Complete Symphonies : Yannick Nezet-Seguin / Chamber Orchestra of Europe, Accentus (5CD)
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ソロ活人 | 奈良県 | 不明 | 11/September/2022
スコアはヘンレ版(出版元はブライトコプフ・ウント・ヘルテル社)。 1&2番は1995年、3&4番は2016年、5&6番は2015年、7〜9番は2020年の出版である。3 people agree with this review
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フォアグラ | 愛知県 | 不明 | 16/August/2022
私もネゼ=セガンの良さがもうひとつわからず、このベートーヴェンもパスするつもりだったが、てつさんの絶賛レビューを読んで心が動き購入。なるほどこれは刺激的な全集だ。ベートーヴェン生誕250年記念として2020年に出版されたニュー・クリティカル・エディションによる初の全集だそうだが、聴きなれない音が多数登場し驚かされる。ただ、どこまでがニュー・スコアによるのか、ネゼ=セガンの解釈なのか私には判然としない。例えば、7番の各楽章をアタッカで繋ぐ(ストコフスキーもやっていたな)とか、9番スケルツォのティンパニが音が小さく(殆どスネアドラムだ)さらにディミニュエンドするなどはどうなんだろう。それらも含めこれほど驚かされ考えさせられる全集はこれまでなかったといえるのではないか。クルレンツィスもエラス=カサドも比較にならない。そしてここが重要なのだが、この演奏にはベートーヴェンに不可欠である興奮と爆発があるのだ。もちろん不満もある。同じCOAを振ったアーノンクール同様ティンパニとトランペットをピリオド楽器に代えているが、そのトランペットが常時フガフガ鳴ってうるさい。これがベートーヴェンの想定したバランスかもしれないが。DGの録音も鮮明だが奥行きと潤いが乏しい。今のDGに期待するのが間違いかも。それでもネゼ=セガンのチャレンジは高く評価したいし、実際どの曲も実に面白い。もっとオーソドックスなベートーヴェンがいいという人もいるだろうし、それで全然構わないんだが、それなら20世紀の演奏で十分であり、21世紀がネルソンスの演奏ではないと私は思う。5 people agree with this review
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てつ | 東京都 | 不明 | 17/July/2022
私はこの指揮者と相性が悪かったのだが、今回(上からみたいですみませんけど)見直した。正直、1番、2番、エロイカを聞いた段階で「いつも通り」細かい作り込みはあるがそれだけ、と思ったが、4番聞いて、あれちょっと攻めてる?と思い、5番でビックリした。もうナマの推進力バリバリのHIPスタイルである。この方、元々スコアのすべての音を聴かそうとする指揮者だが、狙いと結果が一致していないもどかしさがあった。ところが今回5番で吹っ切れたような、そんな演奏だ。私はこの5番で彼の新境地を見た。元来の狙いがやっと結実した、そんな思いがした。クルレンツィスよりセガンの方が刺激的である。本当にこの5番は名演だと思う。ここからギアが入り、田園でもすべての音を響かせたいセガンの思いとオケの気持ちが一致する。第一楽章からとにかく音が綺麗。これがセガンの求めるものだったのか、と納得した。7番も出だしから滑らすような音で彼ならでは譜読みが結実している。押しては引き、ニュアンスが多彩。これほど弦の刻みが躍動する演奏は聞いたことがない。また、この辺りから金管に強いリズムを刻ませて、あえて刺激的な音を作る。7番4楽章は少々やりすぎの感もあるが、私はあえてここまでやったことを支持したい。ところが8番になると脱力して少し落ち着いた音を出す。全集だからこそのメリハリか。8番3楽章のトリオとか、おいおい君はこう言う音楽できるのかいって感じ満載。それでもやはり9番はちょっと辛い。曲の持つスケール感と今回の前向き推進力が一致しない。それでも全ての音を極力均等に聴かせたいと言うセガンの思いは痛いほど伝わる。4楽章冒頭でブルブル震えるのが件のコントラファゴットか?合唱が入る前の歓喜の歌ではかつてないほど、セガンの曲に対する共感が聴ける。本当にECOを起用して良かったと思う。しかしこのスタイルをフィラデルフィアで再現できるのか?これは一過性の演奏ではないのか、と言う疑念は残る。この指揮者の今後を注視したい。もちろん応援するつもりだが。4 people agree with this review
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