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Review List of パーフェクト・ビッグラヴァー 

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     2021/04/28

    「足音を踏み鳴らせ」、ここには「前に向かってあるけ」も「立ち上がろう」もない。歩くことのフェイクとしての「足音」を肯定し、それが「言うほど悪くはない」と歌う。現状肯定とプロテスト・ソングの間で引き裂かれる姿がかすかに見える。個人的にはカップリングの「melody」のほうが遥かに過激な歌詞だと思ってしまう。それは桜井和寿の次のような発言「歌の中で歌われた「メロディ」がぼくらの曲がタイアップで街に流れることでそれを聞いただれかのメロディになり、それが歌詞の「メロディ」と重なり合う。それはなんだか素敵じゃないですか」。

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     2021/04/28

    花火を掴むこと。どこかカフカのコマと哲学者の小話を思い出させる。この曲はなにかが捕まえられそうで、でも捕まえられないものの反復行為として花火と夏のイメージが重ね合わされている。だが、ここにも花火「のような光」と絶妙な(君が好きが「君が好き」と言っていないような)詐術がある。滞らないように揺れて流れること、それはまさに捕まえられる・られないの二元論ではなく、それを掴む流動的な運動それ自体を目指しているかのような境地を歌っている。そしてここでもまた「どれくらいの値打ちがあるだろう」とかぞえられるはずもないものを「かぞえ」ようとしている。

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     2021/04/28

    カレンダーに刻まれたいくつもの記念日より、小刻みに。ここで「しるし」が日付と結びついている。日付は反復する。同じ3月11日はやってこないが、ちがう3月11日がもういちど訪れる。そのくりかえし、くりかえさないことを希望的に歌っていることにどれだけ櫻井が自覚的で、かつリスナーに届いているのかを考えて目眩がする。櫻井はか「かぞえること」、そして「誕生日」をこのあとに歌う。

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     2021/04/28

    壁に思えたものを扉だと思え、そしてそれをノックしてみろ。錯誤的な行為を「終わりなき(endless)」と言い張る桜井和寿はセンターオブザ・ユニバースまでもう一息の勢いである。誰の真似もすんな、君は君でいいと歌う曲のイントロがwhateverなところにこそ最高にMr.Children的なロックの意匠を感じる。サッカー選手たちにMr.Children聞いているとダウナーになるんだよね、と言われた桜井和寿が「がんばれ」とも「あきらめるな」とも言わずに歌い上げたさまは感動的。

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     2021/04/28

    ジャケットには灯台、そして飛行機雲、そうどちらも痕跡としての「サイン」であり、発せられる光がある。オレンジデイズの脚本家は歌詞を変えさせたなんてエピソードを聞いておそろしや…と思ったが、そうしてできた歌詞が「緑道の木漏れ日が君にあたって揺れる」なんだから、ほんとうに高みにしかわからない世界があるのだといちリスナーは震えるしかない。しるしを見逃さないこと。桜井和寿はこれ以降、おそらく『足跡』に至るまでハイデガーとデリダの痕跡論を参照しているかのような歌詞を書き続け、それをシングル曲にして流通させ続けている。

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     2021/04/28

    「名もなき」こそがもっとも広がる、桜井和寿はそう確信していた。何かのイメージに染め上げられないこと、それは大人でも子供でもあることを拒否するバンドの名前の由来にほかならない。そんな曲をほんとうに「当てて」しまうこと。このバンドの時代を読む力はそういうところにある。ところで「あるがまーま」の最初の「ま」から「ま」の移り変わりはカラオケで苦しく歌われることを想定しているかのよう。華原朋美に絶頂するように高音を歌わせ続けていた曲がとなりに並んでいた時代のヒット曲らしい。

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     2021/04/28

    はたして、市民運動やデモに加わらず、生活を営んで行くことだけが「正解」なのだろうか。ある種の冷笑主義へのアンチでもありながら、無力なヒーローという(それは人形のメタファーになぞらえられる)存在を歌い上げる。ここにはもはや「ゴーマニズム宣言」を片手にレコーディングをしていた青年はいないし、単なるノブリス・オブリージュと向き合う偽善者という誹りを受ける言われもないだろう。ところで「ツイッターは監視用のアカウントだけは持っている」と漏らす桜井和寿。もちろんは名前を出してはじめることはないだろう。

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     2021/04/28

    歪んだギターと倒れた自転車、繰り返される祝杯。なんだ、ロバート・スミスの世界じゃないか。でも、サボテンは相変わらず性交のメタファーだし、そう思えばスピッツじゃない? でもこの曲を最後にカップリングでのわずかな遊びを除けばこの音像を持ったバンド「Mr.Children」は姿を消し、ap Bankがはじまる。おわりのはじまりに跳ね上がる中川ベースライン。のちに出たベストアルバムでのリマスタリングも必聴。

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     2021/04/28

    『天体観測』の主題が「予報ハズレの雨」であるように、この曲の主題も「月」である。小田和正は「自販機という歌詞に君らしさが出ている」と指摘した。桜井和寿はいっけん『君が好き』と歌っている歌詞であるかのようにクリシェとリフレインの境目に擬態しながら、「ああ虚しく、何かを訴えている」と叫ぶ。ここには「しるし」がある。ところでジャケットの手は月に触ってしまっている。その手前にはビル群。奇妙なレイヤー感覚だがビルはぜったいに月に届くことはない。

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     2021/04/28

    見つかった?なにが、永遠が。Mr.Childrenはこのシングル以降、信藤三雄プロデュース色が薄れ、急速に「すばらしい世界へ」と迎合していくように見える。どこまで行けばたどりつけるのだろう。そしてノット・ファウンド。昨日見ていたホームページが消えてしまったとき、わたしたちは機械を疑うことはできない。身体を疑わずにはいられない。記憶が身体に跳ね返る。「あんまり覚えていないや」と櫻井が呟ける日はまだ遠い。

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