Hawaiian Hula Blues

夭逝のスティール･ギタリストが残した名曲／名演をコンパイル！

古いハワイ音楽を中心に紹介するＵＫのレーベル、Grass Skirt Records。2005年からスタートした同レーベルは、ハワイ音楽の中でもスティール・ギター（ハワイアン・ギター）を中心にしたストリング・バンド系の音楽に特化したラインナップを揃えています。そんな同レーベルからはこれまでに古い時代の音楽家の復刻作品を数タイトルほどサンビーニャ・インポートとして紹介してきました。ただ2005年発売の本作はこれまで廃盤と考えられておりましたが、この度デッドストックが見つかり、少量ながら入荷。数量限定盤としてサンビーニャ・インポートでご紹介することにいたしました。

サム・ク・ウェストはソル・ホオピイやタウ・モエと並んで《ハワイアン・ギターのゴールデン７》の一人として語れてきた偉大なギタリスト。1907年にハワイ・オアフ島の中心都市ホノルルで生まれた彼は、その後アイリーン・ウェストのツアー・メンバーとしてプロ活動を開始。そして本名であるサム・ク・ジュニアに「ウェスト」の姓を加え、《サム・ク・ウェスト》というステージ・ネイムをつけ、広く知られるようになっていきました。さらに1926年以降はアメリカ本土にも活動場所を求めて渡り、コメディアンやダンサー、曲芸師、マジシャンなど共にドサ周りしてショウを繰り広げる、いわゆるヴォードヴィル・サーキットを行うようになりました。さらにその後には日本（東京、名古屋、神戸、京都、大阪）を含むアジア各国や欧州にも演奏旅行に行っています。しかしサムは1930年、23歳という若さでパリの地で病死してしまいました。

そんな彼が1927〜28年の間にNYCやシカゴ、リッチモンドといった場所で様々なレーベルに録音したＳＰの音源26曲を集めたのが本作です。収録しているのはご存知「アロハ・オエ」や「セントルイス・ブルース」「ホノルル・ブルース」「ミネハハ」といった、当時ハワイアン・ギタリストが挙って演奏したハワイアンやアメリカ音楽（ジャズ／ブルース）のスタンダード･ナンバーたちで、多くは複数のギターによるインストゥルメンタル演奏です。もちろんサムが演奏するのはアクースティックのスティール・ギター。エレクトリックが登場する10年近く前の演奏ですが、その卓越したスライド奏法はすでにこの時期に完成の域に達していたことが、本作から伝わってきます。

さらに本作には16ページに及ぶブックレットが付録されており、そこにはサム・ク・ウェストの詳細なバイオグラフィやディスコグラフィ、写真などが収録。データ類を重視する古いハワイ音楽ファンには嬉しい仕様でお届けいたします。

(メーカー・インフォメーションより)