エーリヒ・J・ヴォルフ:歌曲全集 第1集
エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家。現在ではその名前を知る人はほとんどいませんが、38歳の若さで亡くなるまでに少なくとも168曲の歌曲を書き、全て存命中に発表されています。1927年に出版された書籍「2000 der beliebtesten Kunstlieder(最も人気のある芸術歌曲2000)」では同姓のフーゴー・ヴォルフやリヒャルト・シュトラウス、マーラーの歌曲に次ぐ人気を博していました。
このアルバムは、ヴォルフの歌曲全てを録音するシリーズの第1集で、マーラーも素材とした「子供の不思議な角笛」を用いた歌曲や、リヒャルト・デーメルの詩を用いた歌曲などを聴くことができます。彼は時折大胆な和声進行を用いるものの、無調に踏み込むことはなく、曲はどれもロマンティックな味わいを持っています。また高度な技法で描かれたピアノ・パートにも注目、歌を引き立てながらも存在感の強い旋律が耳に残ります。
バロックから古典派作品を得意とするテノール歌手ヨハンセンと、ロマン派作品を得意とするソプラノ歌手ガウルが見事な歌唱を聴かせ、ヴォルフ作品を愛しブックレットに詳細な解説(ドイツ語・英語)も書いたジモンが伴奏を務めます。(輸入元情報)
【収録情報】
E.J.ヴォルフ:
● 夏の遊び Op.17(1908年出版)
1. Sommer
2. Sehnsucht
3. Zuversicht in Pan
4. Einen Sommer lang
5. Ein Sonntag
6. Gluckes genug
● 6つの歌 Op.1(1902年頃出版)より
7. No. 2: Ein Musikant, ein Schwarmer, auf einen Jahrmarkt ging
8. No. 4: War eine Maid, die emsig spann
9. No. 6: Genrebild
● リヒャルト・デーメルの6つの詩 Op.8(1907年出版)より
10. No. 2: Erhebung
11. No. 3: Immer wieder
● 『子供の不思議な角笛』による6つの詩 Op.9(1907年出版)より
12. No. 2: Frau Nachtigall
13. No. 4: Knabe und Veilchen
14. No. 5: Tanzreim
● トラ・ツー・オイレンブルクの2つの詩 Op.11b(1907年出版)
15. No. 3: Sturmflut
16. No. 4: Trinklied
● 9つの歌 Op.12より
17. No. 1: Spaziergang
18. No. 4: Das mitleidige Madel
19. No. 9: Traurige Mar
20. No. 7: Im Kahn
● 7つの歌 Op.22(1910年出版)より
21. No. 6: Liebesmelodie(愛の旋律)
● 6つの歌 Op.26(1913年出版)より
22. No. 2: Seidenschuh' uber Leisten von Gold
23. No. 4: Flieg' hin, mein Kiel!
24. No. 6: Meine Braut fuhr' ich heim
● エミール・ファクターの詩による8つの歌 Op.32(1914年出版)より
25. No. 1: Der tote Lenz
● 3つのメロドラマ - ピエロ=ツィクルス Op.27(1914年出版)
26. No. 1: Serenade
27. No. 2: Intermezzo
28. No. 3: Finale
ダニエル・ヨハンセン(テノール:1-25、朗読:26-28)
サマンサ・ガウル(ソプラノ:13,14)
クラウス・ジモン(ピアノ)
録音時期:2022年11月21-23日
録音場所:ドイツ、Sendesaal Bremen
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)