Locohama Cruising 004

2013年、第一弾。新曲を含む2枚組ミックスCDのシリーズ第4幕、堂々完成。

計47組のゲストを迎えて昨年9月にリリースしたフル・スケールのオリジナル・アルバム"THE ORIGINAL II"に続き、2013年のDJ PMXは大ヒット・シリーズの邦楽・洋楽からなる2枚組ミックスCD、「LocoHAMA CRUISING」の第4弾でスタート。“キング・オブ・ウェッサイ”を“キング・オブ・ウェッサイ”たらしめる合計60曲に及ぶクラシック曲の数々は言うに及ばず、毎回話題を捲いて止まないエクスクルーシブな新曲、“Cruising feat. GIPPER, GAYA-K, JOYSTICKK, mai / DJ PMX”も収録。邦楽ファン、洋楽ファンを選ぶことなく、全てのヒップホップ・ファン〜ウェッサイ・ファン マストなビッグ・ディスクの登場だ！

[Liner Notes]
2012年は外部ワーク集の第二弾『THE CHRONICLE II』に続き4年ぶりとなるソロ・アルバム『THE ORIGINAL II』をついにリリースし、例年以上にソロでの活動が充実していた感のあるDJ PMX。自身の活動のベースであるジャパニーズ・ウェッサイ・シーンへフォーカスした前作『THE ORIGINAL』と比べ、グッと幅広いシーン／地域／クルーからのゲスト・アーティスト計47組を迎え、これまで以上の反響を得た同作を発表したことでPMXの次なる一手にも大きな注目が集まっていたのだが、その反動なのか、人気の邦楽／洋楽2枚組ミックス・シリーズ『LocoHAMA CRUISING』の最新となる第4弾を『THE ORIGINAL II』から約半年という短いスパンで完成させた。
ここ最近のPMX作品から特に顕著に感じるのは新たな若い世代のフックアップであり、シリーズとしては実に2年ぶりとなるこの最新作からもその意向がまずは感じ取れる。『THE ORIGINAL II』のリード曲“My Beauty Queen”ではこれまで自己名義作品ではあまり絡むことのなかった宇都宮のJOYSTICKK、川崎のKOWICHI、福岡のZANG HAOZIを起用していたが、今回のリード曲「Cruising feat. GIPPER, GAYA-K, JOYSTICKK, mai」にはそのJOYSTICKK、“Miss Luxury”での共演も絶品だったGIPPER、そして意外にも初コラボレーションとなるGAYA-Kに注目の新進女性シンガーmaiまでもフィーチャー。既に古くからジャパニーズ・ウェッサイ・シーンを拠点に活動しているこの３組のラッパーを「新たな若い世代」と呼ぶのも失礼な話ではあるが、現場で今もっともアツい支持を集めているホットな存在である三者の、各々のカラーが存分に出たクルージング・チューンに仕上げられており、PMXとの相性もバッチリだ。また、邦楽サイドの収録曲に目を向けると自己名義の曲は勿論、DS455やBIG RON、DJ☆GO、HOKTらHOODSOUNDの盟友たちの曲やOZROSAURUS、AK-69といったビッグ・ネームに混じり、前述のJOYSTICKKやGIPPER、さらにはKOWICHI〜enmaku、MoNa a.k.a. SAD GIRL、MUROZOといったPMXのミックス作品には初登場となるアーティストの楽曲もピックアップ。かつてないほどのフレッシュなムードの漂う作品に仕上がっている印象だ。
一方、洋楽サイドをチェックしてみると、スヌープ（・ドギー）・ドッグやマック・10、MCエイトらのクラシックにミスター・カポーン・Eやブラウン・ボーイら人気の高いチカーノ・アクトの近年のストリート・ヒット、さらにはニプシー・ハッスルやグラッシーズ・マローン、ディスコ・ブギーといった所謂ニュー・ウェストと言われる面々の楽曲までガッチリと網羅。これまでどおり、新旧のホット・チューンを押さえてくれており、洋楽ファンも唸らせる内容となっている。

今年はついにDS455としてのアルバム制作（09年『Check Tha Number』以来！）にも取り掛かるらしいDJ PMX。ベテランの領域に達しても尚、その創作意欲やモチベーションをキープし続けており、また、今後も色々とワクワクするようなプロジェクトを企んでいるとの噂もあるだけに、昨年に引き続き今年もその動きから目が離せなそうだ。
（升本 徹）