの表題曲、ベニー・ラティモアとのあまりに情熱的なデュエット「アイ・リアリー・ミス・ユー」と、ディスコと寝室を自在に行き来する、大人のためのダンス・アルバム。アップ、スロウのどちらも聴かせる実力者マーガレットならではの、マラコ産の隠れたサザン・ソウル名盤。【1987年作品】

スタックス傘下のTruthからリリースし、R&Bチャート1位を獲得、100万枚以上売り上げた大ヒット曲「ウーマン・トゥ・ウーマン」で、レディ・ソウルの番付に名を刻むシンガー、シャーリー・ブラウンのマラコ移籍後第1作。「スタックスのアレサ・フランクリン」と評され、女王アレサに匹敵する歌声の持ち主であり、ヴォーカル / サウンドともにシャカ・カーンばりの高みに達する「ワッチャ・ゴナ・ドゥ・ホエン・ザ・マネー・ランズ・アウト」、ルーファスのカヴァー「テル・ミー・サムシング・グッド」などで聴かせるパワフルな歌唱はまさに”圧巻”の一言。野獣の交尾のようにアツすぎるボビー・ウーマックとのデュエット「エイント・ナッシン・ライク・ザ・ラヴィン・ウィー・ゴット」も必聴！【1989年作品】

80年代のサザン・ソウルの救世主として世界中のソウル・ファンから愛された名門レーベル、マラコ・レコードの魅力が凝縮された、お手頃価格のコンピレーション！選曲・解説は、bmrの元編集長である岩間慎一氏。シリーズ全 30タイトルの中から厳選した名曲の数々を収録した、マラコ入門編にぴったりな内容でお届け！