Shostakovich, Dmitri (1906-1975)

CD Sym.5: Ahronovitch / Stockholm.po

Sym.5: Ahronovitch / Stockholm.po

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    たか  |  長野県  |  不明  |  23/July/2012

    結論から先に書けばこのCDは名盤である。 最初聴いたときは可も無く不可も無くといった程度かと思ったが、その中で心に残った3楽章を聴き 込むにつれて、だんだんとその凄さが判ってきた。 その3楽章だが、冒頭の弦楽器群は全てのパートが意味深いメロディーを奏で、それはまるで救済 を求める無数の手が虚空に向かって伸びてゆくようなイメージである。 さらに驚くのは練習番号82番から楽譜には無いアッチェレランドが入り、頂点のラルガメンテでは一気に倍テンポになるほどのブレーキが掛かる。 この演奏効果が実にすばらしく、一気に引き込まれてしまう。 さらに、この楽章では各所のクライマックスの後に低弦のモノローグが出てくるが、記譜上はフォルテであっても決して声高にならず、常に詠嘆の唄として聴こえ、行き場の無い悲劇性が強調される。 この3楽章を聴くだけでも十分な価値があるが、改めて聴きなおしてみると、その他の楽章も十分に計算された演奏 であることに気が付く。 スコア指定のテンポをきっちりと守り、なおかつ十分に追い込んだ末の大ユニゾンに至る第1楽章。 シロフォンとブラスが派手にズレるが、そんなことはお構いなしに進んでゆく様はライブかと思わせる。やはりインテンポをベースとし、ニヤリともしない辛口の第2楽章。 早いところは十分早く、遅いところ(練習番号121番など)はやたらと遅い第4楽章。  全ての楽章が綿密に計算された劇性に満ちており、さらに各楽章間のバランスも十分に考慮された結果のテンポ設定ではと思われる。 アーロノヴィッチといえば爆演系として有名だが、このひとはそんな単純な指揮者ではなく、非常に個性的な音楽性を持った名指揮者だったと思う。  没してから10年になるが、 多くの埋もれた音源に日の目が当たることを是非期待したい。

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