Product Details
ISBN 10 : 4862851320
Content Description
1968年に生物学者G.ハーディンは『コモンズの悲劇』を発表した。以後、「コモンズ論」研究は、社会学、人類学、経済学など多分野の学際的研究による実証的な反論を中心に展開した。本書はこれらの蓄積された研究を整理し、急速に拡大している研究対象の最先端の業績を紹介しつつ、コモンズ研究の進むべき方向性を示す。多角的視点から対象分野を概観し、鋭い問題提起に関する展望や社会分析を広範囲に行うための方法、さらに環境や資源の持続可能なガバナンスへの関心とコモンズに関心を持つ者が交差するときの論点、社会システムと自然システムを合わせて分析する上で有効な方法などが豊富に盛り込まれ、コモンズに関心を持つ学生、研究者、地域の資源管理の実践・政策に携わる行政、NPO、NGO、そして資源に関わるコミュニティにとって座右の書となろう。
目次 : 序論(コモンズのドラマ)/ 第1部 コモンズのドラマにおける資源利用者、資源制度、および行動(共有資源と制度の持続可能性/ 不平等な潅漑利用主体―大規模多変量研究における異質性とコモンズ管理 ほか)/ 第2部 私有化とその限界(コモンズの保全に向けた許可証取引によるアプローチ―私たちは何を学んできたのか/ 共同所有、規制性所有、環境保護―共同体に根ざした管理と取引可能環境許可証の比較)/ 第3部 クロス・スケールのリンケージと動態的な相互作用(制度的相互作用―環境面におけるクロス・スケールな相互作用の重要性/ クロス・スケールな制度的リンケージ―ボトムアップからの展望)/ 第4部 新たに現れてきた課題(科学的不確実性、複雑系とコモン・プール制度のデザイン/ コモンズにおける制度生成―コンテクスト、状況、イベント ほか)/ 結論(15年間の研究を経て得られた知見と残された課題)
【著者紹介】
茂木愛一郎 : 1949年生まれ。現在慶應学術事業会代表。専門分野:コモンズ論、地域開発論
三俣学 : 1971年生まれ。現在兵庫県立大学経済学部准教授。専門分野:エコロジー経済学、コモンズ論
泉留維 : 1974年生まれ。現在専修大学経済学部准教授。専門分野:地域通貨論、コモンズ論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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