Books

サマ-タイム

Takako Sato

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101237329
ISBN 10 : 4101237328
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2003
Japan

Content Description

佳奈が十二で、ぼくが十一だった夏。どしゃ降りの雨のプール、じたばたもがくような、不思議な泳ぎをする彼に、ぼくは出会った。左腕と父親を失った代わりに、大人びた雰囲気を身につけた彼。そして、ぼくと佳奈。たがいに感電する、不思議な図形。友情じゃなく、もっと特別ななにか。ひりひりして、でも眩しい、あの夏。他者という世界を、素手で発見する一瞬のきらめき。鮮烈なデビュー作。

【著者紹介】
佐藤多佳子 : 1962(昭和37)年、東京生れ。青山学院大学文学部卒業。’89(平成元)年に「サマータイム」で月刊MOE童話大賞受賞。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で’98年度日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • zero1

    実に瑞々しく鮮やかなデビュー作は何度読んでも新鮮。11歳の進はプールで二つ上の広一と会う。彼は左腕がなかった。「五月の道しるべ」は進の姉、佳奈の目線。花で事件を起こす。「九月の雨」は成長した広一。ジャズピアニストをしている母親の恋人との不器用さが秀逸。「ホワイト・ピアノ」は再び佳奈。調律師のセンダがいい味。各話は年代が異なるところこそ技巧。雨と雲、海のミントゼリー、自転車に乗る練習とピアノ。どれも視覚的で記憶に残る。後に「一瞬の風になれ」で本屋大賞に選ばれる佐藤の大きな可能性が見える一冊。素晴らしい!

  • おしゃべりメガネ

    先日、初めて作者さんの作品を読んで読友さんからオススメいただいた作品です。タイトルどおり、この時期に読むのにピッタリな作品でした。素直でまっすぐな「進」と勝ち気で美人な姉「佳奈(カーナ)」、左腕のない「広一」の3人が織り成すひと夏から始まったとてもステキな青春モノです。「広一」は事故で父と左腕を失いながらも片手でピアノを弾き、その曲『サマータイム』が「進」に大きな影響を与えます。3人それぞれの視点で描かれる構成はとても読みやすく、自分の好きなコト、大切な人などを思いながら成長する姿に胸があつくなります。

  • SJW

    佐藤さんのデビュー作で4編からなり、第1編のサマータイムはMOE童話大賞受賞作。童話といっても11才から13才の姉(佳奈)弟(進)とその友達(公一)にジャズのサマータイムに関わる物語から始まる。3人それぞれの立場でのストーリーが展開され、お互い惹かれたりぶつかったりと理解しにくい部分もあるが、それぞれの立場の話が進むとなるほどと思える構成が面白い。また登場人物は個性豊かで主張がはっきりしているせいか、彼らはまだ子供であるのに台詞や言葉は新鮮だったりドキッしたりだった。(続く)

  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

    終わってしまう夏が肌に差し迫るから、日に日に焦っていた。受動的でいるのは許せなくて、私の手で無理やりに終わらせた、夏。 台風のなか風と雨の強さに立ち向かって、誰もいない灰色の街を駆け抜けて。稲光の紫をどこまでも追って、行ったことのない街に行ってみたいんだ。 私が好きなものは強く美しくないといけない。脆いぶぶんを愛せなくて、拒絶した。だってどうしようもない少女趣味。少女だから仕方ない。 無理やり終わらせた夏はしょっぱくて、涙が出そうだから、食いしばる。強い風ほど立ち向かって、これは生理的な涙だと言いたい。

  • ちょこまーぶる

    読み手の心を引き付ける文章で書かれているなぁという思いの一冊でした。中でも「サマータイム」と「9月の雨」が好きですね。ジャズの曲を登場人物の感情に上手にリンクさせているという理由もありますが、兄弟関係・友人関係・親子関係といったそれぞれの関係の絆や本音を隠しつつその関係性を維持している感が感じられて、大人の小説だよなと勝手に解釈しながら読み進めましたね。読後は、温かい気持ちに満たされたとは言い過ぎかもしれませんが、登場人物たちの幸福感にホッとして読み終えることができるのではないかなと思えます。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items