ソール・フリードレンダー

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ナチズムの美学 キッチュと死についての考察 ちくま学芸文庫

ソール・フリードレンダー

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480511614
ISBN 10 : 448051161X
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Content Description

何によって民衆はナチズムに魅惑されたのか。本書は、第二次世界大戦後につくられた映画・小説等を中心に言説分析を行うことにより、ナチスに魅入られた大衆心理の意外な正体を暴きだす。『地獄に堕ちた勇者ども』『リリー・マルレーン』『ブリキの太鼓』『ヒトラー、あるいはドイツ映画』等の作品中に、記憶と想像力によって再構成された第三帝国の姿。そこから照射されてくるのはキッチュと死という二要素の「完全な綜合」であり、それこそが第三帝国の美学の本質であると、ホロコースト研究の大家である著者は喝破する。ナチズム研究にいまなお影響を与え続ける古典的名著。

目次 : 序論/ 第1章 ナチズムの美学と言語―キッチュと神話と死(死と破壊のキッチュ/ アルカイックな伝説の世界 ほか)/ 第2章 二つのヒトラー像―キッチュとニヒリズムの魅惑力(ヒトラーの個人生活の細部についての叙述/ 日常生活の細部と虚無の力との並置 ほか)/ 第3章 悪魔祓いの諸形態―言語の麻痺と新たなディスクール(過去の無毒化ないし隠蔽としての悪魔祓い/ 歴史修正主義―意識的な悪魔祓い ほか)/ 第4章 ナチズム解釈の問題点―綜合的視点の必要性(合理的・学術的解釈/ 全体主義論による解釈 ほか)

【著者紹介】
ソール・フリードレンダー : 1932年プラハ生まれ。ナチスの迫害を逃れて少年時代にフランスへ移住。テル・アヴィヴ大学教授等を経て、UCLA名誉教授。専攻、ナチズム研究、ホロコースト研究。著作は多数あり、代表作の二部作Nazi Germany and the Jews:The Years of Persecution,1933‐1939(1997年)、Nazi Germany and the Jews:The Years of Extermination,1939‐1945(2007年、ピュリッツァー賞)が特に知られる

田中正人 : 1944年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士課程満期修了。専攻、フランス史・政治史。愛知大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    ナチスが何故あれほど人々を魅了したのかについては、主に政治や国際関係から読み解かれる事が多いのだが、本書は小説や映画からそれを探るといった毛色の変わった一冊。ナチスの美学の底にはキッチュと死という二つの要素の統合があるという話から始まり、現実とシンボルとしてのヒトラー、悪魔祓いとしてのナチスの無毒化や歴史修正主義、そして総論としてのまとめから成り立っている。手掛かりとしているのが小説や映画だからか、どちらかというと形而上の話をしている気も。ただ読んでいると、ナチズムの持つ破滅の美学の一端に触れれそうです。

  • Ex libris 毒餃子

    映画などに表れるナチズムの表象の危険性について、論じた本。煽動デザインの出来の良さで言えば、ナチスは随一であるが、それがどのように表れたかがよくわかりました。

  • ∃.狂茶党

    おそらくは、閾値を超えてしまうのだ。 悪を認めることは、批判的であれ困難が付きまとう。 ナチズムという、強い誘惑。 知性と、近代的なものを否定する情動。 誘惑を退けるためには、まず知ることであり、ふざけたりせず真摯に向き合い、考えることだろう。 愚かしさは常に私たちを引き入れようとするが、暗がりに足を取られぬためには、強い影が生じるとはいえ、灯りが必要である。 ナチズムは特別ではない。

  • fritzng4

    ナチズム研究の古典的名著とのことだが、正直内容が分かりづらく、巻末の解説が要約と後世への影響を紹介してくれてありがたい。取り上げられるのは『リリー・マルレーン』や『地獄に堕ちた勇者ども』、ジーバーベルクの『ヒトラー』など。

  • sugi

    官僚的で平然とした語り口は、言語を麻痺させ、大量虐殺といった叙述をも超然とした立場で受け取らせてしまうという指摘に慄然とした。言語が人間性を剥奪しうる危険性といったものに注意しなければと思った。

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