カラヤンの記念碑的なワーグナーの『指環』全曲をブルーレイ・オーディオ1枚に収録
ヘルベルト・フォン・カラヤンによる記念碑的な楽劇『ニーベルングの指環』全曲録音がブルーレイ・オーディオ1枚に収められて発売されます。24-bit/96kHzのハイレゾ音源で、エミール・ベルリナー・スタジオでリマスタリング(2016年)。
カラヤン自身の話によると、『ボリス・ゴドゥノフ』に取り組んでいた1965年の夏に、ある未来像が心に浮かんだということです。「突然私はザルツブルクでワーグナーを演出し、指揮したいという強い思いにかられました」。カラヤンの夢はワーグナー自身の精神の中にこそあったのでした。「私の指揮棒は将来の世代に彼らが歩んでいくべき道を教えることになるでしょう」。
カラヤンのワーグナーは、美しさ、抒情性、構造性に特にこだわっていて、彼の記念碑的な『指環』ツィクルスのために、楽器のような声を持ち、歌詞を生き生きと明瞭に届けることのできる超一流の歌手陣が集められました。そして彼のベルリン・フィルハーモニーは見事な才能を発揮し、豊かでカラフルで透明な、多くの時間において今日でも類を見ないほとんど室内楽のようなオーケストラのサウンドを伝えています。
「(最高レベルの素晴らしいベルリン・フィルとカラヤンによる)芸術的な成果は驚くべきものだ。しかしさらに印象を受けたのがこれらの録音の素晴らしい音質である」〜グラモフォン誌、2005年
デジパック仕様。48ページのブックレットには、カラヤンの伝記作家リチャード・オズボーンによる英語とドイツ語のエッセー、録音セッションおよびライヴのザルツブルク制作のリハーサルからの貴重なアーティスト写真が掲載されています。(輸入元情報)
1966-70年ステレオ録音。数ある“リング”の中で、最もオーケストラが雄弁なのがこの演奏。カラヤンの音響設計の巧みさはみごとなもので、単にライトモティーフを浮き彫りにすることに終始することなく、常に耽美的なまでの美感を呈することに成功、壮大な迫力から繊細をきわめた弱音まで、その表現能力の幅広さはさすがカラヤン&ベルリン・フィル。
カラヤンによって妥協なく選ばれた粒よりのキャストも豪華かつ強力。ステュアート、ヴィッカーズ、デルネシュ、シュトルツェなど名だたるワーグナー歌手たちの名唱に加え、『ラインの黄金』におけるフィッシャー=ディースカウのヴォータン役、『ワルキューレ』におけるクレスパンのブリュンヒルデ役、ヤノヴィッツのジークリンデ役など、カラヤンならではのキャスティングも魅力ある聴きものとなっています。(HMV)
【収録情報】
ワーグナー:『ニーベルングの指環』全曲
● 『ラインの黄金』全1幕
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(ヴォータン/バリトン)
ゾルターン・ケレメン(アルベリヒ/バリトン)
ジョゼフィン・ヴィージー(フリッカ/メゾ・ソプラノ)
ゲルハルト・シュトルツェ(ローゲ/テノール)
エルヴィン・ヴォールファールト(ミーメ/テノール)
マルッティ・タルヴェラ(ファゾルト/バス)
カール・リッダーブッシュ(ファフナー/バス)
オラリア・ドミンゲス(エルダ/メゾ・ソプラノ)
ロバート・カーンズ(ドンナー/バリトン)
ドナルド・グローブ(フロー/テノール)
シモーネ・マンゲルスドルフ(フライア/ソプラノ)
ヘレン・ドナート(ヴォークリンデ/ソプラノ)
エッダ・モーザー(ヴェルグンデ/ソプラノ)
アンナ・レイノルズ(フロースヒルデ/メゾ・ソプラノ)
録音時期:1967年12月
● 『ワルキューレ』全3幕
レジーヌ・クレスパン(ブリュンヒルデ/ソプラノ)
トーマス・ステュアート(ヴォータン/バリトン)
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ジークリンデ/ソプラノ)
ジョン・ヴィッカーズ(ジークムント/テノール)
マルッティ・タルヴェラ(フンディング/バス)
ジョゼフィン・ヴィージー(フリッカ/メゾ・ソプラノ)
ダニカ・マスティロヴィッツ(ヘルムヴィーゲ/ソプラノ)
カルロッタ・オルダシー(オルトリンデ/メゾ・ソプラノ)
リゼロッテ・レープマン(ゲルヒルデ/ソプラノ)
イングリート・シュテーガー(ヴァルトラウテ/ソプラノ)
バルブロ・エリクソン(ジークルーネ/メゾ・ソプラノ)
ヘルガ・イェンケル(ロスヴァイセ/メゾ・ソプラノ)
ツヴェトカ・アーリン(グリムゲルデ/メゾ・ソプラノ)
リロ・ブロックハウス(シュヴェルトライテ/ソプラノ)
録音時期:1966年12月
● 『ジークフリート』全3幕
ジェス・トーマス(ジークフリート/テノール)
トーマス・ステュアート(さすらい人/バリトン)
ゲルハルト・シュトルツェ(ミーメ/テノール)
ヘルガ・デルネシュ(ブリュンヒルデ/ソプラノ)
カール・リッダーブッシュ(ファフナー/バス)
ゾルターン・ケレメン(アルベリヒ/バリトン)
オラリア・ドミンゲス(エルダ/メゾ・ソプラノ)
キャサリン・ゲイヤー(森の小鳥/ソプラノ)
録音時期:1968年12月
● 『神々の黄昏』全3幕
ヘルガ・デルネシュ(ブリュンヒルデ/ソプラノ)
ヘルゲ・ブリリオート(ジークフリート/テノール)
カール・リッダーブッシュ(ハーゲン/バス)
ゾルターン・ケレメン(アルベリヒ/バリトン)
トーマス・ステュアート(グンター/バリトン)
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(グートルーネ/ソプラノ)
クリスタ・ルートヴィヒ(ヴァルトラウテ、第2のノルン/コントラルト)
リゼロッテ・レープマン(ヴォークリンデ/ソプラノ)
エッダ・モーザー(ヴェルグンデ/ソプラノ)
アンナ・レイノルズ(フロースヒルデ/メゾ・ソプラノ)
リリ・コーカシアン(第1のノルン/メゾ・ソプラノ)
カタリーナ・リゲンツァ(第3のノルン/ソプラノ)
ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
録音時期:1969年10月
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
2016年リマスタリング(24-bit/96kHz)
ブルーレイディスク対応機器で再生できます。