ジュリアード弦楽四重奏団コレクション(15CD)
ベームやケンペ、クリュイタンス、カイルベルトのボックスなどが人気のヒストリカル・レーベル、ヴェニアスからジュリアード弦楽四重奏団の初期録音ボックスが登場。
RCAに録音したベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番、シューベルトの『死と乙女』、ベルク、カーター、ウィリアム・シューマンの弦楽四重奏曲に、2つのバルトーク弦楽四重奏曲全集など、米コロンビア(現ソニー・クラシカル)のステレオ録音とモノラル録音が収められたもので、初期ジュリアード弦楽四重奏団ならではの凄まじい緊迫感、攻撃的なまでの激しいスタイルの魅力を満喫できる内容となっています。ステレオ中心で、モノラルについてもセッション録音のため聴きやすい水準なのも嬉しいところです。
【ジュリアード弦楽四重奏団】
ジュリアード弦楽四重奏団は、ジュリアード音楽院の校長だった作曲家、ウィリアム・シューマンの提唱により、1946年に同音楽院の若い教授たちによって結成された弦楽四重奏団。
この弦楽四重奏団の初期の演奏の特質は何と言っても、鋭角的でパワフルでありながらもきわめて精緻なアンサンブルが実現されているという点にあり、その後の弦楽四重奏団に与えた影響の大きさにはまさに圧倒的なものがあります。
ウィリアム・シューマンの提言や、戦前に現代音楽の分野で大活躍したコーリッシュ弦楽四重奏団のヴィオラ奏者、ユージン・レーナーの影響もあり、結成当初より同時代作品も積極的にレパートリーに組み込むという基本姿勢によって一貫した活動を展開、1947年12月のデビュー・コンサートでも、ベルクの『抒情組曲』がとりあげられていましたし、バルトークの弦楽四重奏曲についても1948年の公演から積極的に紹介するようになっていました。シェーンベルク作品については、本人の前での演奏もおこなっており、その際、シェーンベルクに予想以上にワイルドな演奏と評されながらも解釈について快諾されたというエピソードからもうかがえるように、当時のジュリアード弦楽四重奏団の演奏は非常に過激なものでした。
【VENIAS/ヴェニアス・レーベル】
このレーベルのポリシーは、往年の個性的な演奏を手軽に楽しめるように低価格でボックス化するというもので、音についても、過剰なノイズカットや高域強調をおこなわずに、なるべく本来のサウンドを楽しめるようにするということです。(HMV)
【収録情報】
Disc1
● バルトーク:弦楽四重奏曲第1番
録音:September 18&20,1963(stereo)
● バルトーク:弦楽四重奏曲第2番
録音:May 21&24,1963(stereo)
Disc2
● バルトーク:弦楽四重奏曲第3番
録音:May 7&8,1963(stereo)
● バルトーク:弦楽四重奏曲第4番
録音:May 15&16,1963(stereo)
● バルトーク:弦楽四重奏曲第5番
録音:May 23-25,1963(stereo)
Disc3
● バルトーク:弦楽四重奏曲第6番
録音:May 10&14,1963(stereo)
● ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 Op.131
録音:March 28 and April 1&4,1960(stereo)
Disc4
● モーツァルト:弦楽四重奏曲第14番ト長調,K.387
録音:May 14&16,1962(stereo)
● モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番ニ短調,K.421
録音:May 29&31,1962(stereo)
Disc5
● モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番変ホ長調,K.428
録音:May 18,1962(stereo)
● モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番変ロ長調,K.458『狩り』
録音:May 25&29,1962(stereo)
Disc6
● モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番イ長調,K.464
録音:May 16&18,1962(stereo)
● モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番ハ長調,K.465『不協和音』
録音:May 1&2,1962(stereo)
Disc7
● ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調 Op.10
録音:May 7&8,1959(stereo)
● ラヴェル:弦楽四重奏曲ヘ長調
録音:May 18&21,1959(stereo)
● ウェーベルン:弦楽四重奏のための5つの楽章 Op.5
録音:September 23,1959(stereo)
● ウェーベルン:弦楽四重奏のための6つのバガテル Op.9
録音:September 25&28,1959(stereo)
Disc8
● シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調,D.810『死と乙女』
録音:February 5-6 & May 27,1959(stereo)
● ベルク:抒情組曲
録音:May 22,26&28,1959(stereo)
Disc9
● モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番ハ長調,K.465『狩り』
録音:May 1,16&17,1957 (mono)
● ハイドン:弦楽四重奏曲ハ長調 Op.74 No.1,HobV/72
録音:May 23-24,1957 (mono)
● ハイドン:弦楽四重奏曲ト長調 Op.77 No.1,HobV/81
録音:May 27,1957(mono)
● シューベルト:弦楽四重奏曲ハ短調,D.703『四重奏断章』
録音:February 5,1959(stereo)
Disc10
● ベルク:弦楽四重奏曲 Op.3
録音:July 31,1952(mono)
● カーター:弦楽四重奏曲第2番
録音:October 27&31,1960(stereo)
● ウィリアム・シューマン:弦楽四重奏曲第3番
録音:March 28&31,1958(stereo)
● グレン・グールド:『じゃあ、フーガを書きたいの?』 4声と弦楽四重奏のための
ベンソン=ガイ(ソプラノ)
ダーリアン(メゾ・ソプラノ)
ブレッスラー(テノール)
グラム(バス)
ゴルシュマン(指揮)
録音:December 14,1963(stereo)
Disc11
● シェーンベルク:弦楽四重奏曲第1番ニ短調 Op.7
録音:May 26-27,1952 (mono)
● シェーンベルク:弦楽四重奏曲第2番嬰へ短調 Op.10
ウタ・グラーフ(ソプラノ)
録音:May 3&8 and June 12,1951 (mono)
Disc12
● シェーンベルク:弦楽四重奏曲第3番 Op.30
録音:June 12&13,1951 and March 21&July 30,1952 (mono)
● シェーンベルク:弦楽四重奏曲第4番 Op.37
録音:May 16&22 and July 31,1952 (mono)
Disc13
● バルトーク:弦楽四重奏曲第1番
録音:May 11,1949(mono)
● バルトーク:弦楽四重奏曲第2番
録音:March 18&August 17,1949 (mono)
Disc14
● バルトーク:弦楽四重奏曲第3番
録音:May 11,1949 (mono)
● バルトーク:弦楽四重奏曲第4番
録音:August 17,1949 (mono)
● バルトーク:弦楽四重奏曲第5番
録音:August 18,1949 (mono)
Disc15
● バルトーク:弦楽四重奏曲第6番
録音:May 13,1949 (mono)
● ベルク:抒情組曲
録音:October 16,1950 (mono)
● ウェーベルン:弦楽四重奏のための5つの楽章 Op.5
録音:August 1,1952 (mono)
ジュリアード弦楽四重奏団