Daniil Trifonov : The Carnegie Recital 2013 -Scriabin, Liszt, Chopin, Medtner
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marco | 東京都 | 不明 | 13/April/2014
既往のピアノ演奏より一段高いところを静かに爽やかに吹き抜ける一陣の風のようなものを感じた。凡百の解釈や技術の問題を軽々とクリアした上で、どこを目指すのかまだその方向性はわからないが、真摯な姿勢と音楽的直感がメタレベルでの清らかな推進力を湛えた確固とした水脈のようなものがこのピアニストにはある。 勿論、スクリャービンのアウラや、リストの巨大な器を十全に満たすことはこれからだけど、現時点でも何か超然とした余裕が、テクストの上で自由自在に振舞っているかのようで、その実押さえるべき構造は外さない表現を生み出している。 クリシェに陥りがちなショパン前奏曲全曲は、鮮やかにリニューアルされて驚きと愉悦に満ちている。カーネギーホールでのライブとはとても思えないような完成度の高い演奏と録音。ショパンが終わるまでは拍手等一切カットされた編集で、オンマイク気味のスタジオのような録音で、かつノーミスなので、私は途中で本当にライブなのかと疑ったが、最後の割れんばかりの拍手でライブであることを確認できた。それにしてもロシアの大地は、何故このような非凡なピアニストを絶えることなく生み出しうるのだろうか?3 people agree with this review
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