タベア・ツィンマーマン/ヒンデミット:ヴィオラ作品全集第2集
無伴奏ヴィオラ・ソナタ、ヴィオラとピアノのためのソナタ
ヴィオラの名手、タベア・ツィンマーマンが、自身優れたヴィオラ奏者でもあったパウル・ヒンデミットのヴィオラ作品をドイツのミリオス・レーベルに録音。
第2弾としてリリースされるのは、無伴奏ヴィオラ・ソナタに、ヴィオラとピアノのためのソナタ集。個性派エンジニア、シュテファン・カーエンが設立したミリオス(MYRIOS)は、音質にこだわるレーベルだけあって、セッションを組んでのレコーディングもきわめて高水準。サラウンドにも対応という手間のかかったハイブリッドSACDでのリリースも嬉しいところです。
【ヒンデミットのヴィオラ・ソナタ】
第一次世界大戦に従軍し、無事帰還したヒンデミットは、敗戦後のドイツ政府が、膨大な賠償問題などから通貨供給を一気に増やして経済的な混乱を来たし、ほどなくハイパーインフレ状態となる状況の中、ヴィオラ奏者として活動し作曲もおこなっていました。
このアルバムには、ナチスを生み出す要因ともなった社会の混乱の中で書き上げた5作品と、ナチスから弾圧対象となっていた1930年代後半の2作品を収録。
どの曲も凝りに凝った作曲技法の見事さは共通ですが、ベルリン音楽大学作曲科教授の職を得る前、ヴィオラ奏者として生計を立てていた時代の作品は、ヴィオラの豊かな音の魅力を満喫させる多彩な面白さと伴奏との複雑な絡みなどを聴かせていることが多く、曲想もブラームスのような面もあったりするのですが、残りの2作品は、ナチスから退廃認定された時代、作曲科部長を辞してからの作品ということもあってか、ヴィオラの機能を追求したいかにもヒンデミットらしいスタイルの音楽に仕上がっているのが特徴となっています。(HMV)
【収録情報】
ヒンデミット:
Disc1
・ヴィオラとピアノのためのソナタ Op.11 No.4 [1919]
1. Fantasie
2. Thema Mit Variationen
3. Finale Mit Variationen
・無伴奏ヴィオラのためのソナタ Op.11 No.5 [1919]
1. Lebhaft, Aber Nicht Geeilt
2. Mäßig Schnell, Mit Viel Wärme Vorgetragen
3. Scherzo: Schnell
4. In Form Und Zeitmaß Einer Passacaglia
・無伴奏ヴィオラのためのソナタ Op.25 No.1 [1922]
1. Breit
2. Sehr Frisch Und Straff
3. Sehr Langsam
4. Rasendes Zeitmaß, Wild. Tonschönheit Ist Nebensache
5. Langsam, Mit Viel Ausdruck
・ヴィオラとピアノのためのソナタ Op.25 No.4 [1922]
1. Sehr Lebhaft, Markiert Und Kraftvoll
2. Sehr Langsame Viertel
3. Finale: Lebhafte Viertel
Disc2
・無伴奏ヴィオラのためのソナタ Op.31 No.4 [1923]
1. Äußerst Lebhaft
2. Lied: Ruhig, Mit Wenig Ausdruck
3. Thema Mit Variationen: Schnelle Viertel
・無伴奏ヴィオラのためのソナタ [1937]
1. Lebhafte Halbe
2. Langsame Viertel - Lebhaft
3. Mäßig Schnelle Viertel - Lebhaft
・ヴィオラとピアノのためのソナタ(1939)
1. Breit, Mit Kraft
2. Sehr Lebhaft
3. Phantasie
4. Finale Mit Zwei Variationen
タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ)
トーマス・ホッペ(ピアノ)
録音時期:2011年12月(無伴奏)、2013年2月
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND