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孤島の鬼

Ranpo Edogawa

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041053348
ISBN 10 : 404105334X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2009
Japan

Content Description

幼い頃に親に捨てられ、古い謎の系図だけが身元の手がかりという女と恋に落ちた蓑浦。その女が密室殺人で死んだ。残した系図を手に死の真相に迫る蓑浦に、想像を絶する恐怖が待ち受けていた……。
目次

〈収録作〉
孤島の鬼

【著者紹介】
江戸川乱歩 : 1894年三重県生まれ。早稲田大学卒業。雑誌編集、新聞記者などを経て、1923年「二銭銅貨」でデビュー。以後、「D坂の殺人事件」「心理試験」などの探偵小説を次々発表。怪奇小説、幻想小説にも優れた作品が多い。65年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

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 おそらく日本のミステリー界で孤島物のパ...

投稿日:2009/11/22 (日)

 おそらく日本のミステリー界で孤島物のパイオニアではないだろうか。  シャム双生児のエピソードは横溝正史の晩年の作品「悪霊島」を思い浮かべるし、クライマックスにおける財宝の出現は、それ以前に翻訳等で有名な「宝島」を想起させる。  作者は自身の長編小説に対して自己嫌悪を持っていたきらいが感じられるが、大衆文芸として、又はミステリー・スリラーとしてこの作品を読むと、作者の長編小説の中では最も優れた作品である事を感じることが出来るし、日本ミステリーベスト10に入ってもおかしくないほどの仕上がりになっていると思う。

白塗りのサル さん | 神奈川県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • nobby

    一言で評すなら「これぞ乱歩!」冒頭からもう勿体ぶって、一刹那に頭髪が白くなる程の驚嘆、戦慄すべしと語られ出す怪事件。正直、発端となる連続殺人そのものは案外普通(笑)転機は事件の大半が中盤で明かされた一方で、突如述べられる何とも薄気味の悪い片輪者の話。それが引き起こすミステリから冒険劇への変貌が物凄い!まるでアムロがガンダムに、シンジがEVA初号機に乗り込むのと同様の必然性の極み!悪魔の如き禁忌による甚だ醜怪な人獣達に眉顰めながら、いつのまにか耽美に浸る…禁断故に決して受け入れられぬ純愛が最後までせつない…

  • chiru

    バッドトリップが約束された幻想怪奇小説の最高傑作。蓑浦が婚約指輪を送った恋人が密室で殺され、犯人候補に浮上したのは、蓑浦に恋情を寄せる“諸戸丈五郎”。彼の『せめて好きでいさせてくれ』に心が痛くなる。同性愛を嫌悪しつつ彼の想いに逡巡する蓑浦も心が乱れてしまう。しかし蓑浦は、運命の女性と出会う…。同性愛、結合双生児などの過激なツールはタブーの限界ぎりぎり。彼らを生き地獄に送った悪魔の動機に怒りが迸るけれど、恨みを手放し懸命に生きる人々が眩しく力強い。ラストの手紙はこれ以上ないほど切なかった。★4.5

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    私にとって大好きな乱歩作品です。乱歩氏特有の幻想的かつ悪夢的な世界での前半のミステリーや後半の孤島での冒険も好きだけど、諸戸氏の報われない一途で切ない恋心に特に序盤の学生時代の2人の描写があるばかりに胸が切なくなられずにはいられなくて思わず、「箕浦の鬼っ!!」と心で叫んでしまいました。最期まで諸戸氏が箕浦のことを思い慕っていたという最後の1文に涙が零れてしまいそうでした。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    遂に、この日が来た・・・。幻影嬢(課題図書「孤島の鬼」)&石榴忌の開催がっ!私に「諸戸道夫」という生涯に燦然と輝く推しと、私を「女性」として自認させ、狂わせる、運命の乱歩作品が読書会で取り上げられたのだ!推理小説、冒険活劇、恋愛小説、BL、ホラーなどのジャンルが盛り沢山に詰め込まれているのに物語を破綻していない奇跡。また、導入から手記、終わりに至るまで引き込まれる。特に最後の二文には目頭が熱くならずにいられない。脇役にも行き届く人間性への洞察。そんな作品ですが読書会で新たな視点に目を見張りました。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    ジェンダー論のレポートで取り上げようとしたけど結局、止めた本。だっておっさん人格だった私にも乙女心があると気づかせてくれて尚且つ、腐女子への道へと進むきっかけになった本だもの(笑)個人的「美しくて哀しい」男三人衆の一人である諸戸氏の言動が一々、可愛すぎる反面、『赤の神紋』9巻(桑原水菜)での「精神の奇形」と言わしめた諸戸氏の苦悩を思うと辛いです。やっぱり、再読しても最後の数文は涙せずにはいられません。丈五郎、吉ちゃんなど悪人だと思われた人物すら被害者であった社会。誰もが悪かったんじゃないというのが切ない。

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