Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• crysalis

  読了日：2019/05/25

  『孤独の発明』。第1章は「見えない人間の肖像」、オースターの父について。「世界と距離を置き、自分自身を見ることも他人から見られる人生からも退却した」という、自分にとってほとんど存在しないに近い人だった父を、それでもオースターは理解しようと不確かな記憶をたどっていく。それぞれが打ち消し合う曖昧な記憶、それを補うための想像力。終わるはずのない追跡に惑う姿はそのまま三部作の主人公たちに重なる。そしてその格闘する姿は痛ましくだからこそ魅了されるのだ。

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