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Books 北国の汽笛 1(1956・1959)北海道の鉄道

北国の汽笛 1(1956・1959)北海道の鉄道

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    ココパナ  |  北海道  |  不明  |  16/April/2021

    小樽市在住の鉄道写真家、星良助氏が撮りためた貴重な写真を、「北国の汽笛」と銘打って全4冊の写真集としたシリーズの第1巻。全ページが白黒で、基本的に1ページに2~3枚の写真を紹介する形。当巻には1956-59年に撮られた写真が、以下のようにまとめられている。 【国鉄】小樽の鉄道/手宮線/函館本線(函館‐小樽)/函館本線(小樽‐札幌)/札幌付近/北海道各線/客車貨車 【私鉄】札幌市交通局/定山渓鉄道/寿都鉄道/夕張鉄道/三井芦別鉄道/天塩鉄道/羽幌炭礦鉄道/北海道拓殖鉄道/十勝鉄道/雄別鉄道/根室拓殖鉄道/函館市交通局 【その他】北海道炭礦汽船美流渡専用鉄道/三井鉱山奈井江専用鉄道/茅沼炭化工業専用鉄道/日本セメント上磯専用鉄道/専用線その他/札幌営林局/北海道簡易軌道 当別線 この時代の北海道は「蒸気機関車の王国」とも呼ばれていた。全国的には、1956年(昭和31年)に最新鋭気動車であるキハ44800形が準急「日光」の運行を開始。東海道線は全線電化され、1957年には仙山線、北陸線といった地方にも電化は波及、ついに1958年には東京‐九州を結ぶ夜行寝台特急「あさかぜ」に電車が登場する。そのような時代変化が急速に進む中にあって、北海道では蒸気機関車たち、特に古典機があちこちで活躍していた。高名な鉄道写真家、広田尚敬(1935-)氏は、名作「昭和三十四年二月北海道」の中で当時の事を以下の様に記述している・・・「現代の日本人が認識する地球上のどの国よりも、当時の人たちにとって北海道は、はるかに遠い所だったのです。」。この時代の北海道は、道路整備もままならず、冬季の移動手段と言えば、ほとんど鉄道のみであり、しかも開拓の名のもとに、実質的な先遣隊が、各地に入殖を行っているような状況で、限られた交通手段でさえ、天候によっては運行もままならず、少なくとも冬季に首都圏の人が旅行に行くようなところではなかったのである。だからこそ、当時、北海道に住み、各地で写真を撮影してきた星氏の功績は、きわめて大きなものがある。とくに50年代中期〜後期のもので、これほど、北海道の鉄道に関する写真をまとめて拝見できるものは、他にはなかなか思い当たらないのである。蒸気機関車で言えば、かつて特急燕を牽いたC51(1965年運用中止)がまだ健在で、函館線で活躍する姿が収められている。函館線ではD50の貴重な写真も見ることが出来る。また、地方の私鉄たちの貴重な車両たち、古典型蒸気機関車や、レールバスたちの姿も収められている。全般に写真は車両を中心としたものが多く、貨車なども車両にターゲットを絞ってまとめられたものが掲載されており、資料的な価値は様々に高い。美流渡、奈井江、茅沼、寿都など、ファンには言わずもがなの鉄道たちも押さえられており、これ以上のものは見つけるのは難しいと思うほど。札幌市電は当時の催しに際して運用された記念車両なども掲載されていて、当時の街並みと併せて、時代の風を様々に感じ取ることができる。また車両と別に、個人的に特に感銘を受けた写真として、旧手宮機関庫の素晴らしい雰囲気のある姿、余市臨港鉄道の駅舎後、台風のため運行休止となってしまった殖民軌道当別線の姿を挙げたい。もちろん、その他にも、貴重で美しい写真ばかりであり、これらのデータが散逸することなく、書物にまとめられたことを、なにより慶賀と感じる一冊となっています。

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